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「バカやっていたし、最強だと思ってました」吉沢亮が振り返る10代の記憶「あの頃の自分に声をかけるとしたら…」

  • 2026.7.27
吉沢亮さん。

名作ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』で主人公・エヴァンを演じている吉沢亮さん。「歌も芝居の一部」と語る役づくりのこだわりから、「ちゃんと10代をやっていました」と語るデビュー当時の思い出まで。吉沢さんの飾らない素顔を聞きました。


僕も10代の頃はバカやっていたし最強だと思ってました

吉沢亮さん。

――本作で吉沢さんが演じる、高校生のエヴァンは社交不安障害を抱えており、セラピストから、自分宛に手紙を書くようにすすめられています。吉沢さんは、ご自身の気持ちを書き綴ることはありますか?

アウトプットすると頭の整理にはなりますよね。それこそ、自分が出演させてもらう作品にコメントを出す際って、いつもすごく真剣に考えるんです。一度文字にしたり、言葉にしたりすることで自分がどんな感情で作品に向き合おうとしているのかが明確になってきます。

こうしたインタビューで色々と質問していただけることで、自分が喋っている内容を、俯瞰的な視線で聞いて「なるほどね」と再確認することもあります。

――社交不安を抱えている人物を演じるうえで、とくに意識していることはありますか?

最終的にどのようなお芝居をするかは稽古をしてみないと決められないですが(※取材時は稽古前)、まずは声のトーンは大事にしたいです。歌を歌うときの声が、普段の声のトーンとずれてしまうと、それはただの歌になってしまうので。歌もちゃんと芝居の延長線にあることを意識したい。だから、お芝居の声のトーンをどこに設定するのがいいのか、すごく悩んでいます。

あと、エヴァンは頭の回転が相当早い人ではあるけれど、やっぱりまだ10代だから物事を表面的にしか見られない部分がありますよね。なのに達観した気になってしまっている。その思春期特有の未熟さをちゃんと表現できたら、と思っています。

――吉沢さんはどのような10代を過ごしていましたか?

ちゃんと「10代」をしていましたよ。バカやっていたし、調子にのってましたね。最強だと思ってました(笑)。あの頃の自分に声をかけるとしたら、「もっと英語の勉強しておいたほうがいいよ!」かな。

現場で生まれるものを求めて、セリフは声に出さず覚える

吉沢亮さん。

――エヴァンが放つ「一人じゃない」というメッセージが、今作の主題の一つにもなっていると思います。吉沢さんが、一人ではないと感じられる瞬間ってどんな時ですか?

我々の仕事は、絶対に一人では成立しない仕事。脚本を書いてくれる人がいて、監督がいて、カメラマンさんがいて、照明さん、録音さんがいて、それに共演者の方々もいて。皆さんがいてようやくできる仕事なので「一人ではない」ことは常に実感しています。

本当に多くの方々が関わっていますし、自分がカメラやお客さんの前に立つときにはすでに作品は9割完成しているようなもの。だからいい意味で「自分でなくてもいいのでは?」と感じることもあります。それくらい我々俳優がやれることって、本当に限られたことだけなんですよね。みなさんが作ってくれた土台に立っているだけなのに、その作品の「顔」として扱ってもらえる。だからこそ勘違いしちゃだめだな、と常に意識するようにしています。

吉沢亮さん。

――9割完成していたとしても、やはり現場での反応で生まれるものもありますか?

そうですね。こちらが想像していたものとは違うものが出来上がっていくのも、演じることを楽しいと感じる理由の一つです。なので、セリフを覚える際になるべく声に出さないようにしているんです。声に出す場合は、感情を入れずにただただ読む。フラットな状態で現場にいくことで、相手に合わせて色々試すことができるので。

最初から演技プランを固めて行ってしまうと、何が正しいのか、正しくないのかの答え合わせになっちゃう気がするんですよね。その場で正解を見つけようとすることで、より多くの可能性に触れられます。自分から先に答えを出してしまうと、狭い範囲でのやりとりになってしまうので。

舞台作品は、稽古で正解を見つけていって、最後の公演まで何度も何度も繰り返し演じていくので、磨ききったものを見せている感覚です。舞台に立つとすべての角度から見られるから、かっこいいとかかっこ悪いとかもなくなっていきますし。本当に嘘がつけない世界だからこそ、緊張するし鍛えられます。

吉沢亮(よしざわ・りょう)

1994年2月1日生まれ。東京都出身。近年の代表作は、『キングダム』シリーズ、『東京リベンジャーズ』シリーズなどに出演。ドラマは大河ドラマ『青天を衝け』連続テレビ小説『ばけばけ』など。映画『国宝』(李相日監督)が高い評価を得ている。公開待機作に『キングダム 魂の決戦』がある。

文=高田真莉絵
撮影=佐藤 亘

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