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「学費をどう工面しよう…」娘の大学進学で“奨学金300万円”を覚悟した50代母→後日、高校での奨学金説明会で“耳を疑ったワケ”

  • 2026.9.20
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPで教育費や奨学金の相談を数多く受けてきた柴田です。

子どもの大学進学を前に、「学費をどう工面しよう…」と頭を抱えるご家庭は少なくありません。

今回は、奨学金を借りる覚悟を決めていたのに、思わぬ制度を知って拍子抜けした50代のAさんのお話です。

「うちは年収があるから、支援は関係ない」

Aさん(50代女性)は、3人の子どもを育てるお母さんです。

長男は大学生、長女は高校3年生、次男は中学生。長女が私立大学を志望していて、4年間の学費をどう用意するかが家族の悩みの種でした。

「共働きで年収もそこそこあるから、国の支援は受けられないかも…」。

そう思い込んでいたAさんは、貸与型の奨学金で300万円ほど借りる覚悟を決めていました。卒業後に長女が返していくことになる借金です。

ところが、長女の高校で開かれた奨学金の説明会で、Aさんは耳を疑います。「扶養しているお子さんが3人以上いるご家庭は、所得に関係なく、大学の授業料と入学金が一定額まで無償になります」。

2025年度から始まった「多子世帯」の無償化

説明会の資料を持って相談に来られたAさんに、私は制度を整理してお伝えしました。

2025年度から、扶養する子どもが3人以上いる「多子世帯」の学生は、所得制限なく、大学・短大・高専(4・5年生)・専門学校の授業料と入学金を、国が定める上限額まで減免してもらえるようになりました。

ただし、制度の対象として確認された学校に通い、学生本人も扶養されていることなど、所定の要件を満たす必要があります。

大学の場合、上限額の目安は、国公立で入学金が約28万円・授業料が年約54万円、私立で入学金が約26万円・授業料が年約70万円です。私が長女さんの志望校の学費をもとに試算すると、4年間で受けられる支援は300万円前後になり、借りようとしていた奨学金の大部分をカバーできる計算でした。「娘に借金を背負わせずに済むかもしれないんですね」と、Aさんは心底ほっとした表情でした。

「3人以上」の数え方には落とし穴がある

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ただし、注意すべき点があります。多子世帯かどうかは、生計を維持している親が扶養している子どもの数で判定され、その判定には住民税の情報などが使われます。支援の区分は毎年見直されるため、上の子が就職して扶養から外れると、扶養する子どもが2人になり、下の子が対象から外れてしまう場合があるのです。

Aさんの家庭でも、長男が就職して扶養を外れれば、長女が在学中に支援の対象外になる可能性があります。きょうだいの年齢差によって、支援を受けられる期間が変わるわけです。また、所得制限はなくても、学業の成績に関する要件や、世帯の資産に関する要件(資産が3億円未満であることなど)はあります。

無償化は「学費の全部」ではない

もう一つ大切なのは、支援には上限があるということです。私立の理系学部のように授業料が高い学校では、上限を超えた分は自己負担になります。また、施設設備費や実習費など、授業料・入学金とは別に徴収される費用や、一人暮らしの家賃・生活費は、この減免の対象外です。大学が公表する納付金の内訳を見て、減免後も必要になる金額を確認しましょう。

教育費を準備するときは、減免を受けられる期間と金額を確認し、貯蓄で賄える分を差し引いたうえで、必要な借入額を考えましょう。ただし、支援の結果を待つ間に貸与奨学金の申込期限を過ぎないよう、両方の手続きを並行して確認することが大切です。入学前の納付金など、支援が反映されるまでに必要な資金についても、大学に確認しておきましょう。

まとめ

多子世帯の支援を受けるには、日本学生支援機構の給付奨学金への申込みを通じた判定に加え、進学先での授業料等減免の手続きも確認する必要があります。現金で支給される給付奨学金の対象外でも、授業料等減免を受けられる場合があります。高校在学中の「予約採用」や進学後の「在学採用」について、学校が定める締め切りを確認してください。

高校の説明会は、利用できる制度を知るきっかけになります。ただし、借入れをどこまで減らせるかは、支援が続く期間や大学の納付金、生活費によって異なります。入学時の対象判定だけで安心せず、卒業までの資金計画を立てておきましょう。

高校で開かれる説明会には、ぜひ親御さんも足を運んでください。Aさんのように、その場で聞いたひと言で、数百万円の借金を回避できることもあります。


参考:
高等教育の修学支援新制度(文部科学省)
多子世帯支援について(独立行政法人日本学生支援機構)

執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,500記事以上の執筆実績あり。

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