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医師から『皮膚がん』と言い渡された50代男性→数年前から、身体に起きていた“小さな異変”に「あのとき受診していれば…」

  • 2026.8.7
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「足の裏に黒い点があるが、靴擦れによる血豆だろう。痛みもないし放置しておけばそのうち消えるはずだ」

そう自己判断し、仕事に追われながら放置していた50代男性のAさん。しかし数年後、彼を襲ったのは「悪性黒色腫(メラノーマ)」の全身転移という過酷な事態でした。現在は息苦しさに苦しみながら、「あのとき受診していれば」と激しい後悔を抱えています。

みなさん、こんにちは。安全な周術期をお守りする麻酔科専門医の松岡です。今回は単なる血豆のようなものが、なぜ日常生活を脅かす病態へ進行してしまうのか、その境目について詳しく解説します。

足の裏の黒い点が招く「見えない全身転移」

なぜ「痛くない血豆のようなもの」が命を脅かすことになるのでしょうか。これは「悪性黒色腫(メラノーマ)」という皮膚のガンであり、以下のようなメカニズムで静かに、しかし着々と進行します。

【進行のフロー】

  1. 発生:皮膚の色素細胞がガンの性質を持ち、足の裏などに痛みのない黒いシミや結節を作ります。
  2. 浸潤(根を張る):表面上は小さく見えても、ガン細胞は地下に向かって深く根を張り(垂直方向への進展)、血管やリンパ管へ侵入していきます。
  3. 全身転移:深く根を張ったガン細胞があっという間に肺や脳など全身の臓器へ散らばり、呼吸困難や麻痺といった重篤な症状を引き起こします。

「ただのホクロ・血豆」と放置してはいけない境界線

「こんなところにホクロ(血豆)なんてあったかな?」「痛くもないのに、わざわざ仕事を休んで病院に行く時間なんてない」。あるいは忙しい日々の中で、つい自分の体のことを後回しにしてしまう気持ちもわかります。

しかし、今回のケースでぜひお伝えしておきたい「危険な境界線」があります。
通常、ケガや病気は「痛み」としてSOSを出しますが、メラノーマの場合は初期に痛みがなく、見えにくい足の裏などに「血豆」のように発生することが、発見を遅らせる最大の罠となります。

「普通のホクロ」と「命に関わるガン」の違いをほんの少し知っているだけで、大切な日常を守れたはずの悲劇なのです。

悪化する前に、確認すべき5つのサイン

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

早期に発見すれば、適切に対処できる可能性が高まります。新しい黒い点を見つけたら、以下の5つのサイン(ABCD(E)ルール)を確認してください。

A(Asymmetry):形が「非対称」である

綺麗な丸ではなく、形がいびつであれば要注意です。

B(Border):輪郭が「ギザギザ・ぼやけている」

周囲の皮膚との境界がくっきりしておらず、にじんだようになります。

C(Color):色が「不均一である」

単色ではなく、濃淡があったり、一部が白や赤く抜けたりしている場合は危険です。

D(Diameter):直径が「6mm以上」である

目安として鉛筆の消しゴムの大きさよりも大きい場合は要注意です。

E(Evolving):大きさや形が「変化している」

以前より大きくなった、出血したなどの変化は直ちに受診が必要です。

わずかな変化も見逃さず専門医への受診で命を守ろう

足の裏にできるメラノーマは初期の痛みがなく、ただのホクロや血豆に見えるため発見が遅れやすくなります。

形がいびつである、輪郭がにじんでいる、色が不均一、直径6mm以上、大きさや形が変化しているといった変化(ABCD(E)ルール)は、身体が発する重要なサインです。早期に発見できれば適切な治療につなげやすく、大切な日常を守れる可能性が高まります。

「こんなことで受診するのは申し訳ない」とためらわず、気になる黒い点や違和感を見つけた際は早めに皮膚科などの医療機関を受診し、自身の健康と安心を確かめましょう。


監修者・執筆:松岡 雄治

総合病院や大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じて、幅広い診療科の周術期管理に従事。現在は急性期病院の麻酔科医として最前線の医療に携わっている。専門医としての高度な医学的知見を活かし、医療・健康・美容分野でのコラム執筆や医学論文の解説などを幅広く手掛ける。医療AI技術開発プロジェクトへの参画など多岐にわたる実績を持ち、読者に寄り添った分かりやすい医療解説に定評がある。保有資格は麻酔科専門医、睡眠コンサルタント、睡眠検定1級など。

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