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お盆で満席のマイクロバスで、運転手「えっ…!」思わず絶句した女性客が“座った場所”に「危険なのでやめて」

  • 2026.8.13
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。送迎バスの運行管理やバス運転士の経験を持つVenus☆トラベルです。

16年前のお盆時期、私は自治体が運営する地域福祉バスに乗務していました。主に、高齢者が乗車する福祉バスは、真夏の日中は乗車人数が極端に減っていました。

しかし、お墓参りに出かける機会が多いお盆だけは、福祉バスも満車になることは少なくありません。地域の人なら無料で乗車できることに加え、地域を網羅して運行している福祉バスは、自家用車や路線バスで行くよりも利用しやすかったからです。

今回は、そんな地域福祉バスの乗務で、満車時に驚いたエピソードを紹介します。

車椅子が乗車できるマイクロバスは満車になりやすい

一般的なマイクロバスは、運転士を含めて29人乗りです。しかし、地域福祉バスで使用されていたマイクロバスは、車椅子が2台乗車するため、21人乗りでした。

つまり、運転手を除くと乗客の座席は20席しかなく、乗車が集中すればすぐに満車になりやすい傾向があります。そのため、お盆期間はお墓参りを目的に、普段は利用しない高齢者もバスに乗車するケースが多く、やはり満車になることが多くありました。

もちろん、座席は満席でも車椅子は空きスペースがあれば2台乗車できます。私が乗務していた日も、バス停から車椅子の方が乗車されました。

バス後部の扉を開け、リフトを降ろして車椅子の方に乗車してもらいます。安全や車椅子のロックを確認しながらリフトを操作し、再び外から扉を閉めて車内に戻りました。

運転席に座った時に違和感を覚えた私は、ふと助手席側に視線を移した時、思わず「えっ!?」と叫びました。

乗客が座るはずのない場所にいた2人の乗客

マイクロバスは、エンジンルームが運転席と助手席の間にあります。蓋がしっかり閉まっているため、勝手に開くことはありませんが、そこには高齢の女性2人が座っていました。

腰をかけているという雰囲気でもなく、進行方向に背を向けておしゃべりをしています。思わず、「発車するので座席にお戻りください」と伝えると、「ここでいいわよ」と返事が返ってきたことに、再び私は驚きました。

運行中、エンジンルーム内は高温となり、蓋の上とはいえ熱くなりやすく、何より座席でない場所に座るのは危険です。

車内を見渡すと、補助席まで使用している満席状態だったため、女性2人はやむを得ずその場に座ったようでした。

座れる場所と安全に座れる場所の違い

安全上の問題によって、座席以外にはお座りいただけないことを丁寧に説明しました。

しかし、「座る場所があるのになぜ?」と乗客から質問される始末で、どうやら安全を軽く考えてしまっていたようでした。

進行方向に背を向け、背もたれのない状態で座ると、少しのブレーキや段差による車体の揺れで、後ろ向きに転倒する恐れがあります。また、背もたれがない状態では、立っている状態よりも走行中の重心を保ちづらく、危険性はますます高まります。

こうした危険性を考慮してバスの座席は設計されており、リスクを最低限とするためシートベルトの着用も欠かせません。

もちろん、その全てを乗客に伝えたわけではありませんが、安全上の理由から満車によりご乗車いただけないことを伝えました。すると、やや不満げではあったものの、2人は降車していきました。

バスの運転士は乗客の安全を何より優先する

どんなに乗客に罵られることがあっても、バスの運転士は乗客の安全を何より優先しています。たとえ、それがクレームになり、会社から注意を受けることがあったとしても、安全は何より優先されるべきものです。

運転士自身にも家族がいるように、乗客にも家族がいます。その命と健康を守るため、時には厳しく乗客へリスクを伝えなければなりません。

しかし私自身、まだ30代前半という未熟な年代でもありました。そのため、お盆明けにはバスのエンジンルーム上に「ここは座席ではありません」と記した張り紙で、将来のトラブルを避けたことはいうまでもありません。


ライター:Venus☆トラベル

近畿地方でバスの運転に関わる仕事に携わって約12年、多くの送迎バスを運転しました。幼稚園や自治体、企業や施設など、それぞれの場所で学ぶことが多くありました。その反面、運転士視点で感じた心の声をリアルにお届けします。


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