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「人生でこんなに頑張っているのは仕事くらい」吉沢亮が〈憧れの舞台〉に挑む理由、映画『国宝』200億超ヒットへの本音

  • 2026.7.27
吉沢亮さん。

ブロードウェイで心を揺さぶられた作品に、今度は演じる側として挑む吉沢亮さん。ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』への思いをはじめ、舞台に立つたびに感じる緊張や、あえて難しい役に惹かれる理由、そして大きな反響を呼び、興行収入200億超という記録的大ヒット映画『国宝』への率直な思いまで。飾らない言葉から、俳優という仕事に誠実に向き合う姿勢が見えてきます。


舞台に出演するときは毎回驚くほど緊張する

吉沢亮さん。

――以前からブロードウェイにも足を運ばれているそうですね。吉沢さんにとって、ミュージカルという表現の魅力はどんなところにありますか?

ニューヨークにはちょこちょこ行く機会があって、そのたびにブロードウェイでミュージカルを観ています。今作『ディア・エヴァン・ハンセン』もブロードウェイで一度観ました。

ミュージカルを好きになったきっかけは、『ラディアント・ベイビー~キース・ヘリングの生涯~』という、キース・ヘリングの生涯を描いた作品。実は、その舞台のオーディションを受けるにあたってニューヨークへ行き、キース・ヘリングの作品や人生についても勉強したんです。

でも、結果は不合格。その後、日本版で主演を務められた柿澤勇人さんのお芝居を拝見したら、本当に圧倒されました。自分が受かるわけなかったな、と(笑)。これまで抱いていたミュージカルのイメージが覆るほどの演技で、「こんなにも魂を震わされるものなんだ」と衝撃を受けたんです。それ以来、ミュージカルは大好きですし、ずっと僕にとっては“憧れ”です。

――ミュージカルだからこそ感じる難しさや、やりがいについて教えてください。

ミュージカルに限らず、舞台は毎回本当に緊張します。何公演あっても、いつも新鮮な気持ちでちゃんと緊張してる。だから、楽しいという感覚を味わう余裕は、正直あまりないんですが、その緊張感の中にいるからこそ得られる学びが舞台にはあります。舞台に立つとお客さんからは全身を観られますし、本当に嘘がつけない世界ですよね。

今回は、自分がブロードウェイで観て心を動かされた作品を、演じる側として届けなきゃいけない。その責任も感じていますし、「やるしかない」と自分を追い込んでます。

吉沢亮さん。

――舞台では、映像作品とはまた異なるプレッシャーを感じますよね。

映像作品だったら、僕が急に動きを止めても撮り直せばリカバリーできますが、舞台だとお客さんに「あれ?」と驚かれてしまいますよね。その違いはすごい大きいと思います。

以前出演した舞台の本番中に急に声が出なくなってしまったことがあるんです。喉のケアのためにトローチを上顎に貼っていたのですが、それがのどに貼り付いちゃったみたいで。あれは本当に地獄でした。舞台上で、「今、夢みてるのかな?」と思うくらい、自分に起きていることを受け止められなくて。お客さんの熱がすっと冷めるのを感じて、「舞台に立つ人間がやってはいけないのはこういうことか」と実感しました。

人生でこんなに頑張っているのは仕事くらい

吉沢亮さん。

――「やるしかない」と自分を追い込んでまで、プレッシャーの大きいミュージカルに挑戦するのはなぜでしょうか。そこまでご自身を突き動かすものは何ですか?

自分には演じることしかないですから。プライベートでは1ミリも努力をできないので(笑)、人生で頑張っているのは仕事くらい。だから毎回緊張してしまうミュージカルの舞台にも立つのだと思います。演じることに対してまで甘えだしたら、あまりにも何もない人生になってしまう気がするので。

――演じることに対するその姿勢は、何かきっかけがあって生まれたものですか?

タイミングとかきっかけみたいなものはあまりないかもしれません。デビューした当初からずっと、芝居することは楽しい。そこは変わってないんです。

ただ、デビューしたばかりの頃は、「なぜ同じような役柄ばかり求められるんだろう」と悩んだ時期もありました。でもそれでも続けていくことで、「これ、俺にできるのだろうか?」と思うようなオファーをいただくことも増えてきて。そういう難しい挑戦を前にすると、燃えるんですよね。もちろん、やってみたら大変すぎて地獄ってことも多いんですが(笑)。

――映画『国宝』では、長い準備期間を経て非常に難しい歌舞伎役者役に挑まれました。作品は国内外で大きな反響を呼んでいますが、その反応をどのように受け止めていらっしゃいますか?

ここまで大きくなると正直、他人事のようにも感じます。興行成績が50億円を突破したあたりのときは、「今すごいことが起きてる!」と自分でも興奮気味だったんですが、もうそれ以上はよくわからなくなっちゃって(笑)。でも、おばあちゃんが何十年ぶりに映画館に行ったみたいな話を聞くと単純に嬉しいです。普段全く映画などを観ない友人からも「観たよ。すげえな!」って連絡をもらえたので、多くの人に観てもらえているのを実感してます。

吉沢亮(よしざわ・りょう)

1994年2月1日生まれ。東京都出身。近年の代表作は、『キングダム』シリーズ、『東京リベンジャーズ』シリーズなどに出演。ドラマは大河ドラマ『青天を衝け』連続テレビ小説『ばけばけ』など。映画『国宝』(李相日監督)が高い評価を得ている。公開待機作に『キングダム 魂の決戦』がある。

文=高田真莉絵
撮影=佐藤 亘

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