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「ご飯をあげるだけ、簡単でしょ」頼る母もなくひとりで乗り越えた私。だが、義母の一言に傷ついたワケ

  • 2026.7.21

産院の廊下でひとりだった日

陣痛の合間、産院の廊下でひとり壁にもたれていたときのことは、今でもはっきり覚えています。

人に会うことがままならない時期で、面会も付き添いもできませんでした。

実家に頼るという選択肢も、私にはありませんでした。

母はもういません。

妊娠が分かってから出産までのあいだ、迷ったことを聞ける相手はどこにもいなかったのです。

退院して家に戻っても、それは変わりませんでした。

夜中の授乳も、熱を出した日の判断も、全部ひとりで決めるしかありません。

(これで合ってるのかな)

そう思いながら、朝を迎えた日を数えきれません。

初めて笑わずに返した日

子どもが一歳を過ぎたころ、義母が久しぶりに家へ来ました。

夕飯の支度をしていた私の後ろから、義母はのんびりと言ったのです。

「ご飯をあげるだけ、簡単でしょ」

手が止まりました。それまでの私なら、笑って受け流していたはずです。

「簡単だと思ったことは、一度もありません」

「相談できる母もいませんでしたから、全部ひとりで決めてきました」

義母の表情が固まりました。

「悪気があって言ったんじゃないのよ」

「悪気がなくても、聞いたほうは覚えています」

義母は言葉を探すように口を動かしましたが、声は出てきません。

持っていた手土産の袋を、テーブルに置きかけて、また持ち直していました。

そこへ、風呂場から戻ってきた夫が割って入りました。

「母さん、それは言っていいことじゃない」

「俺だって、妻の半分もやってないんだから」

義母はしばらく立ち尽くしたあと、深く頭を下げました。

「知らなかったの、本当に。ごめんなさいね」

謝る義母を見たのは、結婚してから初めてでした。

「もう言われないなら、それでいいです」

私がそう返すと、義母は小さくうなずいて、静かに椅子に腰を下ろしました。

それからの義母は、口ぶりがまるで変わりました。玄関先で「今日は寝られてる?」と先に聞くようになり、余計な感想はもう言いません。

この前は、子どもの取り皿を並べながら義母がこぼしました。

「あなたがどれだけやってきたか、わたし、何も見てなかったわね」

「これから見てもらえたら、それで十分です」

義母は取り皿を置く手を止めて、子どもの頭をそっとなでていました。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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