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自転車に乗ると、下着に血がつく60代女性→「何かの病気だったら怖い」泌尿器科を受診すると…判明した“意外な原因”とは?

  • 2026.8.24
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。泌尿器科専門医の小内友紀子です。

「下着に血がついている……もしかして、また生理が始まったの?」閉経を迎えたはずなのに下着に血液がつくと、多くの方が不安になるのではないでしょうか。原因のひとつに、尿道カルンクラ(カルンクルとも呼ばれます)という病気があります。聞き慣れない名前ですが、決して珍しいものではありません。

今回は、自転車に乗ったときの出血をきっかけに尿道カルンクラが見つかり、手術で治療を受けた女性のエピソードをご紹介します。

※本エピソードは複数の患者さんの経験をもとに再構成した架空のものです。特定の個人を指すものではありません。

婦人科では「異常なし」、原因は別のところに

60代のHさんは、自転車に乗ったときなどに、時折下着に血液がつくことが気になっていました。

「何かの病気だったら怖い」と思い、まずは婦人科の健診を受けましたが、子宮や卵巣には特に異常が見当たらないとのことでした。

それでも出血が気になっていたHさんが婦人科の先生にそのことを相談したところ、「尿道の出口あたりが原因かもしれません。泌尿器科で診てもらいましょう」とすすめられ、泌尿器科を受診することになりました。

泌尿器科で診察を受けたところ、尿道の出口の粘膜に、赤みを帯びた7-8ミリのふくらみが見つかりました。「尿道カルンクラ」という病気だと説明を受けたHさんは、初めて聞く病名に戸惑ったといいます。

カルンクラってどんな病気?

尿道カルンクラは、尿道の出口の粘膜にできる、小さなポリープ(いぼ)のようなふくらみです。中高年以降の女性にみられることが多く、閉経後にエストロゲン(女性ホルモンの一種)が減ることで、尿道の周りの粘膜が薄くもろくなることが背景にあると考えられています。下着とこすれたり、自転車のサドルなど何かに触れたりする刺激で、表面から出血しやすいのが特徴です。大きさは数ミリ程度のものが多く、見た目には赤い小さなできもののように見えます。

婦人科で診てもらってもわかりにくいのは、尿道カルンクラができる場所が、腟の入口のすぐそばではあるものの尿道側にあり、婦人科よりも泌尿器科で扱う領域にあたるためです。婦人科の内診では子宮や卵巣を中心にチェックするため、尿道の出口の小さな病変までは見つかりにくいこともあります。下着の血液の原因がはっきりしないときには、婦人科だけでなく泌尿器科も受診先の選択肢に入れておくとよいかもしれません。

多くの場合、カルンクラ自体は良性の病変で、尿道にできる悪性の腫瘍(がん)はまれとされています。小さくて出血や痛みなどの症状がなければ、無理に治療せず経過をみることもよくあります。症状が軽い場合には、軟膏などを使って様子をみる方法がとられることもあります。一方で、出血を繰り返したり、大きくなって気になったりする場合には、手術で切除することもある病気です。切除した組織は病理検査に出すため、悪性疾患ではないことを確実に確認できるメリットもあります。

通常は日帰りで可能な手術、全身麻酔での短期入院を選択

尿道カルンクラの手術は、通常は外来で局所麻酔を使って短時間で行う「日帰り手術」が一般的です。Hさんの場合、しばらくは軟膏による処置などで経過をみていましたが、出血が続き気になっていたため、手術で切除してもらうことにしました。基本は外来での局所麻酔手術ですが、Hさんは痛みや手術への不安が非常に強かったため、医師と相談のうえで全身麻酔での手術を選択し、2泊3日の短期入院で受けることになりました。処置の時間自体は短く、体への負担が大きい手術ではないことも、決断の後押しになったようです。

手術は無事に終わり、術後の経過も順調でした。それまで気になっていた下着への出血もなくなり、Hさんは「もう血がつくかどうか気にしなくていいと思うと、気持ちがすっきりしました」と話してくださいました。

「歳のせい」で片づけず、婦人科と泌尿器科どちらも視野に

閉経後の下着の出血は、つい「歳のせいで何かおかしいのかも」と不安になりがちですが、婦人科で異常がないと言われた場合には、尿道カルンクラのような泌尿器科領域の病気も考えられます。

良性であることが多い病気とはいえ、出血が続く場合は自己判断せず、専門医に相談することが大切です。——気になる症状があれば、婦人科だけでなく泌尿器科という選択肢も、ぜひ覚えておいてください。

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