1. トップ
  2. エピソード
  3. 真夏の送迎バスで、運転士「降りる子いない?」返事はなく→最後部で目にした“光景”に思わず安堵したワケ

真夏の送迎バスで、運転士「降りる子いない?」返事はなく→最後部で目にした“光景”に思わず安堵したワケ

  • 2026.8.27
undefined
出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。送迎バスの運行管理やバス運転士の経験を持つVenus☆トラベルです。

猛暑が続く昨今の夏、バス車内の涼しさでウトウトしてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。

今回は、送迎バスの会社に営業職として入社し、3年ほど経った時に遭遇した車内のお昼寝エピソードを紹介します。

今から15年ほど前、ある大手塾の送迎バスのお仕事を受注した時のお話です。当時の私は、営業職として新規営業をしながら、バスの運転・苦情対応・故障や事故処理、人事まで幅広い業務をこなしていました。

これは、そんな私が塾の送迎バス運行中に、乗降人数をチェックする書類に助けられ、大変な書類も使い方によっては大切だと感じた出来事です。

乗降人数のチェックは意外と大変

定期的にバス停や運行ルートを見直す送迎バスでは、バス停や運行ダイヤごとに、乗降人数のチェック表を作成することがあります。

特に、子どもが利用する塾やスイミングスクール、不特定多数が乗車する病院や教習所などで導入されているシステムです。

しかし、システムと言っても、運転士が人数を書き足すアナログなスタイルです。そのため、運転士にとっては少し手間のかかる書類の1つでもありました。

営業職であった私は、専属運転士に必要な書類に記入する指示を出す立場です。とはいえ、できるだけ運転士の負担を減らしたいという気持ちも強く持っていました。

給与に反映する月報、日々の運行を記録する日報、運行前の車両整備チェック。これらに加え、乗降人数のチェック表まで記入することは、運転士にとって負担に感じられやすいと思っていたのです。

しかし、専属運転士の休務によって代わりに運行していたある日、私は乗降人数のチェックに対する考え方が大きく変わりました。

日々のクセで書いていたチェック表のメリット

まだ、塾からは正式な依頼はなかったものの、いつか乗降人数のチェック表を導入して欲しいとの依頼が来るだろうと感じていた時期でした。その頃、運転士への負担を軽減するため、何とか良い方法はないかと考えていました。

そんな時、急遽バスの代務となり、指示がないのに乗降チェックをしている自分に気づきました。

自分でも「クセって怖いな」と感じながら、そのまま次の便からはチェック表を書くのはやめようと思ったその時、偶然記載していたチェック表に助けられたのです。

乗車した生徒がいるはずのバス停に到着したのに、車内の生徒は誰も降車する気配がありません。「ここで乗ってきた子がいたはずなんだけど、降りる子いない?」と生徒たちへ尋ねますが、返答はありませんでした。

乗降チェック表を書くのは面倒ですが、乗降人数の把握がしやすく、「降車忘れ」を防止できるメリットがあります。実際、この時も乗車人数を「1」と記載していたため、降車があると思い停車できたのです。

スヤスヤ眠る生徒!乗降トラブルを事前回避

夏休みの夏期講習という時期でもあり、生徒も疲れていたのでしょう。車内に視線を向けると、ほとんどの生徒が居眠りしていました。

一旦、乗降扉を閉めてから運転席を離れ、「このバス停で乗ってきた子いないかな?降りる子いなかったっけ?」と声をかけながら最後部の方へ向かって歩みを進めました。

髪を二つに結んでいた女子生徒という記憶を頼りに生徒の顔を見ていくと、2つの座席を使用し、かばんを枕にして眠る生徒を見つけました。「この子に間違いない」と思い、肩をゆすって起こしてみます。

寝ぼけ眼でバスの外を見まわす女子生徒に、「このバス停で乗らなかった?」と尋ねてみました。すると、生徒は慌ててかばんを持ち、小走りにバスを降りていきました。

送迎バスでは、車両の接触だけでなく乗降トラブルなどでも事故として取り上げられることが多くあります。そのため、その時の私は安堵したものです。

結果的に、面倒だと感じていた乗降人数のチェック表に助けられ、事前にトラブルを回避できました。

「不要」と思うことでも役立つケースもある

この時の出来事は、私の認識を大きく変えたきっかけとなりました。面倒なことでも、少しの努力で自分や乗客を守ることにつながると感じるようになった私は、その翌日、乗降人数のチェック表の導入依頼を、快く引き受けることに決めました。

その結果、運転士に負担が増したのはいうまでもありません。しかし、自社で運行していた時に多かったという乗降トラブルは、運行請負として運転士を配属して以降、滅多に起きなくなりました。

些細なトラブルでも、内容によっては大きな事案につながる可能性があるのは、送迎バスの運転士に限ったことではないでしょう。

こうした経験を経て、自ら率先してメモを取ること、書くことで印象付けることは今でも実施しています。また、「不要だ」と思うようなことでも、まずはやってみることを大切にしています。

「実践してみて、それでも不要ならやめれば良い」

何事も面倒がらずに工夫しながら行動するようになったきっかけとして、今でもこの時の経験を忘れずに仕事に活かしています。


ライター:Venus☆トラベル

近畿地方でバスの運転に関わる仕事に携わって約12年、多くの送迎バスを運転しました。幼稚園や自治体、企業や施設など、それぞれの場所で学ぶことが多くありました。その反面、運転士視点で感じた心の声をリアルにお届けします。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ