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「前の所有者の契約は終了しています」駐車場あり中古マンション購入後、30代後半Aさんが言葉を失ったワケ

  • 2026.8.3
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産管理会社で10年以上の現場経験があり、マンション管理士の資格を持つライターのS.Kです。通勤や子どもの送迎、買い物などで「日頃から車が欠かせない」というご家庭は多いでしょう。

車のある生活では、駐車場を確保できるかが住まい選びの大事な条件になります。今回は、中古マンションの「駐車場あり」という表記を信じて購入したものの、入居後すぐには車を停められなかった事例を紹介します。

引き継げると思い込んでいた敷地内の区画

Aさん(30代後半・会社員)は、妻と保育園児の3人家族です。送迎と週末の買い出しに車を使う生活で、駅徒歩8分・築12年・総戸数45戸の中古マンションを購入しました。

物件情報には駐車場あり(月1万5,000円)と書かれ、前所有者も敷地内の平置き区画を使っていました。Aさんはその区画が、住戸とセットで引き継がれるものと受け取っていたのです。

ところが引き渡し後、管理会社へ使用開始の連絡を入れると、想定外の返答がありました。

「前の所有者の方の契約は、引き渡しと同時に終了しています。いまは満車で、空き待ちが2件入っていますので3番目になります」

電話口の説明に、Aさんは言葉を失いました。

住戸の売却で効力を失う駐車場の使用契約

マンションの駐車場は、管理組合と所有者が個別に使用契約を結んで使う仕組みです。多くのマンションが規約の手本にしている標準管理規約でも、住戸を譲渡すると使用契約は効力を失うと定めています。

区画は住戸の付属品ではなく、空きが出れば待ち順や抽選で募集し直されるのが一般的な運用です。困ったのは、すでに納車されていた車の置き場です。Aさんは1か月単位で借りる月極駐車場を近隣で探し、ようやく見つけたのは徒歩10分・月2万5,000円の区画でした。

敷地内との差額である月1万円の出費と、駐車場まで歩く労力を負担する日々が10か月続きました。順番が回ってきて敷地内に移れたのは、入居から1年近く経ったころです。

売買契約の前に買主の側から確認を

中古物件の「駐車場あり」は、敷地内に設備があることを示すだけで、その住戸で必ず使えるという意味ではありません。「いま空きがあるか」「何件待ちか」といった現状も、担当者の確認不足などで、売買契約前の重要事項説明で十分に案内されないケースがあるのです。

すでに車を持っている方や、これから持つ予定の方は、契約前に買主の側から仲介担当へ確かめましょう。前所有者の区画を引き継げるかに加えて、引き継げない場合は何件待ちで、購入したら何番目に借りられるかまで尋ねてみてください。

空き状況や待ち件数は、管理組合側の情報をまとめた重要事項調査報告書で確認できます。満車で当分空きそうにないと分かれば、その物件を候補から外す判断ができます。

「それでも住みたい」という場合は、マンションの売買契約を結ぶ前に、近隣の月極駐車場を当たっておきましょう。貸主や管理会社に電話で空きと料金を確かめておけば、引っ越しにあわせて契約でき、車の置き場に困る事態は避けられるでしょう。



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


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