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「足の血管が浮き出る…」“着圧ソックス”を穿いて放置→数年後、50代女性を直撃した“悲惨な事態”に「早く受診していれば…」

  • 2026.9.18
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「立ち仕事だし、足のむくみや血管が浮き出るのも仕方がない」

そう諦めて市販の着圧ソックスで誤魔化し、受診を後回しにしていた50代女性のCさん。しかし数年後、突然足の皮膚が黒ずんでボロボロと崩れ、深い「穴」が開く事態に陥ってしまいました。

診断結果は「うっ滞性潰瘍」。長期におよぶ治療と手術を経て快復したものの、「早く受診していれば…」と大きな後悔を残すこととなりました。

みなさま、こんにちは。麻酔科専門医の松岡雄治です。今回はCさんの症例をもとに、足の血管の異変が招く危険なリスクと受診の目安について解説します。

足の血管のボコボコから皮膚トラブルが悪化するまでの落とし穴

なぜ足の「血管のコブ」を放置すると皮膚に深い穴が開くのでしょうか。その進行は、以下のようなメカニズムで足の皮膚組織にダメージを与えていきます。

【足の皮膚障害が進行するフロー】

  1. 逆流防止弁の破壊:重力に抗って血液を心臓へ戻すための静脈の「逆流防止弁」が、加齢や長時間の立ち仕事による負担で壊れます。
  2. 血液のうっ滞:滞った血液が下半身に溜まり続け、足の血管に高い圧力が持続して足に静脈瘤ができます。
  3. 皮膚の栄養失調:圧迫によって毛細血管の血流が滞り、皮膚の細胞に酸素や栄養が届かなくなります。
  4. 皮膚の傷と潰瘍形成:湿疹や黒ずみが生じ、かゆみや小さな傷をきっかけに皮膚の組織が傷ついて障害が進み、深い穴(うっ滞性潰瘍)が開いてしまいます。

「年齢のせい」という思い込みと、危険な合併症の境界線

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「足がむくむのはいつものこと」「ズボンで隠せば見えないから平気」。毎日を懸命に生きる皆さんが、ご自身の不調を「大したことはない」とやり過ごしてしまうのは、ごく自然な心理です。

しかし、今回のケースを通してぜひお伝えしたい危険な境界線があります。足の血管がボコボコ浮き出る「下肢静脈瘤」は、実は見た目やむくみだけの問題ではありません。とても身近な疾患ですが、これを放置すると静脈の血流不全が足の皮膚組織を深刻に痛めてしまいます。

さらに、血流が滞ることで静脈の中に「血の塊(血栓)」が生じ、痛みを伴う炎症(血栓性静脈炎)を起こすこともあります。稀ではありますが、深部の静脈にまで血栓が及べば、肺の血管に詰まる重篤な事態(エコノミークラス症候群)を引き起こすリスクもゼロではありません。これは決して自己責任ではなく、ただ「年齢や立ち仕事のせい」と隠していた裏で進行する、病気のサインが見過ごされた結果起こる症状なのです。

重症化する前に、確認すべき3つのサイン

ただの疲れによるむくみと、症状が進行した危険な下肢静脈瘤を見分けるために、以下の3つのサインをご確認ください。

1. 足の血管がボコボコと浮き出る、または蛇行する

立っている時にふくらはぎや太ももの血管が浮き出てコブのようになるのは、静脈の弁が壊れているサインかもしれません。

2. 夕方の強いだるさと、夜間のこむら返り

血液が足にうっ滞し、筋肉や神経に過度な負担が及んでいる警告です。

3. 内くるぶし周辺の皮膚が黒ずみ、かゆい湿疹ができる

「うっ滞性皮膚炎」と呼ばれ、潰瘍(穴)ができる一歩手前の最も危険なサインです。

血管のボコボコや黒ずみに気づいたら血管外科や皮膚科へ

下肢静脈瘤を「いつものむくみ」と軽視して放置すると、静脈の血流不全から皮膚がダメージを受けて壊死し、うっ滞性潰瘍や血栓性静脈炎を引き起こす恐れがあります。

血管のボコボコした浮き出や足のだるさ、内くるぶし周辺の黒ずみや湿疹が現れたら、重症化する前の危険信号です。「立ち仕事や年齢のせい」と自分を納得させず、症状が進行する前に受診を検討しましょう。

下肢静脈瘤は弾性ストッキングの着用や、体への負担の少ない日帰り手術で根本治療が可能です。風呂上がりに足を観察し、変化に気づいたらすみやかに専門医へご相談ください。


※本エピソードは複数の患者さんの経験をもとに再構成した架空のものです

監修者・執筆:松岡 雄治
総合病院や大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じて、幅広い診療科の周術期管理に従事。現在は急性期病院の麻酔科医として最前線の医療に携わっている。専門医としての高度な医学的知見を活かし、医療・健康・美容分野でのコラム執筆や医学論文の解説などを幅広く手掛ける。医療AI技術開発プロジェクトへの参画など多岐にわたる実績を持ち、読者に寄り添った分かりやすい医療解説に定評がある。保有資格は麻酔科専門医、睡眠コンサルタント、睡眠検定1級など。

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