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【250万円の代償】結婚7年目、妻が“設計士の忠告”を無視→夫も納得の上で土地購入…台風後、下の隣人が訪れて判明した“誤算”

  • 2026.9.16
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「台風のあとの朝、下の家の方が来て、うちの庭に土と水が流れ込んでると言われたんです。擁壁を見たら、ひびが入っていて…」

そう話すのは、2年前にひな壇状の造成地の上段に、大手ハウスメーカーで注文住宅(4LDK・延床約122㎡/土地約178㎡、約6,200万円)を建てたYさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。

結婚7年目、土地探しでは南の眺めに惚れた妻と、擁壁の費用を心配した夫で意見が分かれていました。下の隣家との境界にある高さ約2.5mの擁壁について、同行した設計担当からは「築45年で検査済証もなく、水抜き穴も少ない。やり替えになれば数百万円。この土地はおすすめしません」と、はっきり止められていました。

それでも眺めを譲れなかった妻が押し切り、夫も価格に納得して買いました。擁壁は登記と境界の資料でYさんの土地のものと確認済みでした。建築確認の審査では、建物の重さが擁壁にかからないよう離して基礎を深くする計画で通っています。

擁壁の責任は、その所有者に

擁壁の点検と維持管理は所有者の責任です。誰の擁壁かは高低では決まらず、通常は宅地の所有者のものですが境界や造成の経緯で変わるため、境界杭や登記簿で確かめます。民法第717条によれば、工作物の設置や保存に欠陥があって他人に損害を与えた場合、占有者や所有者が賠償責任を負います。

がけや擁壁に近い土地での新築工事では、建築基準法や地域の条例に応じた安全確認が必要です(扱いは自治体によって異なります)。ただしそれは家の安全の話で、擁壁自体の維持管理は所有者の責任のままです。

市の窓口と、助成での補強

台風の大雨のあと、水抜き穴から泥水が流れ出して隣家の庭に土がたまり、壁には縦のひびと水抜き穴周辺のひび割れが生じていました。二人はその日に隣家へ謝り、庭の土を片づけ、排水路を掃除し、専門家に見せると約束しました。

市に相談すると、Yさんが住む自治体の制度で、無料の専門家派遣による診断を受けられました。判定は「すぐ倒れる危険は低いが補強が必要」で、排水の改善と鉄筋の補強に約250万円かかるとのこと。市の助成で費用の一部が出ますが、専門家派遣や助成の有無、上限額は自治体によって異なります。

市の窓口対応も業者との打ち合わせも「私が選んだ土地だから」と妻が引き受け、夫は費用の段取りに回りました。プロの忠告通り、擁壁の費用は土地代に足して考えるべきだったと、二人で思っています。

高台の土地は、擁壁の値段も

高台の眺めと日当たりは代えがたい魅力で、古い擁壁も点検と補強で守れますし、派遣や助成のある自治体もあります。一方で、擁壁の責任はその所有者にあるからこそ、買う前に所有関係と擁壁の値段まで見ることが欠かせません。

・擁壁の点検と修繕は所有者の責任(損害が出れば民法第717条の賠償責任)。誰の擁壁かは境界杭や登記簿で確認
・ひび・膨らみ・傾き・水抜き穴・排水路をチェックシートで確認。大雨のあとは必ず
・異常があればまず市区町村へ。専門家派遣や助成の有無と上限額は自治体によって異なる
・審査で家の安全が確保されても壁の責任は残る。補強ややり替え費用は土地代に足して考える

高低差のある土地は、眺めの前に擁壁を一度チェックしてください。

参考:
我が家の擁壁チェックシート(案)(国土交通省)
土留・擁壁(ようへき)について(和光市)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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