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80代母の老人ホーム費『月13万円』を負担し続けるが…→後日、60代娘を待ち受けていた“56万円”の大誤算【お金のプロは見た】

  • 2026.8.9
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、お母さまの特別養護老人ホームの費用を負担してきた60代のAさんの体験談です。

月13万円ほどを払い続けていましたが、同じ施設のご家族から「うちはもっと安い」と聞き、申請していなかった認定の存在を知ります。介護施設の費用を軽くする仕組みを、Aさんの経験からご紹介します。

面会の帰り道、同じ施設のご家族に言われた一言

「うちは、そんなにかかっていませんよ」

特別養護老人ホームへの面会の帰り、Aさんは同じ施設に親を預けるご家族から、そう言われました。

Aさんは60代です。80代のお母さまが要介護4で入所していて、費用はAさんが負担してきました。ユニット型個室で、月におよそ13万円です。

お母さまはお父さまを亡くしてからひとり暮らしで、収入は年金だけでした。世帯は住民税が非課税で、預貯金は300万円ほどです。

食費と居住費が軽くなる「負担限度額認定」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

介護保険施設の食費と居住費は、原則として全額が自己負担です。

ただし収入や預貯金が一定以下の方には、負担限度額認定という仕組みがあります。認定を受けると、特定入所者介護サービス費として食費と居住費が軽くなります。

対象になるのは、世帯全員(別世帯の配偶者を含みます)が住民税非課税で、預貯金などが段階ごとの基準以下である場合です。

お母さまは年金収入が年100万円ほどで、第3段階(1)にあたりました。この段階では1日あたりの負担が、食費は680円(2026年8月から30円引き上げられた金額)、ユニット型個室の居住費は1,370円までに抑えられます。

Aさんが払ってきた食費と居住費は、1日あたり3,611円。認定を受けていれば1日2,050円で済み、ひと月でおよそ47,000円、1年では56万円を超える差になっていたのです。

さかのぼって取り戻すことはできない

負担限度額認定は申請制です。市区町村の窓口に申請し、認定証の交付を受けて施設に提示して、初めて適用されます。

そして、申請を受け付けた月より前にさかのぼって適用されることはありません。知らずに払い続けた期間の差額は、戻らないのです。

Aさんは市役所で申請し、申請した月の初日から負担が軽くなりました。Aさんは制度を知らないまま払い続けていたことを悔やんでいました。

8月は、認定の更新時期

負担限度額認定の期間は、毎年8月1日から翌年7月31日までです。

引き続き受けるには毎年の更新が必要で、この時期に施設や市区町村から案内が届きます。案内を受け取ったら、内容を確認して手続きを進めましょう。

なお、認定の対象にならない場合でも、社会福祉法人などが行う利用者負担の軽減制度が使えることがあります。施設や市区町村の窓口に相談してみてください。

介護施設の費用は、言われた金額をそのまま払い続けてしまいがちです。入所するときと毎年8月の更新の時期に使える軽減制度がないかを確認することが、ご家族の負担を抑えることにつながります。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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