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台風でデイサービスの送迎が中止に「仕事を休めない」家族を救った介護施設の“対応”とは

  • 2026.9.29
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

台風の接近により、施設の送迎を中止することになったある日。「どうしても仕事を休めない」と困るご家族様に、スタッフが提案した別の支援方法とは。

「小規模多機能型居宅介護」ならではの対応をご紹介します。

台風を前に送迎中止のお知らせ

これはわたしが小規模多機能型居宅介護で働いていたときの出来事です。

小規模多機能型居宅介護は、1つの事業所が「通い」「訪問」「宿泊」の3つのサービスを組み合わせて提供しています。利用者様は状態や状況に合わせて、必要な支援を受けることができます。

台風の接近が予想されていたある日のこと。翌日は朝から夜まで大雨や強風の影響が続くと予報されていました。

悪天候のなかでの送迎には危険が伴います。朝は迎えに行けたとしても、その後の天候によっては、夕方に自宅まで送り届けられないかもしれません。

そこで施設では、利用者様と職員の安全を考え、翌日の送迎を中止することにしました。利用予定のご家庭には、前日から順番に連絡を入れていました。

ご家族様からの「思いがけない相談」 

ある利用者様のご家族様へ連絡したときのことです。

送迎を中止する理由を説明すると、ご家族様から困った様子で相談されました。

「その日はどうしても仕事へ行かなければならなくて……いつもどおり送迎してもらえませんか」

ご家族様は仕事を休むことが難しく、高齢である利用者様を家に一人にして外出することに不安を感じているようでした。

悪天候でも仕事を休めない。 そんなご家庭の事情はよく分かります。

しかし、台風が近づくなか、いつもどおり送迎できるとは約束できません。

それでもご家族様は、「仕事があるので……」と悩んでいるご様子でした。

「通い」が難しいなら、別の方法を 

ご家族様が仕事を休むのは難しい一方で、施設による送迎にも危険が伴います。 

そこでスタッフ同士で相談し、その日は「通い」を中止して、スタッフが自宅を訪ねる「訪問」のサービスへ切り替えることをご家族様に提案しました。 

昼食の準備や内服の確認、排泄のケアが必要な時間帯に訪問する内容です。

施設で一日を過ごすことはできなくても、生活に欠かせない支援を行えるのではないかと考えました。

ご家族様は提案に納得され、その日は利用者様に自宅で過ごしていただくことになりました。

大雨のなか利用者様のもとへ 

当日は天候や周囲の状況を確認し、安全に十分配慮したうえでスタッフが利用者様の自宅を訪問しました。

昼食の支度や食後薬の内服確認、トイレのお手伝いを行い、変わりなく過ごされていることも確認できました。

「こんな大雨のなか来てくれたの。ありがとうね」

利用者様のほっとしたような笑顔を見て、わたしも安心しました。 

施設へ通うことはできませんでしたが、必要な支援を途切れさせずに届けることができました。

状況に合わせて支援の形を変える 

悪天候の日は利用者様やスタッフの安全を守るため、普段どおりのサービスを提供できないことがあります。しかし、介護を必要とする方の暮らしは、天候にかかわらず続いていきます。

今回は、「通い」が難しいからサービスを利用できないと考えるのではなく、安全に配慮したうえで「訪問」へ切り替えました。

これは、「通い」「訪問」「宿泊」を組み合わせられる小規模多機能型居宅介護だからこそできた対応です。

決まった形に当てはめず、その日の状況に合わせて、今できることを考える。

介護サービスの柔軟さが、利用者様とご家族様の安心につながった出来事でした。


文:しまむら けいこ/介護福祉士・Webライター 

介護福祉士として10年以上、デイサービスや入所施設などさまざまな介護現場で経験を積む。現在も介護職として働くかたわら、Webライターとして活動。介護や暮らし、働き方について発信している。二児を育てるワーキングマザー。


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