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年に3〜4回“膀胱炎”を繰り返す40代女性→「何が原因なんだろう」泌尿器科に相談すると…医師から指摘された“本当の原因”とは?

  • 2026.9.17
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。泌尿器科専門医の小内友紀子です。

「何度も膀胱炎を繰り返すから、もっとデリケートゾーンを清潔に洗わなければ」

そのように考えて一生懸命に洗い続けてはいませんか?一見すると衛生面での正しいアプローチに思えますが、実は過度な洗いすぎが皮膚や粘膜のバリア機能を低下させ、かえってトラブルを引き起こす引き金になっているケースがあります。

「きれいにケアしているはずなのになぜ予防できないのだろう」と疑問や不安を抱えている方にこそ、知っていただきたい事実があります。

今回は「過度な洗浄」が招いたトラブル事例をもとに、正しいケア法を解説します。

※本エピソードは複数の患者さんの経験をもとに再構成した架空のものです。特定の個人を指すものではありません。

「きれいにすれば防げるはず」という思い込み

Sさんは43歳の女性。数年前から、年に3〜4回のペースで膀胱炎を繰り返していました。排尿時の痛み、残尿感、頻尿。症状が出るたびに婦人科や内科で抗菌薬をもらって治してきましたが、またしばらくすると再発する、の繰り返し。

「何が原因なんだろう」と考えたSさんが行き着いた答えは、「陰部の清潔が足りないのでは」ということでした。そこから、丁寧なセルフケアが始まりました。入浴時は石鹸をしっかりつけて陰部をごしごし洗う。トイレのあとは洗浄式便座で毎回洗い流す。外出先でも、温水洗浄便座が使えるトイレでは必ず使うようにしていたといいます。

「これだけやれば大丈夫なはず」
そう思っていたSさんでしたが、膀胱炎は相変わらず繰り返しました。それどころか、しばらくすると陰部にじわじわとしたかゆみまで出てきてしまい、「いったいどうすれば…」という気持ちで泌尿器科を受診されました。

「洗いすぎが、かゆみの原因です」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

診察でSさんから日頃のケアの話を聞いて、まずお伝えしたのはかゆみの原因についてです。

「石鹸で陰部をごしごし洗うのは、実は逆効果なんです」
Sさんは少し驚いた様子でした。

陰部の皮膚や粘膜には、もともと肌を守るための常在菌(じょうざいきん・皮膚に住み着いている善玉の菌)が存在しています。石鹸で強くこすって洗い続けると、この常在菌まで洗い流してしまい、皮膚のバリア機能が低下します。その結果、かゆみや炎症が起きやすくなるのです。陰部を洗う場合は、石鹸を使わず、またはデリケートゾーン専用の低刺激なものを使って、こすらず優しく洗い流す程度で十分です。

「外出先の温水洗浄便座は、特に注意が必要です」

次に話題になったのが、洗浄式便座についてです。「毎回使った方がいいと思っていました」とSさん。

自宅の洗浄式便座を適切に管理している分には問題になりにくいですが、外出先の公共トイレのものは別です。ノズル部分に汚れや雑菌が付着していることがあり、毎回水流を当てることで、逆に細菌が尿道口に侵入しやすくなるリスクがあります。「きれいにしているつもりが、菌を押し込んでいる可能性もある」とお伝えすると、Sさんは「えっ…」と絶句されていました。

「膀胱炎の大きな引き金は、疲れと寝不足です」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

そして最も驚かれたのが、膀胱炎の原因についての話でした。

「膀胱炎は、不潔にしているからなる病気ではないんです」。

もちろん衛生面がまったく無関係というわけではありませんが、繰り返す膀胱炎の多くは、疲労・睡眠不足・ストレスといった免疫力の低下が引き金になっています。体の抵抗力が下がると、膀胱内で菌が増殖しやすくなるのです。Sさんに聞いてみると、「確かに、仕事が忙しい時期に重なることが多い気がします」と思い当たることがあるようでした。

また、水分をしっかり摂って尿で菌を洗い流すこと、排尿を我慢しすぎないこと。こうしたシンプルな習慣が、膀胱炎の予防に大きく関わっています。

「かゆみも膀胱炎も、減りました」

その後Sさんは、石鹸でのごしごし洗いをやめ、外出先での温水洗浄便座の使用も控えるように。そして何より、睡眠をしっかりとることと、忙しい時期に無理をしすぎないことを意識するようにしたといいます。

数ヶ月後の外来で、「かゆみはすっかりなくなりました。膀胱炎も、今年はまだ一度もなってないんです」と笑顔で報告してくださいました。

過度な洗浄を避けてデリケートゾーンを菌の侵入から守る

膀胱炎を予防しようとデリケートゾーンをゴシゴシ洗いすぎると、皮膚を保護する常在菌まで洗い流され、バリア機能が低下してかえって細菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。

石鹸での強いこすり洗いや過剰な洗浄は避け、ぬるま湯で優しく流す程度にとどめることが、デリケートゾーン本来の自浄作用を維持するためには大切です。あわせて水分補給を意識し、尿意を我慢しない生活習慣を心がけましょう。

万が一、頻尿や排尿時の痛みが続く場合は、早めに泌尿器科を受診して適切な治療を受けることが再発防止につながります。


執筆・監修:小内 友紀子
公益財団法人ときわ会 常磐病院 泌尿器科 診療副部長、東京女子医科大学病院 泌尿器科 講師、医師、医学博士
女性泌尿器科医師として、普段は女性によくある尿もれから、男性の前立腺癌をはじめとする泌尿器科領域の癌診療まで診療しております。
【資格】医師 / 医学博士 / 泌尿器科専門医・指導医 / 透析医学会専門医・指導医 / 排尿機能学会専門医

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