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資産6,000万円の60代女性→「孫にも残してあげたい」毎年110万円を贈与するが…3年後、発覚した“大きな勘違い”に家族が絶句

  • 2026.8.9
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元銀行員の金融ライター・池田です。

「孫への贈与は相続税対策になる」と耳にしたことがある人は多いでしょう。その理由の1つが、生前贈与加算の対象外である点です。

生前贈与加算とは、死亡前3年以内(※)に贈与した財産の価格は、相続財産の価格に持ち戻して相続税を計算するという制度です(※税制改正により段階的に7年まで延長)。

この制度は、「死亡前に財産を贈与して相続税を軽くしよう」といった税逃れの防止を目的としています。

孫は法律で定められた相続人ではないため、基本的には制度の対象外です。しかし、一定の状況下では、孫に贈与した財産が相続財産に持ち戻されてしまうケースも。

今回は、相続税対策として孫に財産を贈与したものの、節税効果を得られなかった事例を紹介します。

「孫への贈与は生前贈与加算の対象外」暦年贈与を活用した女性

60代の女性・Aさん(仮名)は、病気をきっかけに終活を開始しました。

夫はすでに他界しており、子どもは独身の息子1人。Aさんの資産は6,000万円ありました。

また、Aさんには数年前に亡くなった娘がおり、娘の子どもはAさんにとってたった1人の孫です。

「なんとか孫にも資産を残してあげたいと思っていたところ、孫への贈与は相続税対策にも有効であることを知りました。息子とも相談して、孫に毎年110万円を贈与することにしたんです」

しかし3年後、想定外の事実が発覚します。

3年後、“大きな勘違い”が発覚…

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

Aさんは3年間にわたり、孫に110万円ずつ、合計330万円を贈与したことで、資産は6,000万円から5,670万円に減りました。

そして最後の贈与から数ヶ月後、Aさんの死亡により相続が発生。

「相続人は息子1人」だと思い込んでいたAさんでしたが、実際には亡くなった娘の代わりに孫が相続人となる“代襲相続”が発生するため、相続人は息子と孫の2人でした。

さらに、孫が代襲相続により相続人になったことで、Aさんが亡くなる前3年間の贈与は生前贈与加算によって持ち戻しの対象となってしまったのです。

贈与によりAさんの相続財産は5,670万円となる想定でしたが、330万円の持ち戻しによって6,000万円をもとに相続税額が算出されます。

今回のケースではAさんの息子と孫が3,000万円ずつ相続し、約90万円ずつの相続税が発生しました。

生前贈与加算のルールを正しく理解しよう

先述の通り、生前贈与加算は「死亡前の駆け込み贈与によって相続税の負担を免れる」という例を防ぐための制度。

つまり、たとえ孫であっても、相続や遺贈によって財産を受け取ることになった場合、生前贈与加算の対象に含まれてしまうのです。

孫への贈与が持ち戻しの対象となる主な例は、以下のとおりです。

  • 孫が親の死亡(代襲相続)により相続人になった場合
  • 孫と養子縁組して相続人になった場合
  • 孫に遺言書を通して財産を遺した場合

また、生前贈与加算の対象期間は3年から7年へと段階的に延長中であり、2031年1月1日に発生する相続からは完全に「死亡前7年間」へと移行されます。

「孫に贈与しておけば安心」と安易に考えるのではなく、制度を正しく理解して相続税対策に取り組みましょう。


監修・執筆:元銀行員・ikebu

元銀行員の金融・法律ライター。一種外務員資格(証券外務員一種)、行政書士資格を保有。大学では法学部・法律学科に在籍し、卒業後は地方銀行に入行。個人リテール業務において、投資信託・生命保険商品の販売を中心とする資産運用のサポートのほか、住宅ローンや相続などの幅広い業務に携わる。法人営業では、事業性融資や法人向けの運用商品販売を担当。現在は金融・法律ジャンルを中心にライターとして活動。銀行員時代の経験や保有資格を活かし、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説することを得意とする。

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