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バスツアーの帰り道、渋滞でスケジュールが遅延→客「まだ出発しないの?」と催促してくるが…乗務員が見せた“納得の対応”

  • 2026.8.12
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

元バスガイドのくろちびです。

夏休みやお盆の帰省シーズンは、高速道路の渋滞が避けられません。バスツアーでも予定どおりに進まないことは珍しくなく、朝の出発時には「帰着時間が遅れる可能性があります」と必ずご案内していました。

しかし、同じ状況でも受け止め方はお客様によってさまざまです。

今回は、帰りを急ぐお客様から出発を催促されたとき、安全運行とお客様の気持ち、その両方を大切にした出来事をご紹介します。

「娘夫婦が来るから早く帰りたい」

真夏のバスツアーの帰路、サービスエリアで休憩を取っていると、一人のお客様が私のもとへいらっしゃいました。

「まだ出発しないの?娘夫婦が家に来る予定だから、早く帰りたいの。」

その日は高速道路が渋滞しており、予定よりスケジュールが遅れていました。お客様のお気持ちはよく分かります。楽しみにしていた予定があるのに、いつ帰れるのか分からない状況は不安だったと思います。

しかし、サービスエリアでの休憩は自由に短縮できるものではありません。私の勤務していた会社では、国の基準に加えてさらに厳しい独自の安全基準があり、ドライバーは2時間走行したら15分間、エンジンを切って休憩することが義務付けられていました。

さらに、バスには一定時間連続走行すると警告ブザーが鳴る安全装置も搭載されており、安全運行のためにも休憩は欠かせませんでした。

「早く帰りたい」の本当の理由を考える

その場で「ルールなので無理です」とお伝えするのは簡単です。

でも、お客様が本当に困っているのは「5分早く出発できないこと」ではなく、「家族へいつ帰れるか伝えられないこと」ではないかと感じました。

そこで私は、「安全運行のため、あと5分は出発できません」と理由をご説明したうえで、「高速道路を降りる頃には到着まで約30分と予測できます。その時点で車内アナウンスをしますので、ご家族へご連絡ください」とご案内しました。

早く出発することはできません。しかし、不安を少しでも減らす方法はある。そのように考えて対応しました。

相手の本当の困りごとに目を向ける

その後、高速道路を降りる前に、予定どおり到着時間をご案内すると、お客様は安心した表情でご家族へ連絡なさっていました。

安全運行は絶対に譲れません。一方で、お客様一人ひとりにも大切な予定があります。

この経験から学んだのは、「できないこと」を伝えるだけでなく、「できること」を一緒に考える姿勢です。

寄り添う接客が安心につながる

バスガイドの仕事は、観光地を案内することだけではありません。予定どおりに進まない場面でも、お客様の不安や焦りに寄り添いながら、安全と安心の両方を守ることも大切な役割です。

この経験を通して学んだのは、「できないこと」を伝えるだけではなく、「できること」を一緒に考える姿勢の大切さでした。

お客様の気持ちに寄り添いながら、安全運行という責任も果たす。その積み重ねが、信頼につながる接客なのだと今でも感じています。


ライター:くろちび

 バスガイドとして4年間、奈良・京都・大阪を中心に観光案内を担当。修学旅行や団体旅行、高齢者ツアーなど、さまざまなお客様をご案内してきました。現場で実際に経験した出来事や、旅行の裏側、接客を通して学んだことを、実体験をもとにお伝えしています。


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