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「夏休みには家族キャンプ」とミニバンに買い替え→納車待ちも…管理会社から告げられた“想定外の事実”【一級建築士は見た】

  • 2026.7.30
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

「子どもの夏休みには家族でキャンプに行こうと、ミニバンへの買い替えを契約したんです。あとは納車を待つだけのつもりで、マンションの管理会社に車の変更を届け出たら、『その車は、駐車場に入りません』と言われて。高さが、十数cmオーバーしていたんです。まさか、駐車場で乗れる車が決まるなんて思ってもみませんでした」

そう話すのは、2年前、都市部のマンションの住まい(3LDK・71㎡、約6,800万円)を買ったAさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。敷地内の駐車場は機械式。購入時の説明で、車のサイズに制限があることは聞いていました。ただ、当時のコンパクトカーは楽に収まっていたので、気に留めていなかったのです。

機械式駐車場は「入る車」が決まっている

機械式駐車場は、車をパレットという台に載せ、機械で立体的に格納する仕組みです。パレットと通り道の寸法は決まっているため、高さ・幅・長さ・重さに、それぞれ上限があります。

多くの装置で基準になってきたのが、高さ1,550mm。セダンなど背の低い車が主流だった時代につくられた規格です。ところが、いま人気のミニバンやSUVには、この1,550mmを超える車が少なくありません。Aさんが選んだミニバンも、そのひとつでした。

そして、この制限は「少しくらいなら」が通用しません。安全のための絶対条件で、超えていれば使用は認められず、無理に入れれば車も装置も傷つき、高額の賠償につながることもあるのです。

カタログの数字だけでは、判断できない

見落とされがちなのが、確認のしかたです。

車の高さは車検証やカタログで分かりますが、そこに載っている数値には、ルーフキャリアやルーフボックスといった後付けの装備が含まれていません。制限ぎりぎりの車では、書類の上では収まっていても、実際には超えていることがあり、装備を含めた実寸での確認が必要になります。Aさんの場合はカタログの数値の時点で超えていましたが、制限ぎりぎりの車ほど、この実寸での確認が重要になってきます。

また、同じマンションの機械式駐車場でも、区画によって制限が違うことがあります。背の高い車が入る区画は一部だけ、というのがよくある形です。その区画に移るには空きが出る順番を待つ必要があり、すぐには動けないことも珍しくありません。背の高い車に対応した装置は増えつつありますが、まだ少数派なのです。

Aさん夫婦はどう対応したのか

不幸中の幸いは、納車前に分かったことでした。

Aさん夫婦がまず管理会社にたずねたのは、背の高い車が入る区画の空き状況です。返ってきた答えは、あいにくの満車。空き待ちも数年がかりになりそうで、今回は、いまの区画に収まる車へ選び直すことにしました。

ディーラーに事情を話し、契約を変更してもらいました。車の売買は、ナンバーの登録や用品の取り付けなどの前であれば、販売店や契約の状況によって車種の変更に応じてもらえるケースもあります。Aさんの場合は、納車まで半年待ちで、まだ4か月ほど残っている時期だったため、どちらもまだ手つかずでした。同じ店で別の車種に切り替える形のため、キャンセル料などはかからず、代金は選び直した車の価格に組み直すだけで済みました。

選び直したのは、荷室の広いステーションワゴンです。全高が1,550mmに収まる車種が多く、家族3人分のキャンプ道具も積み込めます。在庫のある車を選び、納車も夏休みに間に合いました。

「キャンプの計画は、そのままです。先に駐車場、あとで車。順番を学びました。次に買い替えるときも、まず駐車場の空きと制限から確かめるつもりです」とAさんは話します。

車を買い替えるときは「駐車場の制限表」をチェック

マンションの機械式駐車場は、限られた敷地で駐車台数を確保してくれる、都市の暮らしの土台です。屋外の平面駐車場とちがい、雨風やいたずらから車を守りやすい利点もあります。一方で、そこに入る車のサイズは、あらかじめ決まっています。買い替えを考え始めたら、以下の順で確かめてください。

・まず、駐車場の制限表(高さ・幅・長さ・重さ)を確認する
・候補の車は、カタログの数値に加えて、アンテナやキャリアなど装備込みの寸法で見る
・契約の前に、管理会社へ車両変更の相談・届け出をする
・制限を超えるなら、区画変更の可否と待ち状況を確認する

車選びの出発点を「駐車場」に置いて先に枠を知っておけば、夏休みに向けた家族の一台も、安心して選べます。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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