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「保険に入っているのに、5万円も払うの?」台風で愛車が損傷→30代女性が直面した車両保険の“盲点”

  • 2026.8.20
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

台風の接近に伴い、家の周囲にある飛ばされそうな物を片付けたり、雨戸を閉めたりと、さまざまな備えをする人も多いでしょう。しかし、どれだけ注意していても、強風によって看板や木の枝、屋根の一部などが飛ばされ、駐車しているクルマにぶつかることがあります。

「こういった時のために車両保険に入っているから、クルマが壊れても大丈夫」と思っている人もいるかもしれません。ところが、実際に台風の被害に遭うと、修理費の一部が自己負担になったり、保険を使ったことで翌年の保険料に影響したりするケースがあります。

台風によるクルマの損害に備えるには、車両保険に加入しているかだけでなく、どのような条件で補償されるのかを知っておくことが大切です。

台風の飛来物でクルマが大きく損傷

台風が接近したある日、自宅近くにクルマを駐車していたRさん(30代・女性)。

翌朝、クルマを確認すると、ボディには大きな傷やへこみができていました。深夜の強風によって何らかの物が飛んできて、クルマにぶつかったのでしょう。しかし、飛来物がどこから来たのか、誰の所有物だったのかを特定することはできませんでした。

Rさんは車両保険に加入していたため、「これなら修理費は保険で対応できる」と考え、保険会社へ連絡しました。ところが、そこで思わぬ説明を受けます。

Rさんの契約には5万円の免責金額が設定されており、修理費のうち5万円は自己負担になるというのです。さらに、車両保険を使うことで翌年の等級にも影響することが分かりました。

「保険に入っているのに、5万円も払うの?」

Rさんは、車両保険に加入していれば修理費をすべてカバーできると思っていたため、戸惑ったといいます。

火災保険ではクルマを修理できない?

台風による飛来物でクルマが損傷すると、「自宅の火災保険で修理できないの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。しかし、火災保険は基本的に建物や家財などを補償するもので、自分のクルマの損害を補償するものではありません。そのため、自宅に飛んできた物でクルマが壊れた場合でも、基本的には自動車保険の車両保険で備えることになります。

それでは、飛来物の持ち主が分かっていればどうでしょうか。

強風で隣家の看板や所有物が飛ばされ、それが自分のクルマにぶつかったことが明らかな場合には、状況によっては所有者に損害賠償を請求できる可能性があります。

しかし、台風などの自然災害は「不可抗力」とみなされやすく、所有者の管理に明らかな落ち度がない限り賠償を問うのは困難です。加えて、どこから飛んできたのか分からなかったり、持ち主を特定できなかったりするケースも少なくありません。さらに、その飛来物によって損傷したという因果関係を立証するのはかなり難しいです。

Rさんの場合も、飛来物の出どころや持ち主を特定することはできませんでした。そのため、修理するには自身の車両保険を利用するしかなかったのです。

「車両保険=修理費が全額出る」ではない

車両保険は、事故だけでなく、台風や洪水、高潮、飛来物などによるクルマの損害も補償対象です。ただし、契約内容によっては免責金額が設定されています。

免責金額とは、事故や損害が発生した際に契約者が自己負担する金額です。

たとえば修理費が30万円で免責金額が5万円の場合、保険から支払われる金額は原則として25万円となり、5万円は自己負担となります。

また、台風などの自然災害による損害で車両保険を使った場合、一般的には1等級ダウン事故として扱われます。翌年度の保険料が上がる可能性があるため、目の前の修理費だけでなくその後の保険料への影響も考えなければなりません。

こういったリスクについても認識したうえで、「車両保険に入っているから安心」と考えるのではなく、実際の免責金額や保険使用後の等級まで確認しておきましょう。

台風シーズン前に確認しておきたいこと

台風による飛来物の被害は、どれだけ注意していても完全に防ぐことは難しいものです。だからこそ、台風シーズンを迎える前に、自分の車両保険について確認しておくことが大切です。

特に確認したいのは、次のようなポイントです。

・台風や飛来物による損害が補償されるか
・免責金額はいくらに設定されているか
・車両保険を使った場合、翌年の等級や保険料はどうなるか
・現在の車両保険金額はいくらになっているか

また、車両保険に加入していなければ、飛来物によってクルマが損傷した場合、原則として修理費は自己負担になります。保険料を抑えるために車両保険を外したり、免責金額を設定したりすることは一つの方法です。しかし、台風などでクルマが大きく損傷した場合、修理費が数十万円に及ぶ可能性もあります。

大切なのは、「保険料をいくら払うか」だけではありません。

「もしクルマが大きく損傷したら、自分はいくらまで自己負担できるのか」を考えたうえで、補償内容を選ぶことも重要です。

台風シーズンは、家の備えだけでなくクルマの備えも忘れずに。いざという時に「こんなはずではなかった」とならないよう、今のうちに自分の車両保険の内容を確認しておきましょう。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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