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元夫から続く“異常な束縛”→40代女性「住所が知られてしまうかも」引っ越し後も怯えていたが…弁護士に相談して“迎えた結末”

  • 2026.8.7
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。アディーレ法律事務所の弁護士・谷崎です。

借金問題と配偶者からの束縛は、一見すると別の問題のように思えるかもしれません。しかし、実際には束縛から逃れられず生活が困窮し、借金を抱えてしまうケースは少なくありません。

そして、ようやく束縛から逃げることができても、「自己破産を申し立てると居場所が相手に知られてしまうのではないか」と不安になり、手続きをためらってしまう方もいます。

今回は、元夫の束縛から逃れた女性が、「秘匿決定申立」という制度を利用して無事に自己破産を終え、新しい生活をスタートできた事例をご紹介します。

元夫からの束縛から逃げられず、借金だけが増えていった

40代女性のAさん(仮名)は、夫と離婚した後も、経済的な事情から元夫と同じ家で暮らしていました。
しかし、元夫は生活費をほとんど渡さず、Aさんに対して暴言や束縛を繰り返していました。

「おまえも働いているんだから金は自分で何とかしろ」
そう言われ、二人分の食費や日用品代などの生活費は、ほとんどAさんが負担していたといいます。

収入だけでは生活費が足りず、Aさんは消費者金融から借入れをするようになりました。それでも足りない月には、元夫からお金を借りることもありました。借金は少しずつ増え続け、気付けば266万円という返済できない金額になっていたのです。

ようやく束縛から逃げ出すことができた

ある日、束縛がさらに激しくなったことをきっかけに、Aさんは身の危険を感じ、支援機関へ相談しました。支援を受けながら、元夫には知らせずに別の住所へ転居し、新しい生活を始めます。

しかし、元夫からの束縛は解決しても借金問題は残ったままでした。新生活の準備をしつつ返済を続けることは難しく、支援機関からの勧めもあったためAさんは弁護士へ相談し、自己破産を申し立てることを決意します。

「住所が知られてしまうのでは…」

ところが、相談の中でAさんはあることに気付きます。元夫から借りていたお金も、自己破産手続きの対象となる借金です。つまり、元夫も他のカード会社と同じく、債権者として破産手続に参加することになります。

とにかく元夫との縁を断ち切りたかったAさんは、
「破産を申し立てたら、元夫に今の住所が知られてしまうのではないでしょうか」
と、不安そうに弁護士へ尋ねました。

もし居場所が知られてしまえば、自宅へ押しかけられたり、再び被害を受けたりするおそれがあります。やっとの思いで夫から逃げて手に入れた平穏な毎日が壊されてしまうかもしれない。それがAさんにとって一番の心配でした。

「秘匿決定申立」という制度を利用

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

そこで弁護士は、「秘匿決定申立」という制度について説明しました。

これは、一定の事情がある場合に、裁判所の許可を得ることで、住所などの情報を隠したまま破産手続きを進める制度です。配偶者からの暴力やストーカー被害などにより、住所が知られることで生命や身体に危険が及ぶおそれがあるケースなどでは、この制度を利用できる場合があります。

Aさんは、これまでの元夫から受けたことや避難に至った経緯を資料とともに裁判所へ提出し、自己破産の申立てとあわせて秘匿決定を申し立てました。

元夫に住所を知られることなく手続が終了

裁判所は申立ての内容を審査し、Aさんについて秘匿決定を認めました。これにより、元夫を含む第三者には現在の住所が開示されない形で破産手続が進められることになりました。

元夫に居場所を知られることなく、無事に自己破産手続を終えることができたAさん。現在は、新しい住まいで安心して生活を送りながら、少しずつ日常を取り戻しています。

借金だけでなく「安全」も守るために

配偶者から被害を受けている方の中には、

「自己破産をすると住所が相手に知られてしまう」
「だから手続ができない」

と考えてしまう方も少なくありません。

しかし、事情によっては今回ご紹介した「秘匿決定申立」のような制度を利用できる可能性があります。

もちろん、すべてのケースで認められるわけではありませんが、生命や身体に危険が及ぶおそれがある場合には、裁判所が配慮してくれる制度が用意されています。

借金問題と配偶者からの被害は、一人で抱え込むほど解決が難しくなります。返済に悩んでいる方や、安全の確保に不安を抱えている方は、できるだけ早い段階で弁護士へ相談することをおすすめします。適切な手続を利用することで、借金問題だけでなく、新しい生活への第一歩を踏み出せる可能性があります。


※実際の事例を参考に構成したストーリーです。

監修者:弁護士 谷崎 翔(アディーレ法律事務所)
早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。アディーレ入所後、2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

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