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20代男性「胸の痛み」の通報。歩いて救急車を待っていたけど→救急隊が感じた“重大な違和感”とは…

  • 2026.7.19
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。ライターのとしです。

救急車を呼んだ人が、自分の足で歩いて外まで出てきている。

その姿を見ると、「それほど重い状態ではないのかもしれない」と感じる人もいるでしょう。

しかし、救急現場では、見た目の印象と体の中で起きていることが大きく異なる場合があります。

今回は、胸の痛みを訴えながらも、自宅前まで歩いて救急車を待っていた20代男性の事案をご紹介します。

自宅前で救急車を待っていた男性

救急要請の内容は、20代男性が胸の痛みを訴えているというものでした。

現場に到着すると、男性はすでに自宅前まで出ており、立った状態で救急車を待っています。

意識ははっきりしていて、救急隊からの質問にも問題なく答えられていました。

胸の痛みは続いているようでしたが、自分で歩いて玄関から出てこられたこともあり、見た目から強い重症感は伝わってきません。

年齢も20代と若く、周囲が「大きな病気ではないのでは」と思っても不思議ではない場面でした。

しかし、胸痛を訴えている以上、そのまま歩かせるわけにはいきません。

救急隊はすぐにストレッチャーを用意し、男性を歩かせることなく救急車内へ収容しました。

胸の痛みから感じた違和感

救急車内では、血圧や脈拍、血液中の酸素の値などを確認していきます。

同時に、いつから痛み始めたのか、胸のどの辺りが痛むのか、息苦しさや吐き気はないかなどを詳しく聞き取りました。

胸の痛みには、心臓だけでなく、肺や筋肉、消化器など、さまざまな原因があります。

若い人であれば、ストレスや一時的な体調不良と思われることもあるでしょう。

男性は会話ができ、意識状態にも大きな変化はありませんでした。

それでも、胸痛が続いていることに変わりはありません。

年齢や第一印象だけで軽い症状だと決めつけず、救急隊は心電図を確認することにしました。

心電図に現れた重大な異変

心電図の波形を確認すると、そこには心筋梗塞を疑う所見が現れていました。

つい先ほどまで自分で歩き、立った状態で救急車を待っていた男性から見つかった、見過ごせない異変です。

外から見える様子と、体の中で起きていることは大きく異なっていました。

救急隊は、男性の胸痛や心電図の結果を医療機関へ伝え、すぐに治療へつなげられる搬送先を探しました。

心筋梗塞が疑われる場合、単に一番近い病院へ向かえばよいとは限りません。

必要な検査や治療に対応できる医療機関を選ぶ必要があります。

搬送先を調整している間も、胸の痛みや意識状態、血圧、心電図の変化を継続して確認しました。

その後、医療機関で詳しい検査が行われ、男性は急性心筋梗塞だったことが分かりました。

歩けても安心とは限らない

心筋梗塞というと、中高年に多い病気という印象があるかもしれません。

しかし、頻度は高くなくても、20代で発症することはあります。

今回の男性も、自宅前まで歩ける状態であり、周囲と会話もできていました。

もし「若いから大丈夫」「歩けているから軽症」と考えていたら、重大な異変を見逃していた可能性があります。

もちろん、若い人の胸痛がすべて心筋梗塞というわけではありません。

それでも、強い痛みが続く場合や、冷や汗、吐き気、息苦しさなどを伴うときには、年齢にかかわらず注意が必要です。

救急現場では、見た目の元気さだけで体の状態を判断することはできません。

本人の訴えを丁寧に聞き、必要な観察を一つずつ重ねることで、初めて見えてくる異変があります。

「若いから大丈夫」と決めつけないことの大切さを、改めて感じた事案でした。


ライター:とし
元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。


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