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“お中元ギフト”の配達で→荷物取り出すと段ボールが湿っていて…元配達員が明かす、夏の宅配に潜む“思わぬ落とし穴”とは?

  • 2026.8.11
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さまこんにちは。元宅配員のmiakoです。

夏になると、涼を感じてもらいたいという気持ちを込めて、アイスクリームやアイスギフトを贈り物に選ばれる方も多いのではないでしょうか。特にお中元の季節は、冷たいお菓子や飲み物が届くことを楽しみにされている方も多いと思います。

しかし、夏の冷凍ギフトには、思わぬ落とし穴が潜んでいることがあります。今回は、お中元シーズンに実際にあった、あるアイスギフトにまつわる出来事についてお話ししたいと思います。

お中元シーズンに届いた冷凍便

お中元の荷物は、だいたい6月半ばから7月中旬にかけて最も多くなりますが、8月に入ってから届くこともあります。

それは、とある夏の繁忙期のさなかのことでした。
18時以降にお届け指定のあった、Aさま宛ての冷凍の荷物を配達することになりました。

18時30分を過ぎたころ、お客様のもとへ荷物をお届けに向かいました。夕方とはいえ、外にはまだ夏の熱気が残っていました。冷凍保管庫から荷物を取り出すと、外気との温度差で、あっという間に段ボール箱の表面が湿ってしまいました。

急いで保冷シートに包みました。トラックから玄関先までは数十秒ほどの距離だったため、そのまま無事に荷物をお渡しし、配達を終えました。

一度目のクレームと回収

1時間ほど経ったころ、事務所から連絡が入りました。

「先ほどのAさまからクレームが入っています。冷凍の荷物が溶けていたとのことなので、お詫びをして回収をしてください」

急いでAさまのお宅へ戻り、謝罪をしたうえで、先ほどお渡しした荷物を再びお預かりすることになりました。

お預かりした荷物を確認すると、箱は発泡スチロールではなく段ボールでした。
さらに、開けられた箱の中には、蓋のギリギリまで隙間なくアイスのカップが詰め込まれていました。
すべてを開けて確認したわけではありませんが、この状態ではドライアイスや保冷剤が入る余地はほとんどないように見受けられました。

これは、発送元の保冷対策が不十分であり、冷凍品に適した梱包がされていなかったことが大きな要因と考えられました。

アイスが溶けてしまう理由

「冷凍便なのだから、しっかり凍ったまま届くはず」と思われる方も多いかもしれません。しかし、アイスクリームは冷凍商品の中でも、特に温度変化の影響を受けやすい商品です。

宅配便で冷凍商品を送る際は、出荷時にしっかりと冷凍しておく必要があります。アイスクリームは砂糖や乳成分が含まれるため、水よりも低い温度で凍ります。

目安として、マイナス15度からマイナス16度で凍ると言われており、これより温度が高くなると溶け始めます。

家庭用冷凍庫の温度はだいたいマイナス18度であるため保存には適していますが、お店でアイスをしっかり凍らせるための冷凍ケースは、マイナス23度からマイナス27度に設定されていることが多いようです。

宅配便のトラックに設置されている冷凍保管庫は、マイナス15度からマイナス18度を保つよう管理されています。
しかし、配達のたびに保冷庫のドアを開け閉めするため、真夏は特に温度管理が難しくなる場面もあります。

アイスはもともと十分に冷凍された状態で預けられていたと考えられますが、宅配便の冷凍保管庫には、一度溶けかけたアイスを再び凍らせるほどの冷却力はありません。
さまざまな要因が重なり、温度管理が特に難しい商品に影響が出てしまうことがあります。

ちなみに今回の荷物の伝票を確認すると、差出人の欄には「ふるさと納税」と書かれており、段ボールには「お中元」の熨斗が貼られていました。

贈り物として丁寧に届くはずだったものが、残念な状態で届いてしまったことで、Aさまも心を痛められたことと思います。

再び届いても変わらなかった箱

荷物を事務所へ持ち帰ると、受託・発送基準の観点からも「一般的な段ボール箱でのアイス発送」自体が適していないという指摘がありました。

アイスは本来、断熱性の高い発泡スチロールの箱に入れ、ドライアイスを同封して届けるのが通例です。 まれに段ボール箱でも、内側にアルミ保冷シートが貼られていたり保冷剤がしっかり入っていれば問題ないケースもありますが、加工のない裸の段ボールでドライアイスも入っていない場合は、真夏の配送に耐えられません。

今回、荷物を夕方までトラックの保冷庫で保管していたことも要因のひとつだったのではないかという反省もありました。そのため、代替品の再発送手配を行うとともに、次回配達時は事務所の業務用冷凍庫で直前まで保管し、配達直前に保冷庫へ移すという対応を取りました。

ところが、数日後に再度届いた代替品も、残念ながら前回と同じような段ボール箱で梱包されていました。

改めてAさまのもとへお届けし、謝罪をしながらその場で荷物の状態を確認していただきました。 箱を開けると、やはり箱ギリギリのところまでカップアイスが詰まっており、保冷剤やドライアイスが入る余地はないように見えました。

「ちょっとやわらかい感じもしますけど、前回よりはまだいいと思うので今回はこれで受け取りますね」 Aさまはそう言って、荷物を受け取ってくださいました。しかし配送現場としては、梱包方法の重要性を痛感する出来事となりました。

冷凍ギフトが届いたときに確認したいこと

もし届いたアイスが溶けていた場合、焦って処分したりせず、以下の手順で確認と連絡を行ってください。

1. 荷物の状態を写真に残す 外箱の梱包状態(段ボールか発泡スチロールか)、中身の溶け具合、伝票の写真を取り保管しておきます。2. 適切な連絡先へ問い合わせる 状況に応じて、以下の窓口へ連絡するとスムーズです。

  • 配送途中の事故・保冷不調が疑われる場合:まずは配達を担当した「宅配会社のカスタマーセンター(または担当営業所)」へ連絡します。伝票番号を伝えると、現物確認や対応のアドバイスが受けられます。
  • ふるさと納税の返礼品の場合:利用した「ふるさと納税ポータルサイトの問い合わせフォーム」、もしくは「自治体のふるさと納税担当窓口」へ連絡します。
  • 百貨店やネットショップ等のギフト品の場合:製造メーカーではなく、伝票や注文履歴に記載されている「販売店・購入店舗のカスタマーサポート」へ連絡します。売買契約を結び、商品の品質管理や代金を受け取っているのは販売店舗だからです。

その際、送り主・お届け先(受取人)のお名前、伝票番号、注文番号を伝えるとスムーズです。

段ボールでの発送に潜むリスク

時折、一般的な段ボールでアイスが発送されているケースを見かけることがありますが、こうした梱包は本来、保冷基準を満たしていません。

そのため宅配会社では、アイスの発送を扱う事業者に対して以下のようなガイドラインを設けています。

  • 発送前に商品を「マイナス18度以下」で十分に予冷(冷凍)しておくこと
  • 保冷性の高い発泡スチロール箱を使用すること
  • 配送日数に応じた十分な量のドライアイス・保冷剤を同封すること
  • 予冷がされていない・梱包が不十分な荷物は引き受けを行わないこと

また、ドライアイスの保冷能力は1日から長くて2日ほどが限界です。そのため、発送から到着まで2日以上かかる離島や特定の地域への発送は、受付制限が設けられている場合もあります。

発泡スチロールの箱を開けたとき、箱に隙間があり「見た目より中身が少なくスカスカだ」と感じることがあるかもしれません。 しかし、その空間はドライアイスや保冷剤に入れて、配送中の温度変化から商品の品質を守るために必要なスペースなのです。

贈る側も受け取る側も、こうした梱包の仕組みや保管温度のルールを少し知っておくだけで、トラブルを防ぎ、安心して夏の贈り物を楽しめるようになります。

これからも、暑い季節に届けられる冷たい贈り物が、送り主の気持ちとともに、変わらないおいしさで受け取る方のもとへ届きますように。



ライター:miako
宅配ドライバーとして10年以上勤務した経験を生かし、現場で出会った人々の温かさや、働く中で積み重ねてきた"宅配のリアル"を、経験者ならではの視点で綴っています。
荷物と一緒に交わされてきた小さなエピソードを、今は文章としてお届けしています。


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