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「やっぱり黒い屋根ってかっこいいよね」デザイン重視で新築を建てた30代夫婦→真夏に直面した誤算

  • 2026.7.29
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

SNSや住宅の施工事例を見ていると、スタイリッシュな黒い屋根や黒い外観の家を目にする機会が増えました。シンプルで高級感があり、憧れる方も多いのではないでしょうか。

しかし、住まいの快適さはデザインだけで決まるものではありません。特に夏休みは、子どもが自宅で過ごす時間が長くなるため、室内の暑さを実感しやすいご家庭も多いでしょう。

そこで今日は、黒い屋根に憧れて新築したものの、最初の夏に思わぬ誤算を経験した30代ご夫婦のお話をご紹介します。

「黒い屋根がおしゃれ!」見た目を優先して新築

数年前、30代のAさんご夫婦は注文住宅を建てました。

住宅展示場やSNSで見かける“ブラック系”の屋根にモダンな外観。そんな施工事例を見るたびに「やっぱり黒い屋根ってかっこいいよね」とご夫婦で話し合っていたそうです。

さらに、コケや黒ずみなどの汚れが目立ちにくいと聞き、「見た目もよく、お手入れもしやすそう」と考え、迷うことなく黒い屋根を選びました。

家が完成し、引き渡しの日。青空の下に映えるイメージ通りの黒い屋根を見上げたAさんご夫婦は、思わず笑顔になったといいます。

「おしゃれなお家ですね」

近所の方からも声を掛けられ、新しい暮らしへの期待はますます膨らみました。ところが、その喜びは、最初の夏を迎えて間もなく思わぬ誤算へと変わっていったのです。

エアコンがなかなか効かない?2階だけ蒸し風呂状態に

梅雨が明け、本格的な夏が始まると、Aさんご夫婦は家の中で違和感を覚えるようになりました。

1階はエアコンをつけるとすぐに涼しくなるのに、階段を上がった瞬間、ムワッとした熱気が体を包みます。特に2階の寝室は、日中にこもった熱が夜になってもなかなか抜けませんでした。

寝る前にエアコンのスイッチを入れても、しばらくは生ぬるい空気が部屋に残り、

「まだ暑いね…」

「もう少し早くつけておけばよかったかな」

そんな会話を交わす日が続いたそうです。

夏休みの休日、子どもと庭で水遊びを楽しんだあとも、家の中で一番暑いのは決まって2階でした。汗が引かないまま寝室へ上がるたびに「なんで2階だけこんなに暑いんだろう」と感じるようになったといいます。

冷房を例年より長時間つけっぱなしにするようになり、月末に届いた電気代の請求額を見て、ご夫婦は思わず驚きました。

「こんなに上がるとは…」

前年に住んでいた賃貸住宅よりも、夏の電気代は大幅に増えてしまったそうです。

SNSで知った「屋根の色だけじゃなかった」原因

そんなある日、Aさんは何気なくSNSを見ていて、ある投稿を目にしました。

“黒い屋根は日射熱を吸収しやすく、屋根裏の温度が上がりやすいことがある”

「えっ、もしかしてうちも?」

思わず自宅の屋根を見上げたAさんは「黒い屋根を選んだから暑かったのかもしれない…」と考えたそうです。気になって住宅会社へ相談すると、返ってきたのは意外な答えでした。

「屋根の色が影響することはありますが、それだけで室内の暑さが決まるわけではありません」

担当者によると、2階の暑さには屋根の色だけでなく、次のような複数の要素が重なっていた可能性が高いとのことでした。

  • 暖かい空気が上にたまる性質
  • 屋根裏への熱の蓄積
  • 窓から入り込む日射熱

そこでAさんご夫婦は、遮熱カーテンを取り付けるとともに、窓の日射対策や、業者に依頼しての屋根裏の換気改善にも取り組みました。すると、以前は夜になっても熱気がこもっていた2階の寝室も、少しずつ暑さがやわらぎ、エアコンの効きも改善していったそうです。

屋根の色だけではなく住宅全体の性能も確認する

黒い屋根や濃い色の屋根は、白系の屋根に比べて日射熱を吸収しやすく、屋根表面の温度が高くなる傾向があります。

ただし、今回のような2階の暑さは、屋根の色だけが原因とは限りません。

現在の住宅では、断熱材や遮熱材、屋根裏の換気、窓の性能など、さまざまな要素が室内環境に影響します。また、暖かい空気は上にたまりやすい性質があるため、2階や屋根に近い部屋は1階より暑さを感じやすい傾向があります。特に、断熱性能が最低限の住宅や屋根裏の換気が十分でない住宅では、これらの条件が重なることで2階に熱がこもりやすくなる場合もあるでしょう。

新築や屋根・外壁のリフォームを検討する際は、外観デザインだけで判断するのではなく、断熱性能や遮熱性能、屋根裏の換気計画まであわせて確認することが大切です。

また、すでに住んでいる住宅でも、遮熱カーテンや外付けシェードを活用したり、窓の日射対策や屋根裏の換気を見直したりすることで、暑さが改善するケースもあります。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。

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