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同じ要望でも“数百万円”の差に?元注文住宅営業マンが教える、自分だけの「適正価格」を知るためのひと手間

  • 2026.7.30
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、元注文住宅営業マンのホリカワです。

家づくりを始めて、最初に出会った会社の担当者がとても感じがよかった。だから「この人にお願いしよう」と、その1社だけで話を進めている――そんな方が、少なくありません。

誠実で、義理堅い。それ自体は素敵なことです。ただ、ひとつだけ抜け落ちがちなものがあります。「その見積もりが高いのか安いのか」を判断するための、自分だけの「ものさし」です。

この記事を読み終えるころには、複数の会社に声をかけることが「浮気」でも「不誠実」でもなく、後悔しない決断のための当たり前の作業だと思えるはずです。

「御社に決めます」の一言に、私が複雑な心境だったわけ

営業をしていたころ、「他の会社とは一切話をしていません。御社に決めます」とおっしゃるお客さまがいらっしゃいました。

ありがたい言葉です。でも、内心ではいつも少し複雑でした。

会社によって、見積もりに数百万円の差が出ることも

なぜ、複雑な心境だったのか。

同じような要望でも、会社によって見積もりが大きく変わることは、珍しくありません。ケースによっては、数百万円規模の差が出ることもあります。

これは建築会社が不誠実だからそうなるのではなく、構造の問題です。

得意な工事、不慣れな工事、標準仕様のグレード、価格の考え方――前提が違えば、建築工事の総額は大きく変わります。

大切なのは「自分に合う会社」を選ぶこと

たとえば高気密・高断熱を苦手とする会社に超省エネ住宅をお願いしても、性能もコストも、望む結果につながりにくいでしょう。

だからこそ、「自分の希望に合う会社はどこか」という視点で建築会社を比較検討することが大切なのです。

比べられるのは、売る側にとって少し痛いことです。それでも私は、「複数の会社を並べて、自分に合う一社を選んでほしい」と、いつも願っていました。

比較は「裏切り」ではなく、自分への誠実さ

なぜ人は、一社に絞りたくなるのでしょうか。

理由のひとつに、親身に対応してもらうと「この恩に応えたい」と感じる心理(返報性)があるといわれます。だからこそ、他社を見ることに罪悪感が生まれます。

セカンドオピニオンの大切さ

でも、少し考えてみてください。

医療の世界では、別の医師の意見を聞く「セカンドオピニオン」という考え方が広まっています。それは主治医への不信ではなく、自分が納得して決めるための手続きです。

家づくりも同じです。数千万円という、人生でもっとも大きな買い物のひとつ。比較は担当者への不誠実ではなく、自分の判断への誠実さなのだと思います。

なぜ、3社比較が大切なのか

ここで気をつけたいのが「社数」です。

1社だけだと、比べる基準を持ちにくいものです。2社でも、金額が違えば、どちらが相場に近いのか判断しづらいでしょう。

経験上、3社ほど並べると、適正価格という「ものさし」を手に入れやすくなります

3社に「同じ要望リスト」を渡してみる

とはいえ、何社も回れば体力も気力も消耗します。そこでおすすめしたいのが、「気になっている3社に、同じ要望リストを渡す」というやり方です。

まずは、家づくりの要望リストをつくる

まず、譲れない条件と、できればかなえたい条件を1枚のメモにまとめます。

かけられる予算の目安、部屋数、どうしてもかなえたい暮らし方――これをコピーして3社に渡せば、返ってくるプラン(間取りの提案)と見積もりを、同じ土俵で見比べられます。

ただ、会社によってはプランと見積もりが有料のこともあるので、どこまで無料かを先に確認しておくと安心です。

建築会社の個性と相性を見極める

このとき見るべきは、金額だけではありません。

同じ要望に対して間取りの発想がどう違うか、何を優先し何を削った提案か――その考え方にこそ、会社の個性が表れ、自分との相性も見えてきます。

3社を並べることで、「価格」と「提案の質」と「担当者との相性」を、自分の手で天秤にかけられます。

その誠実さを、「未来の自分の暮らし」へ

信頼できる一社とじっくり関係を築く姿勢は尊いものです。ただ、その誠実さを建築会社だけでなく、「未来の自分の暮らし」にも向けてあげてほしいのです。

比較は、浮気ではありません。相性を見極め、納得して選ぶためのまっとうな作業です。

今すぐできることがあります。紙でも、スマホのメモでもかまいません。今検討している会社の名前を書き出し、その横に、あと2社の候補を書き足してみてください。

もし名前が思い浮かばなければ、5分だけネットで検索して、気になった会社をひとまずブックマークするだけでかまいません。

そのひと手間が、「高いのか安いのか、自分に合っているのかいないのか、わからないまま契約してしまう」という、できれば避けたい後悔から、あなたを守ってくれるはずです。


ライター:ホリカワ ダット
注文住宅の建築会社に営業職として従事したあと、SEOライターとして独立。500組以上の家づくり相談に携わった経験をもとに、「マイホーム取得を少しでもラクに」をテーマに、住宅ジャンルの記事を幅広く執筆中。インテリアコーディネーター/1級カラーコーディネーター(商品色彩)資格保有。


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