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「家の金庫から通帳が出てきたので確認して」→名義人じゃないと教えられないと言うと…豹変した女性。→その後“発覚した理由”に銀行員も納得

  • 2026.9.20
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。くまえり銀行員です。

今日は、連休前の窓口で出会った、少し印象に残っているお客様のお話です。

連休を前にすると、「休みの間に困らないよう、今のうちに済ませておきたい」と、急いで手続きをされるお客様もいらっしゃいます。

その日、銀行に電話をかけてきたのは、ある女性でした。

「家の金庫から通帳が出てきたんです。昔の銀行名になっているんですが、まだ口座が動いているか確認できますか?」

最初は落ち着いた口調でしたが、口座の名義人がご本人ではないことが分かると、少しずつ声が強くなっていきました。

「動いているかどうかだけでも教えてほしいの!」

しかし、口座の内容については、名義人ご本人様以外にお伝えすることはできません。

「大変申し訳ございません。口座の内容については、名義人ご本人様以外にお伝えすることはできかねます。

今このお電話口でご本人様とお話しすることは難しいでしょうか?」とお伝えしました。

すると、「母は高齢で耳が遠いので電話は無理です」とのこと。

そこで、ご本人様と一緒に来店いただければ、本人確認をしたうえでお伝えできることを説明しました。しかし、「高齢で一人で来店は無理です!」と、再び強い口調に。

ご一緒に来店いただくことは可能でしょうかと改めて伺うと、「こんな暑い中年寄りとそちらへ行けって言うの?母に話したってよく理解できないと思いますけど」とおっしゃいました。

電話だけを聞いていると、かなり急いでいて、銀行に対しても強い不満を持っているお客様という印象でした。

それでも、銀行員として確認を省くことはできません。

ご本人の意思確認が難しい場合には、別の手続きが必要になることもあります。そのため、まずはご本人様に来店いただき、実際に意思を確認する必要がありました。

印象とは違い笑顔での対応に

その後、女性はお母様と一緒に来店されました。

お話を伺うと、娘さんは遠方に住んでおり、連休を利用してこちらに来ていたそうです。

お母様は確かにご高齢で、耳も遠い方でした。ただ、こちらが顔を見ながら、少し大きめの声ではっきりと話しかけると、きちんと会話ができます。手続きについても、ご本人様に確認すると、しっかりと意思を示してくださいました。

電話で感じていた印象とは、ずいぶん違います。

そして、確認を進めていくと、その口座は休眠口座になっていることが分かりました。

娘さんが「え、お母さん、この口座の存在忘れてたの?」と聞くと、お母様は「そうね」と一言。

その日のうちに再開の手続きを終えることができ、娘さんもほっとした様子でした。これで、連休中でも必要なお金を動かすことができます。

手続きが終わったあと、娘さんが電話でのことを謝ってくださいました。

「電話で大声出して悪かったね、ごめんなさいね。母が見ての通り高齢なので、お金のことをきちんと話しておこうと思って色々整理してたらイライラしちゃって」

そして、こう続けました。

「それでシルバーウィークは生きてるうちに温泉に連れて行こうと思ってて。毎年『今年が最後の旅行になるかもね』なんて母と言いながら行ってるんです」

連休が終われば、自分の住んでいる地域に帰ってしまう。

だからこそ、連休前にお金のことをきちんとしておきたくて、「今日中になんとか終わらせたい」と焦っていたそうです。

最後に娘さんは、「でも来てよかったわ。休眠口座があるということも知れたし」と、笑顔で帰っていかれました。

電話で強い口調だった娘さんも、実際にはお母様のことを考え、限られた時間の中で何とか準備をしていたのです。急いでいるときほど、「早く終わらせたい」という気持ちが先に立ってしまうものです。

ですが、銀行では本人確認や取引内容など、一つずつ確認しながら手続きを進めています。
今回も、電話だけで判断してしまえば分からなかったことが、実際にお二人で来店されたことで明らかになりました。

「今日中に済ませたい」と思うときこそ、必要な確認を一つずつ進めることが、結果的に安心につながるのだと感じた出来事でした。


ライター:くまえり銀行員
金融機関の窓口業務に携わり、日々さまざまなお客様対応を経験。忙しい日常の中で起こりがちな銀行手続きの行き違いやトラブルを、窓口の内側から見た視点で、読者に寄り添いながら伝えています。「知らなかった」が「なるほど」に変わる瞬間を大切に執筆中。


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