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「また光った…」時計を見ると午前2時。相場より300万円安い南向きマンションに越した夫婦が直面した“夜の異変”

  • 2026.7.31
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

不動産の内見は、明るく室内の様子を確認しやすい“昼間”に行われることがほとんどです。そのため、日当たりや眺望、室内の明るさは確認できても、夜になって初めて気付く住環境までは分からないことがあります。

特に「南向き」「日当たり良好」といった条件は人気が高く、昼間の内見で「理想の住まいが見つかった」と感じる方も少なくありません。

しかし、住み始めてから「昼には気付かなかった…」という思わぬ落とし穴が見つかるケースもあります。

今日は、周辺相場より約300万円安かった南向きマンションを購入した夫婦が、住み始めてから夜の住環境に思わぬ誤算があったエピソードをご紹介します。

「条件が良すぎる」と感じた300万円安い南向きマンション

数年前、住み替えのご相談を受けた際の出来事です。相談に来られたのは、マイホームを購入して数ヶ月が経っていた30代のご夫婦でした。話を伺うと、購入の決め手は「南向き」「築浅」「価格」の3つだったそうです。

購入したマンションは築年数が浅く、南向きで眺望も良好。それにもかかわらず、周辺の同条件のマンションより約300万円安く販売されていました。内見したのは、よく晴れた日の昼間だったそうです。

リビングの大きな掃き出し窓(床まである大きな窓)からはたっぷりと日差しが入り、室内は照明をつけなくても十分明るい状態。バルコニーへ出ると視界も開けており、ご夫婦は何度も景色を眺めながらこう話していたといいます。

「やっぱり南向きは明るくて気持ちいいですね。この条件でこの価格なら、かなりお得ですよね」

室内や共用部を見ても目立った不具合はなく、昼間の印象は申し分ありませんでした。

「こんな条件の良い物件は、なかなか出ないだろう」

そう感じたご夫婦は、価格が相場より安いことを“運が良かった”と捉え、購入を決断されたそうです。

夜になると寝室が何度も明るくなる生活

異変に気付いたのは、入居初日の夜だったそうです。引越しを終え、新居の寝室で夫婦そろって横になったそのときでした。突然、カーテンの隙間から強い光が差し込み、寝室の天井や壁が一瞬だけ白く照らされました。

「えっ、何?」

ご主人が起き上がって窓の外を見ると、一台の車がマンション前の道路で右折していくところでした。

「たまたまかな…」

そう思って再び眠ろうとしましたが、数分後にはまた別の車のヘッドライトが室内を照らします。

原因は、マンション前の道路でした。建物の正面はT字路になっており、右左折する車や信号待ちをする車のヘッドライトがちょうど寝室の窓へ向かって当たる位置関係だったのです。

しかも、その道路は住宅街の抜け道になっており、夜遅くなっても車の往来が絶えません。車が近づくたびにカーテン越しに光が差し込み、壁や天井にヘッドライトの光が流れるように映ります。

最初の数日は「そのうち慣れるかな」と思っていたそうです。しかし、夜中に何度も寝室が明るくなる生活が続くにつれ眠りが浅くなり、ヘッドライトが差し込むたびに目を覚ましてしまうようになりました。

「また光った…」

時計を見ると、まだ午前2時。その後も同じことが何度も繰り返され、ご夫婦は次第に寝不足を感じるようになっていったそうです。

遮光カーテンへ替えても完全には防げなかった

何とか改善できないかと、ご夫婦は寝室のカーテンを遮光タイプへ交換しました。

「これでぐっすり眠れるはず」

そう期待して迎えた夜でしたが、しばらくすると再び車のヘッドライトが寝室を照らしました。カーテンの生地自体は光をほとんど通していませんでしたが、車がT字路を曲がるたびに、カーテンレールの上部や裾、左右の隙間、さらに左右のカーテンが重なる中央部分のわずかな隙間から光が入り込みます。

その光は天井や壁をゆっくりと横切り、部屋の中が一瞬明るくなります。

「また来た…」

ご主人は眠りかけるたびに目を覚まし、奥様も光に気付いて時計を見る日が続いたそうです。

その後、生地自体が光を通さない完全遮光タイプ(遮光率100%)のカーテンも検討しました。しかし、窓とカーテンの間にできる隙間や窓まわりの構造によってはヘッドライトの光が回り込むことがあり、完全に防ぐことは難しいと分かりました。

近隣住民から聞いた「以前から有名だった」という話

しばらく暮らした頃、ご夫婦は近隣住民と話す機会があったそうです。

「この部屋は、前から夜のヘッドライトが気になることで知られていたんですよ」

その際にそう聞かされ、初めて事情を知りました。以前の居住者も夜間の光に悩まされていたと聞き、ご夫婦は大きなショックを受けたそうです。

昼間だけの内見では、室内の日当たりや眺望は十分に確認できます。しかし、夜の交通量やヘッドライトがどの程度室内へ差し込むかまでは、なかなか分かりません。

「もしかすると、この住環境も価格に影響していたのかもしれませんね。『300万円安い』という点ばかりに目が向いて、どうして相場より安いのかをもっと確認しておけば良かったです」

ご夫婦は、当時を振り返っていました。

昼と夜では住環境が大きく変わることもある

昼間の内見では、日当たり・眺望・室内の明るさなどは確認できます。一方で、前面道路の形状によっては、夜になると車のヘッドライトが室内へ差し込み、暮らし始めてから初めて気付く住環境の落とし穴もあるのが実情です。

こうした事情は不動産会社から事前に告知されることが多いですが、中古マンションや新築マンションを購入する際は、昼間の内見だけで判断せず、可能であれば夜にも現地を訪れてみることをおすすめします。

実際に車の交通量や信号待ちの状況、ヘッドライトが室内へ差し込まないかまで確認しておくことで、住み始めてからの後悔を防げるのではないでしょうか。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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