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「5台停められるなら問題ないだろう」新築建売を購入した40代夫婦、翌朝に気づいた"想定外の現実"

  • 2026.8.3
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

夏休みや帰省、レジャーなどで車を使う機会が増えるこの時期、「駐車場は広いほうが安心」と考える方も多いのではないでしょうか。マイホーム探しでも“駐車場5台可能”といった広告を見ると「これだけ停められれば十分だ」と安心してしまうことがあります。

しかし、実際には駐車できる台数と、毎日スムーズに出し入れできるかどうかは別の話です。

今日は、仕事用のバンを複数台所有していたご夫婦が、“駐車場5台可能”の新築建売住宅を購入したものの、毎朝すべての車を入れ替えなければ仕事へ出られなくなってしまった事例をご紹介します。

「5台停められるなら十分」そう思って購入した新築戸建て

これは、私が不動産売買の仕事をしていた頃に購入の相談を受けた、40代のAさんご夫婦のお話です。

Aさんは建設関係の仕事を営んでおり、自家用車2台のほか、仕事で使うバンを3台所有していました。そのため、家探しで最も重視していたのは5台分の駐車スペースを確保できることでした。

ある日、とあるハウスメーカーから紹介されたのは「駐車場5台可能」と案内された新築建売住宅です。現地へ足を運ぶと、建物の横から奥にかけて細長い駐車スペースが広がっていました。

「5台以上駐車できます。なかなか出ない希少物件ですよ」

担当者からは、そのような説明を受けます。Aさんは敷地を見渡しながらあらためて安心したそうです。

「これなら仕事の車も全部置けますね」

室内の間取りや収納、日当たりも希望どおりで、ご夫婦の気持ちは一気に購入へ傾きました。

ただ、その日は実際に所有している車を停めてみたり、「どの車をどこへ置き、毎日どのように出し入れするのか」までシミュレーションしたりすることはありませんでした。現地を見渡しながら、Aさんの頭には次のような思いが浮かんでいたそうです。

「駐車場は広い。このエリアでこれだけの駐車スペースを確保できる物件はそうそうない。5台停められるなら問題ないだろう…」

こうして、「5台停められる」という言葉をそのまま受け止め、実際の車の配置や出し入れまでは確認しないまま、契約を決断しました。

入居後に判明した“奥の車”が出せない現実

新居へ引越し、荷物の搬入も終わった初日の夕方。Aさんは、自家用車2台と仕事用バン3台を実際に駐車してみました。仕事用バン3台は敷地の奥側へ、自家用車2台は道路側へ停める縦列駐車(前後に車を並べて駐車する方法)です。

「5台ちゃんと停められたな」

その日は、Aさんも家族も満足していました。

ところが翌朝、仕事へ向かおうとして初めて違和感に気付きます。一番奥に停めた仕事用バンを出そうとしましたが、その手前には自家用車が2台。仕事用バンを出庫するには、自家用車をすべて移動させなければなりませんでした。

「えっ…毎朝これをやるの?」

Aさんは、その場でようやく「5台停められる」と「5台を自由に出し入れできる」はまったく別の話だったことに気付いたそうです。

購入前は、「5台駐車可能」という数字ばかりに目が向き、実際の車の配置や毎日の出庫方法までは具体的にイメージできていませんでした。この日を境に、Aさん一家の生活は少しずつ変わっていくことになります。

急な仕事や家族の外出にまで影響する生活に…

負担は、毎朝と毎夕だけではありませんでした。ある日の休日、朝食を食べ終えた頃にAさんのスマートフォンが鳴ります。

「急ぎで現場へ来てほしい」

取引先からの連絡でした。Aさんは慌てて玄関へ向かいましたが、仕事用バンは敷地の一番奥です。

「悪い、また車を動かしてくれる?」

家族は急いで自家用車2台をいったん動かしてスペースを空け、ようやくAさんは仕事用バンで出発できました。

帰宅後も同じです。今度は仕事用バンを元の位置へ戻すため、再び自家用車を移動させなければなりません。夏休みに家族がプールや買い物へ出掛けようとしていても、「お父さんが帰ってくるまで待とうか」と予定を変更する日もあったそうです。

「車は5台停められる。でも、自由には使えないんです」

そう話すAさんは、毎日の車の入れ替え作業に疲れ切っていました。出勤時間が予定より遅れる日も増え、仕事の段取りにも少しずつ影響が出始めます。

結局、Aさん一家は近隣の月極駐車場を1台分契約することにしました。毎月の駐車場代が新たに発生し、年間では十数万円の負担となったそうです。

駐車可能台数だけでは使いやすさまでは分からない

不動産広告に記載される駐車可能台数には、縦列駐車を前提としている場合も少なくありません。そのため、5台駐車できてもすべての車を自由に出し入れできるとは限らないのです。

また、住宅を見学する際は、建物や間取り、日当たりなどに意識が向きやすく、実際に所有している車をどのように配置し、毎日どの順番で出し入れするのかまで具体的にイメージしないまま契約してしまうケースも珍しくありません。

複数台の車を所有しているご家庭や仕事用の車がある場合は、駐車できる台数だけでなく、実際の駐車レイアウトや出庫のしやすさまで確認することが大切です。

可能であれば、契約前に実際の車、または同じサイズの車で駐車を試し、ほかの車を移動させずに出庫できるかまで確認しておくと、住み始めてからの後悔を防ぎやすくなります。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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