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「夜は透けて見える気がして…」4LDKの新築、リビングの大きな窓でHさん夫婦が直面した“誤算”【一級建築士は見た】

  • 2026.8.2
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「ソファに座っていると、道を歩く人と目が合うんです。レースカーテンだけだと透けて見える気がして、結局、厚手のカーテンを閉めっぱなしで…。SNSで見て、あこがれてつくった大きな窓なのに」

そう話すのは、3年前、郊外の住宅地に、地元の工務店で注文住宅(4LDK・延床約110㎡/土地約175㎡、約4,900万円)を建てたHさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。道路に面した1階リビングの大きな掃き出し窓は、明るさと開放感が決め手でした。

設計の打ち合わせでも道路からの視線については話題に上っており、ミラーレースを付ける前提にしていました。それでも、夜の見え方までは想像できていませんでした。

「見られている感じ」には、理由がある

窓は、光を採り込む開口部です。光が通るということは、視線も通るということ。とくに1階のリビングが道路と近い高さにあると、歩く人と目線の高さが重なり、お互いに視界へ入りやすくなります。

そして知っておきたいのが、昼と夜で見え方が逆転することです。人の目は、明るい側から暗い側は見えにくく、暗い側から明るい側はよく見えます。昼は外のほうが明るいので、室内の奥までは意外と見えません。ところが夜は、照明のついた室内のほうが明るくなり、外からよく見えるようになるのです。

夏は、日が落ちても人通りが続く季節。「夜は透けて見える気がする」というHさんの感覚は、気のせいではなく、光の性質そのものなのです。

レースカーテンにも「昼用」と「昼夜用」がある

見落とされがちなのが、レースカーテンの種類です。

視線対策の定番「ミラーレースカーテン」は、光沢のある糸で太陽の光を鏡のように反射し、昼間、外から室内を見えにくくするものです。中からは外の景色が見えるので、明るさと開放感を保てます。ただし、この仕組みは太陽の光があってこそのものです。夜に照明をつけると、反射する光がないため、室内が透けて見えやすくなります。曇りや雨の日も、効果は弱まります。

「レースを閉めているのに、夜は見えている気がする」。それは正しい感覚で、レースの選び方と使い方の問題だったのです。一方で、生地を高密度に織って昼も夜も見えにくくした「遮像レースカーテン」というタイプもあります。

Hさん夫婦はどう対応したのか

そこでHさん夫婦は、窓ごとにレースを見直しました。

夜もレースだけで過ごしたいリビングの掃き出し窓は、夕暮れ時や夜間に照明をつけても透けにくい遮像タイプに。数千円からそろい、生地のサンプルを取り寄せて、夜に照明をつけた状態でも透け方を確かめてから選びました。

日中の明るさと景色を優先したいほかの窓は、いまのミラーレースをそのまま生かすことに。昼の視線を反射でさえぎりながら室内には光が入り、中から庭や空も見えます。閉めたままでも「閉めている感じ」がしないのが利点です。あわせて、ソファの向きを変えて道路に背を向ける配置にすると、視線そのものが気にならなくなりました。

「カーテンを開けて暮らせるようになって、やっと大きな窓にした意味が出ました」とHさんは振り返ります。

大きな窓は「外からの見え方」も考えて

道路側の大きな窓は、明るさと開放感、街とのつながりが魅力です。リビングにいながら空や街路樹を眺められ、部屋を広く見せてくれる効果もあります。一方で、光の通り道は視線の通り道でもあります。これから建てる人も、いま悩んでいる人も、以下を確かめてみてください。

・現地で「外から中がどう見えるか」を、昼と夜の両方で確かめる
・レースは昼用(ミラー)か昼夜用(遮像)か、使う時間帯で選ぶ
・生地サンプルで、夜に照明をつけた透け方まで確認する
・ソファやテレビの向きなど、視線を受けにくい家具配置を考える

窓を「中から外」だけでなく「外から中」の目でも見ておけば、開放感とプライバシーは両立できます。

参考:
ミラーレースカーテンとは?遮像との違いや昼・夜の見え方について解説(トーソー)
窓まわり-カーテンの選び方(ニトリ)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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