1. トップ
  2. 北海道を旅して宿泊は無料・報酬まで!新しい旅行と働き方「おてつたび」の魅力

北海道を旅して宿泊は無料・報酬まで!新しい旅行と働き方「おてつたび」の魅力

  • 2026.6.29

旅先で働いて報酬を得ることで、リーズナブルに旅行を楽しむ新たなスタイル「おてつたび」。
深刻な人手不足に悩む北海道の漁港やユースホステルでは、この仕組みが大きな救世主となっています。

未経験の現場に飛び込み、仕事も趣味も全力で満喫するシニア世代の姿から、地域活性化を支えるマッチングの今を追いました。

漁業も観光業も…道内経済を支える基幹産業ですが著しい人手不足が深刻です。
そんな中、旅して、仕事を手伝って、北海道を楽しむ。「おてつたび」と呼ばれる新たな旅のスタイルを取材しました。

北海道旅行を満喫しながら…

Sitakke

早朝4時、北海道オホーツク地方の雄武町の漁港に、次々と船が帰ってきます。

今年も始まりました。沖合いで養殖したホタテの稚貝を、かごから取り外す「かごほろい」と呼ばれる作業です。

稚貝はすぐに、再び沖にまいて、3年から4年かけて成長させます。

将来を見据えた大切な作業には多くのスタッフが必要ですが、労働人口が少ない地方の漁業者は、人材の確保に悩んでいます。

重さ20キロはゆうに超える稚貝のコンテナを、漁船に手際よく積み込むのは出口哲郎さん。神奈川県で長年中学校の教員を務めて、2024年退職しました。

積み込みを終えると、今度はかごの洗浄。午前9時半まで、みっちり働きます。

Sitakke

「仕事が終わったあと、釣りが好きなので釣りに行ってみようと思います」

仕事も趣味も充実の出口さん。
それもそのはず、こう見えて、いま北海道旅行を満喫中なんです。

漁業の「お手伝い」と「旅」を掛け合わせた人材マッチング、「おてつたび」の利用者です。

宿泊無料で報酬も 繁忙期に募集

Sitakke

「おてつたび」は、人手不足に悩む事業者と、長めの余暇を働きながら旅したい旅行者をつなぐ、東京のスタートアップが開発したサービスです。

出戸漁業部の出戸道雄船頭は「地域は高齢化が進んでいる。『おてつたび』は短期で、繁忙期に合わせてきてもらえるのがいい」と話します。

この漁業者が用意した「おてつたび」では、6月初旬から約1か月間、作業スタッフとして、住み込みで「お手伝い」してもらいます。

雄武町までの交通費は自己負担ですが、漁業者が部屋を提供するので宿泊費はかからず、報酬は14万6000円。
漁業未経験ながら、大好きな海で働きたいと、手を挙げたのが出口さんでした。

ハードな「おてつたび」ですが、漁業や命のありがたさが、身に染みる旅だといいます。

「こうやってホタテを取って、自分の口に入っていることが分かる。仕事で体を動かして旅で楽しんで…自分にとってはすごくありがたい」

若い人と仕事できるのがいい

Sitakke

フルートでみごとな演奏を披露する丑山明さんは70歳。
元公務員で、千葉県から「おてつたび」を利用して、北海道を旅行中です。

今回「お手伝い」する職場は、道東の弟子屈町の「摩周湖ユースホステル」。
国内屈指の観光地には宿泊客が絶えず、人手が足りません。

川瀬俊光代表は「ゴールデンウィーク・夏休みの繁忙期の人手が欲しいときに瞬時に来てもらえる。めちゃくちゃ助かっている」と話します。

丑山さんは「おてつたび」は24回目で、これまでにも全国の宿泊施設や農家で、仕事を手伝ってきました。

Sitakke

ベッドメイクも客のもてなしも、お手のものです。

仕事の合間には自転車で、地元の住民や文化に触れるのが楽しみです。

「若い人と一緒に仕事できるのがいい。われわれみたいなじいさんが考えないことを考えるのが新鮮です」

Win-Winなおてつたび

Sitakke

「おてつたび」、改めてどんな取り組みなのかをおさらいしていきます。

2019年に東京のスタートアップ=新興企業が始めた、人材マッチングサービスです。
旅先での短期の仕事を希望する旅行者は、「おてつたび」のホームページにある全国の事業者、例えば農家や漁業者、宿泊施設などのなかから、働きたい・お手伝いしたい仕事を選んで応募します。
そして、事業者との選考があります。

選考を経てマッチングが成功したら、その土地でのお仕事とお手伝いをして報酬を得ながら旅をするという仕組みです。
就職ではなくて、あくまでもお手伝い「短期アルバイト」のイメージですね。

始まった当初は、10代20代の若者がリゾート地でのアルバイト「リゾバ」を目的にした利用が多かったのですが、最近は50代以上、さらにはシニア世代の利用が男女問わず増えてきているそう。

Sitakke

理由としては、定年退職や子育てがひと段落して「社会との接点を持ち続けたい」ということで意欲を持つ人や、「第2の人生」のための移住先探しに活用するケースが増えているということです。

自治体にとっては、ハイシーズンの人手を確保できるメリットがあります。
それ以外の時期、例えば12か月あって2か月だけ忙しいんだけど、ほかの10か月がとてもヒマとなると、通年で雇用することができないし、続けるのが難しいという問題がありました。
そういった面でもおてつたびはありがたいといいます。

観光地がなく知名度が低い地方でも、旅を切り口にすれば交流できる部分がたくさんあるのではないでしょうか。人を呼び込むチャンスになりそうです。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2026年5月28日)の情報に基づきます。

元記事で読む
の記事をもっとみる