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「勝手に入らないでください」カブトムシ探しで“ただの林”に入った親子が直面した、ご近所トラブルの落とし穴

  • 2026.7.29
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

夏休みになると、子どもと一緒にカブトムシやクワガタを探しに出かけるご家庭も多いのではないでしょうか。雑木林や大きな木を見つけると「あそこならいそう」と虫取りに夢中になる子どももいるでしょう。

しかし、一見すると誰でも入れそうな雑木林や空き地でも、実際には個人や企業が所有する私有地であるケースは少なくありません。

今日は、住宅街で虫取りを楽しんでいた親子の行動が思わぬ近隣トラブルに発展し、「入ってはいけない場所だった」と後から知ることになったエピソードをご紹介します。

「カブトムシがいた!」夢中になった息子が雑木林へ

これは、私の会社の近くに住むAさんから伺った話です。Aさんは夫婦と小学生の息子さんの3人で、戸建て住宅が並ぶ住宅街に暮らしていました。

夏休みのある日、夕暮れが近づき少し暑さが和らいできた頃、家族で近所を散歩していると、道路脇の雑木林を見つけた息子さんが突然立ち止まりました。

「あっ、お父さん!カブトムシがいた!」

そう叫ぶと、虫を追いかけるように雑木林へ駆け出していきます。Aさんも慌てて後を追いましたが、木々の間を行ったり来たりしながら夢中で木の幹をのぞき込む息子さんを見て「すぐ戻ってくるだろう」と思い、その場では強く止めなかったそうです。

「楽しそうだな。夏休みの思い出になればいいな」

夕日に照らされた木々の間を走り回り「いた!」「あっちかも!」とはしゃぐ息子さんの姿を、Aさんは少し離れた場所から見守っていました。

「勝手に入らないでください」突然現れた土地の所有者

夢中で木の幹を見上げていた親子のもとへ、一人の男性が足早に近づいてきました。男性は、少し険しい表情を浮かべながら、

「何か御用ですか?ここは私有地です。勝手に入らないでください」

と声を掛けたそうです。突然のことにAさんは驚き、息子さんも手を止めて男性の方を振り返りました。Aさんはそのとき初めて、その雑木林が個人宅の敷地内だったことを知ります。

道路から見ると柵や門はなく、自然のまま残された林のように見えていたため、公園の一部など、誰でも入れる場所だと思い込んでいたそうです。

すると男性は、少し困った表情でこう続けました。

「毎年この時期になると、カブトムシやクワガタを探しに子どもたちが入ってくるんです。木を傷つけられたり、枝を折られたりすることもあって、本当に困っています」

その言葉を聞き、Aさんは自分たちの軽率な行動に気付きました。

「誰でも入れる場所だと思っていました。申し訳ありませんでした」

その場で息子さんと一緒に頭を下げて謝罪したそうです。

一度の虫取りが、思わぬ近隣トラブルのきっかけに

しかし、この出来事のあと、Aさんは自分たちだけの問題ではなかったことを知ります。謝罪を終えた際、土地の所有者は少し疲れたような表情で、こう話したそうです。

「毎年、夏になると同じことの繰り返しなんです。『少しだけだから』と思って入ってくる人が本当に多くて…」

聞けば、カブトムシやクワガタを探す子どもたちが次々と敷地へ入り、そのたびに注意を繰り返してきたといいます。そのため近隣でも「また虫取りの子が入っていたみたい」「今年も注意していたよ」という話がたびたび聞かれるようになり、Aさん親子のことも自然と周囲に伝わってしまいました。

「今度から、入っていい場所かどうかをお父さんに確認しようね」

帰宅後、Aさんは息子さんにそう話したそうです。

雑木林でも「私有地」の場合があることを忘れない

住宅街にある雑木林や空き地は、自然が残されていることから誰でも入れる場所のように見えることがあります。しかし、実際には個人や企業が所有する私有地であるケースも少なくありません。

所有者にとっては、虫取りや自然観察であっても無断で敷地へ立ち入られることは大きな負担になります。同じことが繰り返される場合には、警察へ相談するケースもあるでしょう。

虫取りや自然観察を楽しむ際は、次のような点を意識しておくと安心です。

  • 立ち入ってよい場所か事前に確認する
  • 子どもだけで行動させず、保護者が付き添う
  • 私有地や立入禁止の表示がある場所には入らない
  • 昆虫採集が認められている公園や施設を利用する

夏休みは、子どもが夢中になるあまり周囲が見えなくなることもあります。だからこそ、保護者が「虫を見つけても、まずは入ってよい場所かを確認する」というルールを日頃から伝えておくことが大切です。

ほんの数分の出来事でも、思わぬ近隣トラブルにつながることがあります。楽しい夏の思い出にするためにも、周囲への配慮を忘れずに虫取りを楽しみたいものです。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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