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「網戸があるのに、どうして…」築24年の中古一戸建てで虫が入り続けた“意外な盲点”【一級建築士は見た】

  • 2026.7.27
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「夏は窓を開けて風を通したいのに、網戸を閉めていても虫が入ってくるんです。蚊だけじゃなくて、小さな虫がいつの間にか部屋の中に。網戸があるのに、どうしてなんでしょう」

そう話すのは、昨年郊外の住宅地に中古の一戸建て(築24年・4LDK・延床約31坪/土地約45坪、約2,600万円)を買ったTさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。

エアコンに頼りすぎず、朝夕は窓を開けて風を通す暮らしが希望でした。ところが夏になると、網戸を閉めているはずなのに虫が入ってきて、窓を開けるのがためらわれるようになりました。

網戸をしているのに、なぜ虫が入るのか

じつは、網戸には「正しい位置」があります。

住宅でよく使われる引き違い窓は、部屋の中から見て、右の窓が室内側、左の窓が室外側になるように作られています。網戸はその外側を走るので、右側に寄せておけば、窓のフレームとぴったり重なって、すき間ができません。

ところが、網戸を左側に寄せたまま左側の窓を半開きにすると、網戸と右側の窓の間にすき間が生まれ、そこから虫が入ってきます。網戸はきちんと閉めているのに虫が入る場合、この「位置」が原因になっていることが少なくないのです。窓を少しだけ開けたいときは、網戸を右側に寄せたまま、右側の窓だけを開けます。左側の窓を動かさなければ、網戸との間にすき間はできません。

築年数が経った網戸は、すき間も増えている

見落とされがちなのが、網戸そのものの経年劣化です。

網戸は、雨風や紫外線にさらされて少しずつ傷みます。網の破れや、網を留めている押さえゴムのゆるみはもちろん、網戸のフレームについている「モヘア」という毛状の部品(窓とのすき間をふさぐ役割)も、へたって、すき間をふさげなくなっていきます。

また、戸車(網戸の下の車輪)がずれて網戸が斜めになっていると、きちんと閉めたつもりでも、端に大きなすき間が空いていることがあります。築24年のTさんの家の網戸も、網のたるみとモヘアのへたりが進み、網戸自体も少し傾いていました。網戸はもともと完全に密閉できるわけではありませんが、劣化した網戸は、なおさら虫を通しやすくなるのです。

Tさん夫婦はどう対応したのか

そこでTさん夫婦がまず変えたのが、網戸の使い方でした。網戸は右側に寄せて使い、少しだけ開けるときは右側の窓だけを開ける。これだけで、お金をかけずに、虫の入り口をひとつふさげます。

あわせて、傷んだ部分を直しました。たるんだ網は、ホームセンターで買える網と専用ローラーを使えば、数千円で自分でも張り替えられます。張り替えの網は、網目の細かいタイプを選ぶと、小さな虫も通り抜けにくくなります。へたったモヘアは、新しい部品に交換。斜めになっていた網戸は、戸車をドライバーで調整して、すき間をなくしました。もちろん、人の出入りのときに入ってくる虫までは防ぎきれませんが、すき間からの侵入はぐっと減らせます。

「網戸に正しい位置があるなんて、知りませんでした。使い方と手入れで、こんなに変わるんですね」とTさんは振り返ります。

中古の家では「網戸の状態」も確かめて

朝夕の涼しい時間帯に窓を開けて風を通す暮らしは、気持ちのいいものです。気候に合わせてエアコンと自然の風を上手に使い分ける住まい方は、体にもやさしく感じられます。

一方で、その入り口になる網戸は、意外と見落とされがちな部分です。とくに築年数のたった中古住宅では、以下の点を確かめておくと安心です。

・網戸を右側に寄せて使っているか(少しだけ開けるなら右側の窓を)
・網に破れやたるみ、押さえゴムのゆるみがないか
・窓とのすき間をふさぐモヘアが、へたっていないか
・網戸が斜めになって、端にすき間が空いていないか

網戸は「あれば安心」ではなく、位置と状態で効果が変わると知ったうえで、使い方の見直しと数千円の手入れをすれば、気持ちよく風を通せる夏になります。

参考:
なるほど!虫の侵入を減らす使い方(YKK AP)
網戸の張り替え・補修(カインズ)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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