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「放射線が体にたまりそう…」歯のレントゲン撮影を拒もうとした50代女性→直後、歯科医が見せた“驚きの数字”【歯科医が解説】

  • 2026.9.20
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。歯科医師の鷹巣多紀です。

「先週、健康診断で胸のレントゲンを撮ったばかりなのですが……」歯医者でも撮影を提案された50代のBさんは、短い間に続けて受けることをためらいました。

被ばく量はゼロではありません。ただ、健康診断の直後だからといって、歯の撮影を必ず先延ばしにする必要もありません。何を調べる画像なのか撮影の必要性を聞くと、受けるかどうか考えやすくなるでしょう。

健診の撮影と「歯の1枚」が重なった

50代女性のBさんは、右上の奥歯にフロスが引っかかり、歯医者を受診しました。見える穴はありませんが、歯と歯の間を調べるため、デンタルX線1枚を提案されます。

Bさんは、その週に会社の健康診断で胸部エックス線撮影を受けたばかりでした。「放射線が体にたまりそうで心配です。今月は見送ったほうがよいですか」と尋ねました。

歯科医師は、今回撮るのは右上の奥歯を写す1枚だと伝え、Bさんが心配している被ばく量を具体的な数字で説明しました。

デンタルX線1枚の被ばく量はどのくらい?

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

放射線の人体への影響を表す目安には、mSv(ミリシーベルト)という単位があります。国内の医療機関が示す概数では、デンタルX線1枚は約0.01mSvです。

量子科学技術研究開発機構の資料では、東京からニューヨークへ航空機で移動するときに受ける放射線量は約0.1mSvです。飛行経路や高度でも変わりますが、デンタルX線1枚の目安はその約10分の1になります。

エックス線は撮影後も体内に残りません。ただし、「少量なら何枚撮ってもよい」という意味ではなく、診察と過去画像を確認して必要な範囲へ絞ります。

線量だけで撮影の良し悪しは決まらない

国内の医療機関が示す一例では、デンタルX線は約0.01mSv、パノラマX線は約0.03mSv、歯科用CTは約0.1mSvです。ただし、機器や撮影範囲、条件で数字は変わります。

デンタルX線は数本の歯を細かく見たいとき、パノラマX線は上下の歯と顎を広く確認したいときに使います。歯科用CTは、平面の画像では分かりにくい歯根や顎の骨、神経との位置関係を立体的に調べる撮影です。

線量が高いほど「悪い撮影」という意味ではありません。少ない線量の画像では判断しにくく、CTの結果が診断や治療方針に関わる場合に、必要な範囲へ絞って検討します。「何を知るためか」「結果で治療がどう変わるか」を聞き、線量と必要性を一緒に考えましょう。

Bさんは撮影の目的を確認し、1枚撮ることにしました。画像には、古い詰め物の下から歯と歯の間へ広がる虫歯を疑う変化が写っていたのです。

画像と口の診察から、詰め物の下の虫歯と診断されました。神経に近い所見はなく、古い詰め物と虫歯部分を除去して修復する方針となります。Bさんは、撮影結果が治療にどう役立ったかも理解できました。

迷ったときに伝え、聞いておきたいこと

撮影前には、妊娠中または妊娠の可能性があること、最近受けた歯科の画像検査、ほかの医療機関に過去画像があることを伝えます。胸部や胃の検査も気になるなら、時期と種類を話してください。

質問したいのは、①撮影の目的、②画像の種類、③枚数や範囲、④過去画像を使えるか、⑤撮らない場合に判断しにくい点です。妊娠中でも必要性を検討して歯科エックス線撮影を行う場合がありますが、妊娠していることは先に共有しましょう。

数字と目的を聞いてから判断する

Bさんは、デンタルX線1枚の被ばく量と、何を確認するための撮影なのかを尋ねました。数字は怖さを具体化する目安ですが、撮影の価値は得られる情報と合わせて考えます。

「怖いから断る」「勧められたまま受ける」の二択ではありません。何を確かめる画像か、種類と枚数、以前撮った歯科画像があるかを尋ね、目的を理解して決めましょう。


執筆・監修:鷹巣 多紀

大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。

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