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「一晩だけ」のつもりが違反に…お盆の帰省前に30代夫婦が気づいた「夜間8時間ルール」の盲点【一級建築士は見た】

  • 2026.8.4
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「お盆に両親が車で泊まりに来るんです。うちの駐車場は夫の車でいっぱい。去年は一晩だけ家の前の道路に停めてもらったんですが、あれは法律違反だったと後から聞いて…。標識もない静かな道なのに、今年はどうしよう」

そう話すのは、3年前、郊外の住宅地に、地元の工務店で注文住宅(4LDK・延床約107㎡/土地約190㎡、約4,600万円)を建てたNさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。夏の帰省シーズンを前に、思わぬ宿題が見つかりました。

「家の前」でも、道路は駐車場ではない

道路への駐車には、二つのルールが関わっています。

一つは道路交通法。交差点や曲がり角から5メートル以内など、駐車や停車をしてはいけない場所が決められています。そしてもう一つが、あまり知られていない「車庫法」(自動車の保管場所の確保等に関する法律)です。この法律は、道路を車の保管場所として使うことを禁じていて、駐車禁止の標識がない道路でも、同じ場所に引き続き12時間以上、夜間(日没から日の出まで)は8時間以上停めると、違反になります。

つまり、泊まりのお客さんの車を夜通し停めておく「一晩だけ」は、ちょうどこの夜間8時間にかかりやすいのです。悪気のない厚意のつもりでも、仕組みの上では成り立たない。しかも狭い住宅地の道路では、緊急車両や歩行者の通り道を狭めてしまいます。

来客の駐車は、家づくりで「設計されていない」

見落とされがちなのが、来客用の駐車場所は、多くの家で最初から考えられていないことです。

家づくりでは、自分たちの車の台数分しか駐車スペースを取らないのがふつうで、年に数回の来客のための場所までは、なかなか計画に入りません。Nさんの家も、駐車場は夫の車の1台分で計画し、来客の分は話題にもなりませんでした。そして、お盆や夏休みは、どの家にも来客が集中する季節。近くのコインパーキングも、ふだんよりずっと埋まりやすくなります。

ここで知っておきたいのが、「駐車」と「停車」の区別です。人が乗り降りするための停止や、5分以内の荷物の積み下ろしは「停車」で、駐車とは別の扱いです。ただし、どちらの場合も、運転する人が車を離れて、すぐに動かせない状態になれば「駐車」とみなされます。だから玄関の前に車を寄せて荷物と両親を降ろすあいだも、運転する人は車に残ったままで。本題は、そのあと車をどこに置くか、なのです。

Nさん夫婦はどう対応したのか

そこでNさん夫婦は、今年は「先に駐車場所を用意する」ことにしました。

まず、近所のコインパーキングを下見して、家から徒歩何分か、料金の仕組み、そしてお盆の時期に埋まりやすそうかを確認。念のため、第2候補まで決めておきました。

あわせて、akippa(アキッパ)やタイムズのBといった、駐車場を予約できるサービスにも登録しました。個人のお宅や月極駐車場の空き区画を、1日単位で先に予約して借りられる仕組みで、これなら当日「満車で停められない」という心配がありません。両親が泊まる日の分を、近くの区画で予約しました(1日数百円からありました)。

当日は、自宅の駐車場を両親の車に譲り、夫の車を予約した区画へ。運転に慣れない親に、狭いコインパーキングでの車庫入れをさせない配慮です。到着前には、「先に玄関前で荷物と人を降ろしてから、うちの駐車場に停めてね」という段取りをメッセージで送っておきました。

「客間の布団を用意するのと同じで、駐車場所の準備も、おもてなしのうちなんですね」とNさんは話します。

車で来るお客さんには「駐車場所」の用意を

車での来訪は、荷物もお土産もたっぷり積んできてもらえる、夏のうれしい出来事です。祖父母と過ごす数日は、子どもにとっても特別な時間になります。一方で、住宅地では駐車場所という宿題がついてきます。以下を段取りしておくと、気持ちよく迎えられます。

・来客の予定が決まったら、近くのコインパーキングの場所と徒歩時間を先に調べる
・お盆や年末など混み合う時期は、予約できる駐車場サービスが確実
・玄関前での荷物の積み下ろしと乗り降りは、停車の範囲で手早く(運転する人は車を離れずに)
・「一晩だけ」でも、夜通しの路上駐車はしない

駐車場所の用意まで含めて「迎える準備」だと考えれば、段取りひとつで、夏の帰省は気持ちのよい思い出になります。

参考:駐車違反の追放(千葉県警察)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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