1. トップ
  2. 住まい
  3. 夏の庭に“握りこぶし大”のハチの巣が…「あと数日なら」と放置した30代夫婦が払うことになった代償

夏の庭に“握りこぶし大”のハチの巣が…「あと数日なら」と放置した30代夫婦が払うことになった代償

  • 2026.7.28
undefined
出典元:PIXTA(画像はイメージです)の

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

庭木の手入れや草むしりをしているときに、小さなハチの巣を見つけた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「まだ小さいから大丈夫だろう」「時間があるときに駆除しよう」などと考え、対応を後回しにしてしまうことも珍しくありません。

しかし、ハチの巣は短期間で大きくなることがあり、そのまま放置すると思わぬ事故や近隣トラブルにつながるおそれがあります。

今日は、庭のハチの巣を放置したことで隣人が刺され、治療費の話し合いだけでなくご近所付き合いまでぎくしゃくしてしまった30代夫婦のエピソードをご紹介します。

始まりは「まだ小さいから大丈夫」という油断

数年前、私が住宅購入をサポートした30代のAさん夫婦は、住宅街の戸建て住宅で新生活を始めました。

夏の休日、庭木の手入れをしていたAさんは、葉が生い茂る枝の奥に“握りこぶし”ほどの小さなハチの巣を見つけます。数匹のハチが巣の周りを飛んでいましたが、まだ大きくはありませんでした。

「うわ、ハチだ…。でもこれくらいの大きさなら、危険はないだろう。今度の休みにでも駆除すればいいか」

そう思ったAさん。その日はそのまま家の中へ戻りました。しかし、その後は仕事が立て込み、休日も子どもの予定や家の用事であっという間に過ぎていきます。

数週間後、庭へ出るたびに、庭木の周りを飛び交うハチの数が目に見えて増えていることに気付きました。巣も以前より一回り以上大きくなり、庭へ近づくだけでブーンという羽音が聞こえるほどだったそうです。

「そろそろ業者へ頼まないと危ないかな」

Aさんはそう思いながらも「あと数日くらいなら問題ないだろう」と判断し、結局そのまま放置してしまいました。

隣人が刺され、突然の苦情…

数日後、インターホンが鳴り、Aさんが玄関を開けると、そこには腕に手当てをした50代男性の隣人が立っていました。

「実は昨日、庭でハチに刺されて病院へ行ってきました。前からAさん宅でハチが飛んでいるのが気になっていたので、もう少し早く対応してもらえたら助かりました」

そう告げられたAさんは慌てて庭へ向かい、庭木を見上げました。すると、葉の奥には以前とは比べものにならないほど大きくなったハチの巣があり、何匹ものハチが絶え間なく出入りしていたのです。

隣人男性が庭木の剪定をしていると突然、飛んできたハチに刺され、そのまま病院を受診することになったそうです。幸い症状は重くならずに済みましたが、しばらく治療を受けることになったといいます。

事態の深刻さを痛感したAさん夫婦は、その場で専門業者へ連絡し、その日のうちにハチの巣を撤去しました。その後、改めて隣人へ謝罪し、治療費などについて話し合うことになりました。

「もっと早く対応していれば、こんなことにはならなかったのに…」

Aさんは当時を振り返り、悔しそうにそう話していました。

治療費だけでは終わらなかった近所付き合い

ハチの巣はその日のうちに撤去し、治療費などの話し合いも終えましたが、一度生じた“わだかまり”はすぐには解消されませんでした。それまで気軽に交わしていた挨拶もどこかぎこちなくなり、ご近所付き合いにも少しずつ距離が生まれてしまったそうです。

「もし重いアレルギー症状が出ていたら、もっと大きな事故になっていたかもしれない…」

Aさんは、自分たちの判断を何度も悔やんでいました。

ハチの巣を放置した結果、近隣住民が刺されて損害が発生した場合には、状況によっては民法上の不法行為責任(故意や過失によって他人へ損害を与えた場合の責任)が問題となり、損害賠償を求められる可能性があります。責任の有無や賠償の範囲は「ハチの巣の存在を認識していたか」「どのような管理状況だったか」など、個別の事情を踏まえて判断されます。

Aさん夫婦のケースは話し合いによって解決しましたが、Aさんは「『これくらいなら大丈夫』という油断が、ご近所との信頼関係を大きく変えてしまった出来事だった」と話していました。

ハチの巣は早めの対応が近隣トラブルを防ぐ

庭木や軒下などにハチの巣ができること自体は、決して珍しいことではありません。一方で、夏から秋にかけてはハチの活動が活発になり、巣も短期間で大きくなることがあります。放置すると、自宅だけでなく近隣住民が刺傷事故に遭うリスクが高まり、思わぬ近隣トラブルへ発展する可能性もあります。

ハチの巣を見つけた際は、次のような点を意識しておくことが大切です。

  • 小さいうちに駆除や専門機関への相談を検討する
  • 巣が大きくなり自分での駆除が危険な場合は、無理をせず専門業者や自治体の相談窓口を利用する
  • 庭木・軒下・ベランダなどを定期的に点検し、巣ができていないか確認する
  • 火災保険の特約などに付帯されている個人賠償責任保険の補償内容を確認しておく

また、ハチの巣の放置によって第三者がケガをした場合には、状況によって損害賠償責任が生じる可能性もあります。万が一の負担に備えるためにも、個人賠償責任保険の補償内容をあらかじめ確認しておくと安心です。

「そのうち対応しよう」という数週間の先延ばしが、大きな事故や近隣トラブルにつながることもあります。家族だけでなく近隣住民の安全を守るためにも、日頃から庭まわりを点検し、異変に気付いたら早めに対応するようにしましょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ