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バイト代が“月13~14万円”の大学生息子→「年150万円なら扶養の範囲」と思いきや…数ヶ月後、40代夫婦を直撃した“思わぬ盲点”

  • 2026.8.30
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

大学生の子どもがアルバイトを増やしたとき、親が気にしやすいのが「扶養から外れないか」という点です。

最近は大学生年代の収入基準が見直され、「150万円」という数字を目にする機会も増えました。しかし、親の所得税と健康保険では、同じ150万円でも基準や判定方法が異なります。

今回は、20歳の息子のアルバイト収入が年間150万円近くまで増えた40代夫婦のケースをもとに、見落としやすい違いを確認します。

月8万円ほどだったバイト代が急増 「150万円ならまだ大丈夫」と安心

48歳のKさん(仮名)は会社員です。46歳の妻と、大学3年生になる20歳の息子と暮らしています。

息子は大学に入ってから飲食店でアルバイトを続けていました。1、2年生のころは授業を優先しており、給与は月7万~8万円ほど。年間でも100万円前後に収まっていたそうです。

働き方が変わったのは2026年4月ごろでした。シフトが増え、時給も上がったことで、給与は月13万~14万円ほどに増加。7月下旬に夏休みに入ると、16万円近くになる見込みの月も出てきました。

妻は「こんなに働いて、扶養から外れないの?」と心配します。

しかしKさんは、大学生年代の扶養に関する基準が変わったというニュースを思い出しました。

「確か150万円くらいまでは大丈夫になったはず」

8月に入り、これまでの給与と年末までの勤務予定を合わせて計算すると、2026年の給与収入は約150万円になる見込みでした。前年の約100万円から約50万円増える計算です。

それでもKさん夫婦は、「150万円なら扶養の範囲」と考えていました。

8月の家計相談で知った「扶養は全部同じではない」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ちょうどそのころ、Kさん夫婦は教育費や今後の家計についてFPへ相談しました。

そこでKさんが尋ねます。

「今年は150万円くらいになりそうなんですが、扶養には影響しないですよね?」

するとFPから、「所得税と健康保険は分けて考える必要があります」と説明されました。

Kさん夫婦にとって意外だったのは、同じ「扶養」という言葉でも、所得税と健康保険ではルールが別だったことです。

2026年分の所得税では、19歳以上23歳未満の親族について、一定の要件を満たせば「特定親族特別控除」を受けられます。

子どもの収入が給与のみの場合、給与収入が136万円を超えて159万円以下なら、親が受けられる控除額は63万円です。

今回のように給与収入が150万円であれば、この63万円の控除を受けられる範囲に入ります。

ただし、63万円分の税金がそのまま減るわけではありません。たとえば63万円の控除額に10%の所得税率を掛けて単純計算すると、税負担の軽減額は約6万3,000円です※1。

また、159万円を少し超えただけで控除がなくなるわけでもありません。給与収入が159万円超164万円以下なら控除額は61万円となり、その後も収入が増えるにつれて段階的に小さくなります。

Kさんはここまで聞き、「所得税では150万円でも親の控除は残る」と理解しました。

所得税では150万円でも、健康保険は今の働き方も見る

一方、健康保険では考え方が異なります。

19歳以上23歳未満の親族については、2025年10月から、被扶養者となるための年間収入要件が原則150万円未満となっています※2。

重要なのは、「150万円まで」ではなく「150万円未満」という点です。

さらに、健康保険でいう年間収入は、所得税のように1月から12月までの給与総額だけで判断するものではありません。過去や現在の収入、今後の働き方などから、原則として今後1年間の収入を見込んで判定します。

Kさんの息子の場合、2026年の給与総額は約150万円になる見込みでした。しかし、4月以降の月13万~14万円程度の働き方が今後も続くとすれば、単純計算では今後1年間の収入は156万~168万円ほどになります。

つまり、「今年の給与が約150万円だから健康保険も大丈夫」とは判断できません。今後も同じペースで働く見込みであれば、原則の「年間収入150万円未満」という要件を満たさない可能性があります。

なお、新たに健康保険の被扶養者として認定を受ける場合については、2026年4月1日から判定方法にも変更があります。給与収入のみであるなど一定の要件を満たせば、労働条件通知書などに記載された契約上の賃金から年間収入を見込んで判定する取扱いが始まっています。基本給だけでなく、諸手当や賞与なども含めて確認します。

また、この取扱いで認定された後、契約時に見込んでいなかった残業などで一時的に収入が増えた場合は、その増加が社会通念上妥当な範囲であれば、それだけを理由に扶養から外れるとは限りません。

Kさんはここで、「同じ150万円でも、所得税と健康保険では見ているものが違うんですね」と驚いたそうです。

「150万円なら安心」ではなく、2つの制度を別々に確認する

大学生年代の子どもがアルバイトを増やすときは、一つの「年収の壁」だけで判断しないことが大切です。

2026年分の所得税では、給与収入150万円なら、一定の要件のもとで親は63万円の控除を受けられる範囲です。一方、健康保険では年間収入150万円未満が原則の基準となり、現在の収入や今後の働き方も踏まえて判断されます。

同じ「150万円」という数字でも、制度が違えば意味も異なります。

子どもの収入が増えてきたら、「親の所得税」と「健康保険」をそれぞれ確認しておくことが、想定外の負担を避けるポイントです。

※1 実際の税額への影響は、課税所得や適用される税率などによって異なります。上記の計算では復興特別所得税は考慮していません。

※2 健康保険の150万円基準は、原則としてその年の12月31日時点で19歳以上23歳未満の親族(配偶者を除く)が対象です。学生であること自体は要件ではありません。また、被扶養者の認定には収入以外にも条件があり、働き方によっては本人が勤務先の健康保険・厚生年金の加入対象になる場合もあります。最終的な被扶養者認定は、加入する健康保険の保険者が判断します。

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