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猛暑日の救急出場ラッシュ…水を飲む暇もない過酷な現場で、元救急隊員の体に起きた「異変」

  • 2026.8.10
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。ライターのとしです。

猛暑日に救急要請が重なると、救急隊は傷病者を医療機関へ引き継いだ直後に、次の現場へ向かうことがあります。

食事はもちろん、飲み物を口にする時間さえ取れないまま活動が続く日もありました。

今回は、出場ラッシュの中で私自身の体に異変が現れ、転院搬送先で慌てて水分補給をした事案をご紹介します。

朝から続いていた救急出場

その日は朝から厳しい暑さで、外へ出るだけでも汗が噴き出すような気温でした。

救急要請が続き、現場と医療機関を何度も往復しました。

傷病者を引き継いでも、署へ戻る途中で次の指令が入るため、落ち着いて休める時間はほとんどありませんでした。

救急車内には飲み物を用意していましたが、活動中は傷病者の観察や資器材の準備が優先されます。

「次の出場が終わったら飲もう」

そう思っているうちに時間が過ぎ、振り返れば十分な水分を取れないまま活動を続けていました。

次に入った指令は、傷病者を別の医療機関へ運ぶ転院搬送でした。

転院元の医療機関へ向かっている時点では、疲労は感じていたものの、まだ動けないほどではありませんでした。

しかし、医療機関へ到着した頃から、体に異変が現れ始めました。

頭がぼんやりし、手足にしびれが

院内へ入り、転院搬送の準備を進めようとした時、頭がぼんやりする感覚がありました。

考えがまとまりにくくなり、手足にもしびれを感じました。

最初は、出場が続いたことによる疲れだと思いました。

少し我慢すれば動けるのではないかという気持ちもありました。

ただ、このまま活動を続けて途中で動けなくなれば、傷病者を安全に搬送できません。

救急隊は3人で活動しているため、1人の体調不良が隊全体の活動に影響します。

私は隊長と隊員に「少し頭がぼんやりして、手足もしびれている。水分を取らせてほしい」と伝えました。

自分の体調について申し出ることに、多少のためらいはありました。

それでも、無理をして悪化させる方が、仲間にも傷病者にも迷惑をかけることになります。

院内の自動販売機に助けられた

今回は転院搬送の現場だったため、院内に自動販売機がありました。

隊長と隊員の了解を得て、すぐに飲み物を購入しました。

水分を取り、少しの間、体を休めました。

もし通常の救急現場で、周囲に自動販売機や飲み物を購入できる場所がなければ、すぐに対応できなかったかもしれません。

しばらくすると、頭のぼんやりした感覚や手足のしびれは落ち着いてきました。

隊長と隊員にも状態を確認してもらいましたが、幸い大事には至らず、体調が戻ったことを確認したうえで、転院搬送の活動を続けることができました。

院内に自動販売機があり、その場で水分補給できたことに助けられた事案でした。

救急隊員も倒れる可能性がある

救急隊員は体調不良の人を助ける立場ですが、暑さの影響を受けないわけではありません。

防護衣や活動服を着たまま屋外で動き、資器材やストレッチャーを運べば、想像以上に汗をかきます。

さらに出場が続くと、「次の現場が終わってから」と水分補給を後回しにしがちです。

しかし、救急隊員自身が倒れてしまえば、傷病者を安全に搬送できなくなります。

仲間に迷惑をかけたくないと思って我慢するより、早い段階で異変を伝える方が、結果的には隊全体の安全につながります。

猛暑の出場ラッシュでは、傷病者だけでなく、活動する隊員にも脱水や体調不良の危険があります。

小さな異変を見過ごさず、早めに水分を取り、仲間へ伝えることの大切さを身をもって感じた出来事でした。


ライター:とし
元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。


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