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有料老人ホームで「息子は何時に来ますか?」数日前から心待ちにする利用者。介護士がみた“お盆ならでは”の介護現場

  • 2026.8.10
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

お盆の高齢者施設では、面会や一時帰宅が増え、いつもとは違う雰囲気に包まれます。慌ただしい時期に生まれる、利用者様やご家族との小さなハプニング。

その中には、思わず笑顔になるような心温まる瞬間もあります。介護現場で実際にあった、お盆ならではのエピソードを3つご紹介します。

普段接しない利用者様との交流が生んだ新しい発見

デイサービスでの出来事です。

毎年お盆の時期になると、施設では夏祭りが開催されます。平日の開催でしたが、普段とは違う曜日を利用される方も多く参加され、施設内は賑やかな雰囲気に。年に一度の夏祭りは、利用者様もスタッフも胸が弾む特別な一日です。

夏祭り当日、わたしは普段ほとんど接する機会のない利用者様の介助を担当することになりました。身体状況は大まかに把握していましたが、安全のため事前にほかのスタッフへ確認しながら対応にあたりました。

介助をしながらお話ししていると、「今日は夏祭りだから来たのよ」と笑顔で話してくださり、会話を続けるなかで普段知ることのできない一面を知ることができました。

また、普段シフトが重ならない職員と一緒に働く機会にもなり、自然と会話が増えました。

慌ただしい一日ではありましたが、新鮮な刺激をもらった時間となりました。

渋滞の先に待っていた家族との再会

次は、有料老人ホームでの出来事です。

お盆に息子様との面会を控えた女性利用者様は、数日前からその日を心待ちにされていました。

当日の朝になると、「息子は何時に来ますか?」と何度もスタッフに尋ねられました。面会時間を紙に書いてお渡しし、その都度お伝えしていました。

ところが、約束の時間になっても息子様は到着されません。

女性利用者様の表情にも少しずつ不安が見え始めた頃、息を切らせながら息子様が到着されました。

「思った以上に道路が渋滞してしまって……」

その言葉を聞くと、女性利用者様は安心したように満面の笑顔に。やっと会えたご家族との再会を心から喜ばれていました。

そんな笑顔を見たスタッフも思わず笑顔になり、お盆ならではの温かい時間が流れていました。

帰り際、次に会う約束をされているおふたりの姿を見て、離れていてなかなか会えなくても、心が繋がっているという温かさを感じられた出来事でした。

少人数だからこそ味わえる、ゆったりとした時間

最後は、デイサービスでの出来事です。

お盆は利用者様が帰省や一時帰宅をされることが多く、普段より施設の利用人数が少なくなります。

施設では年間を通して、月ごとの特別ランチメニューやレクリエーションを企画していますが、お盆時期は参加される方が少なくなり、ごく少人数で実施することもあります。

季節感のある食事をゆっくり味わい、スタッフと会話を楽しみながらレクリエーションに参加される利用者様。普段のような賑やかさはありませんが、一人ひとりとゆっくり向き合える時間が流れています。

大人数で笑い声が絶えないデイサービスも魅力ですが、お盆ならではの穏やかで落ち着いた雰囲気も、この時期だからこそ味わえる特別な時間だと感じています。

お盆だからこそ生まれる、介護現場の温かい瞬間

お盆の時期は、スタッフのシフト変更や利用者様の予定変更など、普段以上にイレギュラーな対応が多くなります。

慌ただしさはありますが、その一方で、家族との再会を喜ぶ笑顔や、普段接する機会のない利用者様との交流など、お盆だからこそ出会える温かい瞬間もたくさんあります。

スタッフ同士が自然と助け合いながら利用者様を支え、その笑顔に触れられるたびに、介護士という仕事のやりがいを改めて感じています。


文:しまむら けいこ/介護福祉士・Webライター 

介護福祉士として10年以上、デイサービスや入所施設などさまざまな介護現場で経験を積む。現在も介護職として働くかたわら、Webライターとして活動。介護や暮らし、働き方について発信している。二児を育てるワーキングマザー。


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