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『心筋梗塞になりやすい人』には“共通点”があった。医師が明かす、当てはまったら要注意な「体に現れる4つのサイン」とは?

  • 2026.9.12
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ふと鏡を見たとき、耳たぶに刻まれた深いシワを見つけて不安を覚えたことはありませんか?

一見すると身体のまったく異なる部位に思えますが、実は耳たぶのシワが「心臓の健康状態」と深い関わりを持っている可能性があります。耳たぶは細い血管が集中する血流の終着点であるため、全身の動脈硬化の影響を色濃く反映しやすいのです。

今回は麻酔科専門医の松岡雄治さんに、耳たぶのシワが発する体からのSOSや、心臓疾患が疑われる見逃せない危険な前兆、今日から取り組める予防対策について詳しく伺いました。

なぜ「耳たぶのシワ」が心臓の健康と関係するのか?

---耳たぶに刻まれたシワは、心臓の状態を表しているという説を聞きます。これは本当でしょうか?どのような仕組みで起こるのですか?

松岡雄治さん:

「意外に思われるかもしれませんが、耳たぶと心臓には血管の観点から見ると共通点があります。どちらも『全身のうち細い血管で血液を供給されている』こと、そして『側副血行路(バイパスにあたる迂回路)がない』という点です。

側副血行路がない組織は、全身で起こる動脈硬化の影響をより強く受けてしまいます。耳たぶは毛細血管が密集する血流の終着点にあたるため、動脈硬化の影響を強く受けるのです。心筋梗塞は心臓の筋肉を栄養する血管が動脈硬化で変性することで起こるため、この現象と併行して耳たぶの変化が見られると考えられます。

シワが生じるのは、慢性的な血流不足に陥ることで、血管の根元で『筋弾性線維症』という組織の変化が起こるためです。水分や栄養を絶たれた植物の葉がしおれるように、耳たぶの弾力線維が失われ、深いシワが刻まれます。1973年にアメリカのFrank医師が報告して以来、多くの臨床研究や解剖研究においても、耳たぶのシワと冠動脈疾患の関連や、重篤な冠動脈狭窄の強い相関関係が示されています。」

胸以外に現れる?「心臓が危ない」見逃してはいけないサイン

---耳たぶのシワ以外に、心臓が弱っていることを知らせる前兆はありますか?胸が痛くない場合でも油断は禁物でしょうか?

松岡雄治さん:

「はい、油断はできません。階段を上る時の息切れや、胸以外の場所(左肩や奥歯)に現れる違和感は、心筋が酸欠状態にある危険なサインかもしれません。心臓の痛みを伝える神経は、左腕、背中、下あご、歯、胃の周辺の神経と同じ束になって脳に繋がっています。そのため、血流不足で心臓の筋肉が酸欠になり疲労物質が蓄積すると、神経からの刺激を脳が誤認して、『歯や肩が痛い』と勘違いしてしまう『放散痛(ほうさんつう)』という現象が起こるのです。

【見逃しやすい危険なサイン】

  • 階段や坂道で急に息が切れるようになる
  • 左肩、腕、背中にかけての重だるさや痛みがある
  • 突然、奥歯や下あごが浮くような痛みを感じる
  • 冷や汗を伴う吐き気や胃の不快感がある

特に高齢者、糖尿病の方、女性は非典型的な症状が現れやすい傾向があります。階段で痛みが現れ数分休んで消える場合は、血管が詰まる一歩手前かもしれません。数日以内に循環器内科を受診してください。安静にしても冷や汗を伴う痛みが15分以上続く場合は、心筋が壊死し始めている極めて危険な状態の可能性があります。ためらわずに救急車を呼んでください。」

慌てて受診すべき?耳たぶのシワを見つけた人が明日からできること

---鏡を見て耳たぶにシワを見つけました。すぐに病院へ行くべきでしょうか?私たちが今日から取り組める対策を教えてください。

松岡雄治さん:

「実は、耳たぶのシワ『だけ』で慌てて受診する必要はありません。シワがあるから必ず血管が詰まりかけているとはいえず、逆もまた然りです。シワ単独の診断精度は、それだけで受診を判断するには不十分です。しかし、鏡を見るだけで確認できるこのサインは、日常に潜む動脈硬化リスクを警告する身体からのメッセージです。

シワの発見をきっかけに、ご自身の『本当の危険因子』を見える化して、できることから対策してみましょう。

明日から実践できる受診基準と防衛策

・症状の確認と受診
階段での息切れや左肩の痛みなど、動いた時に生じる数分間の違和感があるか確認しましょう。

・家庭での血圧測定
毎朝トイレを済ませてリラックスした状態で血圧を測ってください。上の血圧が135mmHgを継続して超えるようであれば、医師に相談しましょう。

・汁物の『汁』を残す
ラーメンやうどんのスープを半分残すだけで、1食約1〜2gの確実な減塩になります。

喫煙習慣も血管への大きな負担です。自力での改善に行き詰まった時は、禁煙外来で補助薬を使ったり、降圧薬を使ったりするなど、ぜひ医療の力を積極的に活用してください。」

耳たぶのサインを機に血圧管理と減塩で心臓の健康を守る

耳たぶのシワは単体で病気を決定付けるものではないものの、体内で静かに進行する動脈硬化を知らせる大切な身体のメッセージです。

シワを見つけた際は過度に恐れず、階段昇降時の息切れや、左肩・あご・奥歯などに生じる放散痛といった異変がないか観察することが重要です。また、家庭での血圧測定の習慣化や、汁物のスープを残すといった手軽な減塩から血管のケアを始めましょう。

症状が続く場合は自己判断で放置せず、禁煙外来や循環器内科などの医療機関を積極的に活用して重大な心疾患を未然に防ぎましょう。


※本記事は、麻酔科医の視点から心臓疾患の前兆や動脈硬化に関する一般的な啓発情報を提供するものです。耳たぶのシワ自体が直ちに疾患を確定するものではありません。胸痛や呼吸困難などの症状がある場合や不安を感じる場合は、速やかに循環器内科等の専門医療機関を受診してください。

監修者:松岡雄治
麻酔科専門医。総合病院、大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じ、幅広い周術期管理に従事。現在は急性期病院で麻酔科医として勤務する。日々、美容領域を含む各診療科の手術に携わっている。医師としての知識と経験を活かして医療系ライターとしても活動し、医療・健康・美容分野の記事執筆、医学論文の解説、商品監修、AI技術開発関連プロジェクトへの参加などの実績を有する。睡眠コンサルタント、睡眠検定1級の資格も保有。

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