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「お前の親に詫びを入れさせろ」名家の血筋だと偉ぶる祖父母。だが、親戚が暴いた嘘に思わず絶句

  • 2026.7.26

名家を騙る祖父母

子どもの頃から、祖父母の家は緊張の場だった。

二人は自分たちが一族でいちばん偉いと信じて疑わず、孫にも厳しい作法を課した。

「正座で三つ指をついて挨拶しろ」

正月に顔を出すたび、祖母のその号令が飛ぶ。

畳に手をつき、額が付くほど頭を下げるまで、二人は満足しなかった。

「うちは名家の血筋なのよ。そこらの家とは格が違うの」

祖父母は、自分たちで調べたという家系図を客間に飾っていた。

由緒ある一族の末裔なのだと、集まった親族に何度も見せびらかす。

「この家に生まれたことを、ありがたく思いなさいね」

祖母は孫を見下ろすたびに、そう念を押した。

逆らう者はいない。親戚たちも、二人の機嫌をうかがうように相槌を打つばかりだった。

私が少しでも口答えをすると、祖父は決まってこう言った。

「親のしつけがなっとらん。お前の親に詫びを入れさせろ」

母はそのたびに小さくなって謝る。

名家という言葉の重みだけで、この家は回っていた。

暴かれた家系図

ある年の集まりに、古い家の記録に明るい親戚の伯父が加わった。

祖父母がいつものように家系図を広げ、名家の血筋だと胸を張った、そのときだった。

「失礼だが、これはご自分で書き足したものだろう」

伯父は静かにそう切り出し、本家に伝わる正式な系図の写しを取り出した。

「あなた方の家は本家でも何でもない。ただの分家だ。名家の末裔などという記録は、どこにも残っていない」

客間が、しんと静まり返った。誰も口を挟めない。

祖母の顔から、みるみる血の気が引いていく。

「そ、そんなでたらめを」祖父が声を荒らげようとしたが、伯父が並べた古い書きつけの前では言葉が続かなかった。

「作り話で詫びまで入れさせていたのか」

その一言に、二人はそろって絶句した。

客間に集まった親族から、抑えたざわめきが広がる。

「どうりで話が大きすぎると思った」と、従姉がそっとつぶやいた。

祖父は震える手で古文書を裏返し、何か言い返そうと口を動かした。

けれど、声にならない。祖母は助けを求めるように周りを見回したが、目を合わせてくれる者は一人もいなかった。

私は膝を崩し、二人にまっすぐ向き直った。

「これからは、誰にも頭を下げさせないでくださいね」

祖父母はうつむいたまま、ひと言も返せない。飾られていた家系図は、その日のうちに客間から外された。次の正月、私たちに三つ指をつけと命じる声は、もうどこにもなかった。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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