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『電動歯ブラシ』と『手磨き』汚れが落ちるのはどっち?→歯科医がズバリ回答。意外と知られてない“正しい歯磨きの方法"

  • 2026.8.9
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

毎日行う歯磨き。手磨きから電動歯ブラシへの移行を考えているものの、「本当にきれいに磨けるの?」「歯や歯ぐきを傷つけてしまわない?」と疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。

また、高機能な電動歯ブラシを手に入れたのに、実は正しい使い方ができておらず、磨き残しやトラブルを招いてしまっているケースも少なくありません。

手磨きと電動歯ブラシではどちらが良いのか、そして本当に効果的な歯磨きのコツとは何なのか。今回は、歯科医師の鷹巣多紀さんに、それぞれの特徴や正しい磨き方、そして今日からすぐに実践できる「磨き残しをなくす方法」について詳しくお話を伺いました。

手磨きより優秀?電動歯ブラシが持つメリットと落とし穴

---手磨きと電動歯ブラシでは、やはり電動歯ブラシのほうが汚れが落ちるのでしょうか?それぞれのメリットや使い方の注意点について教えてください。

鷹巣 多紀さん:

「いくつもの研究をまとめて見てみると、電動歯ブラシのほうが歯垢(プラーク)を落とす力も、歯ぐきの炎症をおさえる力も、手磨きより少しだけ上、という結果が出ています。

ただ、これは『電動なら当てるだけで全部きれいになる』という話ではありません。正しい方法さえ身につけていれば、手磨きでも十分にきれいにできます。

では、何が差を生むのか。答えはシンプルで、『毛先が汚れのある場所にきちんと触れ、必要な時間そこにとどまっているかどうか』。これに尽きます。

手磨きの場合、ブラシの動きも力加減も、すべて自分の手にかかっています。だからこそ、力の入れ方や手先の動かし方によって、仕上がりに差が出やすいのです。一方、電動歯ブラシはブラシのほうが細かく動いてくれるので、ヘッドを歯の面に沿ってゆっくり滑らせるだけで、一定の動きを保ちやすい。ここが大きな利点です。

ところが、ここに落とし穴があります。『振動しているから大丈夫』と安心して次々に歯を通過させてしまうと、歯の内側、奥歯の後ろ、歯と歯ぐきの境目に、汚れが意外なほど残ってしまうのです。

力の入れ具合は、毛先が歯の面に触れる程度で十分。強く押しつけたところで、届いていない場所まで磨けるわけではありませんし、かえって歯ぐきに負担がかかります。

時間についても、『合計2分』という数字だけを気にするのではなく、外側・内側・かむ面へ均等に配ることが大切です。

まとめると、汚れ落ちを決めるのは『毛先の位置』『軽い圧』『ゆっくりした移動』の3つ。

電動歯ブラシを選ぶなら、奥歯まで届かせやすいヘッドのものを。加えて2分タイマーや圧センサーがついていると、正しい磨き方を無理なく続けやすくなります。」

歯や歯ぐきを傷つけるリスクは?正しい使い方と歯磨き粉の選び方

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---電動歯ブラシを使うことで、歯や歯ぐきを傷つけてしまうリスクはないのでしょうか?また、歯磨き粉の選び方についてもアドバイスをお願いします。

鷹巣 多紀さん:

「リスクがまったくないとは言えません。ただ、正しく使っている限り、電動歯ブラシが手磨きより歯や歯ぐきを傷つけやすいというはっきりした根拠はなく、安全性はおおむね確認されています。

気をつけたいのは使い方です。ブラシ自体が動いているところに、さらに手の往復運動を重ね、同じ場所へ強く押し当て続ける、これをやってしまうと、歯ぐきの擦り傷や、歯の根元の摩耗、知覚過敏の一因になり得ます。

なお、歯ぐきが下がるのは歯周病や歯肉の薄さなど、いくつもの要因が重なって起こるものです。強い歯磨きだけが原因とは限りません。とはいえ、余計な力は避けるに越したことはないでしょう。

特に注意したいのが、すでに歯ぐきが下がって歯の根元が見えている部分。ここはエナメル質より軟らかい組織が表に出ているため、傷つきやすい場所です。

多くの電動歯ブラシは、歯の面に数秒ずつ当てて、歯から歯へゆっくり移していくのが基本の使い方。手磨きのような大きな往復運動は加えず、お使いの機種の説明書に従ってください。

『研磨剤入りの歯磨き粉は危ないのでは』と心配される方もいますが、それだけで危険というわけではありません。一般的なフッ化物配合の歯磨剤を適量使うことには、むし歯予防というはっきりした利点があります。

ただし、着色除去を強くうたう製品のなかには、研磨性が高いものもあります。強い力で長期間使い続けるのは避けたいところです。歯がしみる、根元がくぼんでいる、歯ぐきに傷ができる、こうしたことがあれば、低研磨タイプへの変更も含めて、歯科医院で相談してみてください。

予防の基本は、やわらかめの毛を選ぶこと。そして、圧センサーが反応しない程度の軽い力で使うことです。」

磨き残しをゼロにする!今日からできる「歯磨きルート」の固定化

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---磨き残しを防ぐために、私たちが毎日の歯磨きで意識すべきポイントや、簡単に実践できるコツがあれば教えてください。

鷹巣 多紀さん:

「いちばん簡単で、いちばん効くコツ。それは『毎回、同じ場所から始めて、同じ順番で口の中を一周する』と決めてしまうことです。

歯磨きの失敗は、動かし方が少し違うことよりも、『磨いたつもりで、ある面を丸ごと飛ばしてしまう』ことで起こりやすいからです。

たとえば、右下の奥歯の内側からスタート。そのまま前歯を通って左下の奥歯へ進み、続けて外側、かむ面へ。次に上の歯も同じ順番で。こんなふうに、自分だけの『歯磨きルート』を固定してしまいます。鏡を見ながら『今はどの面を磨いているか』を意識できれば、さらに抜け落ちにくくなります。

手磨きなら、歯1〜2本分ずつ小さく動かす。電動歯ブラシなら、毛先を歯と歯ぐきの境目に当てたまま、1本ずつゆっくり次へ移していく。

2分タイマーつきの機種なら、口の中を4つのブロックに分けて30秒ずつ使ってみてください。見えやすい前歯や外側ばかりに時間が偏ることがなくなります。

特別な道具を増やす必要はありません。順番を決めるだけで、『どこまで磨いたか分からない』という迷いが消え、歯の内側や一番奥の歯の磨き残しがぐっと減ります。毎日同じルートを繰り返すうちに、考えなくても全部の面を通れる習慣になっていくはずです。

ただし、歯と歯が触れ合う面だけは、歯ブラシでは届きません。そこはフロスや歯間ブラシで補ってください。

まずは明日の朝、スタート地点をひとつ決めるところから始めてみましょう。」

「順番の固定化」で磨き残しを防ぎ、健康な歯と歯ぐきをキープしよう

手磨きと電動歯ブラシ、どちらを使う場合でも、汚れを落とす鍵は『毛先を正しい位置に軽い圧で当て、ゆっくり移動させること』という極めてシンプルな基本にあります。

『磨いたつもり』による磨き残しを防ぐために、明日からすぐに実践できる『自分だけの歯磨きルートを固定する』という方法を取り入れてみてください。特別な道具を増やすことなく、毎日の習慣にするだけで、磨き残しは大幅に減らすことができます。どうしてもブラシが届かない場所はフロスや歯間ブラシで補いながら、健康なお口の環境を保っていきましょう。


監修者:鷹巣 多紀 大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。 歯科医師ママkiki|note: https://share.google/uUYsDiSMnkNKZCrOw X: https://x.com/kikimama0405

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