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「いつになったら直るの」築20年・120戸マンションの敷地内すべり台、点検後の夏に黄色いテープが巻かれた結果

  • 2026.8.17
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産管理会社で10年以上の現場経験があり、マンション管理士の資格を持つライターのS.Kです。敷地内に、遊具を備えた小さな広場のあるマンションもあります。

車が入らない安全な場所で子どもを遊ばせられる環境は魅力的です。今回は共用施設である遊具の破損をきっかけに、予期せぬ日常の変化を経験した家族のエピソードを紹介します。

放課後の楽しみだった敷地内のすべり台

Eさん(36歳・会社員)は、夫と小学2年生の長男の3人で暮らしています。住まいは、築20年・総戸数120戸のマンションです。敷地内にはすべり台とブランコを置いた広場があります。

敷地に車が入ってこない安全さに加え、Eさんの住戸のベランダから見下ろせる位置にあることも、安心して送り出せる理由でした。長男はこの場所で遊ぶことが大好きで、学校から帰ると広場へ向かうのが日課になっていたのです。

使用禁止のテープが巻かれたまま過ぎた夏

ところが去年7月の点検で、すべり台の支柱の内側に腐食が見つかりました。翌日には使用禁止の表示が出され、すべり台には黄色いテープが巻かれたまま夏が過ぎていきました。

「いつになったら直るの」

広場を見つめる長男がEさんに尋ねました。いずれ修理されると考えていたEさんは優しく答えます。

「もう少しね」

秋になり、理事会が入れ替えの見積もりを取り寄せたというお知らせが掲示板に張り出されました。見積もりは数百万円規模に上り、広場を使う世帯も減っていたそうです。

遊具の点検では、国土交通省が都市公園の管理者に向けてまとめた安全確保の指針が目安にされることもあります。マンションの遊具を直接規制する決まりではなく、修理するか撤去するかは管理組合の判断になります。

総会で可決された撤去と暮らしの変化

今年の通常総会において、すべり台を撤去して跡地を植栽にする議案が上程され、賛成多数で可決されました。ブランコは点検を続けながら残る方針が決まります。

撤去が決まり、Eさん一家の暮らしは変わりました。一番近い公園は交通量の多い道路を渡った先にあり、小学2年生の長男だけでは行かせられません。保護者の付き添いを要する外遊びは週末が中心になり、長男が平日の放課後に外で遊ぶことはなくなりました。

共用施設の維持方針を事前確認するポイント

マンション購入を検討する際は、敷地内の共用設備がどのように管理されているか確認しましょう。標準的な長期修繕計画(将来行う修繕工事の時期や費用をまとめた計画書)の様式において、遊具やベンチは「外構・附属施設」の項目に含まれます。

ただし、計画はあくまで将来の予定であり、実際に取り替えるかどうかは、かかる費用と利用している世帯数を踏まえ、時期が来たときに改めて判断されます。Eさんのマンションのように、撤去が選ばれる場合もあるのです。

遊具や共用施設に魅力を感じて購入を検討するなら、仲介会社を通じて長期修繕計画と修繕の履歴、総会の議事録でその設備の扱いを確かめてください。現地で使用禁止の掲示が出ている設備があれば、修理と撤去のどちらで検討が進んでいるのかを担当者に質問しましょう。

参考:
都市公園における遊具の安全確保に関する指針(改訂第3版)(国土交通省)
長期修繕計画作成ガイドライン(国土交通省)



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


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