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「カメラの前の顔、俺にそっくり」子供の写真を毎回自分に結びつけた義父。だが、妻の一言で態度が一変

  • 2026.7.21

写真フォルダが止まった理由

「最近、親父に写真送ってないだろ」

夫にそう言われたのは、娘が二歳になった頃でした。

フォルダには、送りそびれた写真が何百枚もたまっています。

義父は、孫の写真を送れば必ず返事をくれる人です。ただ、中身がいつも同じでした。

「その泣き顔、うちの息子の小さい頃そのままだ」

砂場の写真には、こうです。

「しゃがみ方が俺と一緒だな。血は正直だ」

何を送っても、話の行き先は義父か夫です。娘の話には、なかなかなりません。

とどめは、娘が全力で変顔をした一枚です。

舌を出して、鼻にしわを寄せて、笑い転げていました。可愛くて、すぐ送りました。

返ってきたのは、義父の古い写真です。日焼けした少年が、同じように舌を出しています。

「この顔、俺にそっくり」

「変なとこ似ちゃって、ごめんねー」

悪気はない人です。それでも、その日を最後に、私の指は止まったのでした。

縁側で伝えたこと

お盆に義実家へ行くと、義父が縁側で言いました。

「写真、最近送らないな。何かあったか」

夫が黙って、麦茶を義父の横に置きました。私は口を開きました。

「お義父さん、正直に言ってもいいですか」

「おう」

「この子はこの子なんです。誰かに似てるからじゃなくて、この子のことを見てあげてほしくて」

義父の顔から、笑みが消えました。

「…そんなつもりは、なかったんだが」

「はい。だから、言いにくかったんです」

義父は何か言いかけて、湯呑みに伸ばした手を止めました。風鈴が鳴るだけの時間が続きました。

その沈黙を破ったのは、夫です。

「親父。俺もずっと、同じこと思ってた」

「……お前もか」

「写真を送るたび、俺の子どもの頃の話になるだろ。この子の話じゃないんだよ」

義父は、庭で虫かごを覗き込む娘を見ていました。

「そうか。俺は、自分の自慢をしてたのか」

言い返しはありません。義父はサンダルをつっかけて庭に降り、娘の隣にしゃがみ込みました。

「これ、お前が自分で捕まえたのか」

娘が胸を張ってうなずくと、義父は声を上げて笑いました。誰に似ているという話は、一度も出ませんでした。

家に帰った夜、私は久しぶりに一枚だけ送りました。虫かごを掲げて走ってくる、娘の顔です。

返信は、すぐに届きました。

「この顔は、この子の顔だな」

今では、届く感想はいつも娘のことだけです。走り方でも、笑い方でもなく、この子が何を見つけて、どんな顔をしたか。

この前は、こう返ってきました。

「虫より、あの得意げな顔が最高だ」

送るのを、またやめずにすんだのでした。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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