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入居者のメガネが消えた…?老人ホームでの紛失騒動。→職員総出で見つかった“意外な発見場所”

  • 2026.7.19
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

有料老人ホームで働いていた頃、ある入居者様のメガネが突然見当たらなくなる出来事がありました。

職員総出で探しても見つからず緊張が走るなか、発見のヒントとなったのは入居者様同士の日頃の関わりでした。この経験から学んだ、思い込みや先入観で判断せず、相手を理解しようとすることの大切さをお伝えします。

 リビングで気付いた“ある異変”

これはわたしが有料老人ホームで働いていたときの出来事です。

日中、入居者様がリビングで過ごされている時間帯に、ある女性入居者様がメガネをかけていないことに気付きました。

その女性はメガネを毎日使用されており、テレビでお好きな音楽番組を楽しまれる際にも必要なものでした。

その方はご自身から要望などを訴えることが少ない方でした。他の職員にも確認しましたが、いつからメガネをかけていなかったのか分かりませんでした。

職員総出で探しても見つからない

わたしは居室や浴室の脱衣所を探しました。上着のポケットや使用されている車椅子の隙間も確認しましたが、見つかりません。

上司へ報告し、最後にメガネが確認された時間や場所を調べることになりました。しかし、捜索を続けても発見には至りませんでした。

メガネは日常生活に欠かせない大切な身体の一部です。一刻も早く見つけなければならないという緊張感が、職員の間にも広がっていました。

発見のカギは入居者様同士の関係性

そんな最中、わたしはあることを思い出しました。

その女性は、いつも別の女性入居者様(Aさん)と一緒に過ごされていたのです。

Aさんには軽度の認知症がありました。シルバーカーを使用しながら施設内を自由に移動されており、身の回りの持ち物を大切に管理される方でした。

そこで職員たちは、入居者様同士の関わりや日頃の様子を振り返りながら、さまざまな可能性を考えました。

シルバーカーから見つかった意外なもの

その結果、Aさんを不安にさせないよう「定期清掃をさせていただきますね」とお声がけしたうえで、居室やシルバーカーの中を確認させていただくことになりました。

すると、シルバーカーの中からハンカチに丁寧に包まれたメガネが見つかったのです。

確認すると、それは探していた女性のメガネでした。

さらに、Aさんご自身のメガネも同じ場所から見つかりました。

Aさんは普段から、ご自身のメガネをハンカチに包んで保管されていました。そのため、何らかの理由で取り違えてしまったのだと考えられます。

幸い、メガネに破損はなく、無事に持ち主の女性へお返しすることができました。

紛失騒動が教えてくれた「大切にしたい姿勢」

この出来事を通して、わたしは入居者様同士の関係性を把握することの大切さを改めて実感しました。

介護施設では、入居者様同士が交流するなかで、さまざまな出来事が起こります。トラブルだけでなく、持ち物の紛失や思わぬ行き違いが起きることもあります。

そんなとき、日頃から誰と誰が親しく過ごしているのか、どのような生活習慣があるのかを知っておくことが、問題解決の大きなヒントになる場合があります。

また、この経験は認知症の方への関わり方について改めて考えるきっかけにもなりました。

介護では、目の前の人の言動だけで物事を判断するのではなく、その方らしさやこれまでの人生に目を向けることが大切です。

今回の出来事は、思い込みを手放し、相手を理解しようとする姿勢の重要性を改めて教えてくれました。


文:しまむらけいこ/介護福祉士・Webライター 

介護福祉士として10年以上、デイサービスや入所施設などさまざまな介護現場で経験を積む。現在も介護職として働くかたわら、Webライターとして活動。介護や暮らし、働き方について発信している。二児を育てるワーキングマザー。


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