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「たった数メートル」が想像以上だった…駐車場から玄関まで、数年後に40代夫婦が直面した“想定外”

  • 2026.7.28
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

土地を探していると、道路と同じ高さに駐車場があり、その奥の宅地が一段高くなっている物件を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。こうした土地は、道路からの視線が気になりにくく、大雨による浸水リスクを抑えやすいなどのメリットがあります。

一方で、駐車場から玄関までの高低差は見落とされがちです。暮らし始めると、荷物運びや子どもの送り迎えなどで、毎日の負担になることもあります。

今日は、道路と同じ高さに駐車場があり、その奥の一段高い敷地に住宅を建てたご家族が、駐車場からの距離や高低差で後悔することになった実際のエピソードをご紹介します。

「数メートルだから気にならない」と購入した土地

これは、私が土地探しをお手伝いした40代のAさんご夫婦のお話です。入居後のアンケートや、数年後にお会いした際のお話のなかで、暮らし始めて初めて気付いた後悔を話してくださいました。

Aさんご夫婦が希望されていたのは、お子さんがのびのび暮らせる戸建て住宅でした。いくつかの土地をご案内した中でご夫婦が気に入ったのは、道路と同じ高さに駐車スペースがあり、その奥の宅地が一段高くなっている区画です。

現地では、ご夫婦と一緒に駐車スペースから玄関予定地まで歩いて確認しました。距離は数メートルほどで、その間には数段の階段があります。将来的な負担の可能性もお伝えしましたが、

「玄関までそう遠くないですし、このくらいなら気になりませんね」

ご主人はそう話し、奥様も笑顔でうなずいていました。

道路より宅地が高いため、道路から室内が見えにくく、大雨の際も雨水が流れ込みにくい点はこの土地の魅力でした。間取りや日当たり、価格も希望に合っていたことから、ご夫婦はこの土地で新築住宅を建てることを決めました。

毎日の荷物運びが想像以上に大変…

新居での生活が始まってしばらくすると、お子さんが生まれました。

週末にスーパーでまとめ買いをした日は、車のトランクいっぱいに食材や飲み物、日用品が並びます。Aさんは両手いっぱいに買い物袋を提げて階段を上り、一度玄関へ荷物を置くと再び駐車場へ戻ります。ケース買いした飲料やおむつなど重い荷物の日は、その往復を何度も繰り返さなければなりませんでした。

お子さんがまだ小さい頃は、抱っこをしながら買い物袋を持ち、ベビーカーを運ぶこともあります。さらに雨の日は片手で傘を差し、荷物が濡れないよう気を配りながら階段を上るため、足元にも神経を使います。

「玄関まではすぐなのに、毎日のことだから思った以上に大変なんです」

入居後のアンケートでは、そんな本音を聞かせてくださいました。

また、冷蔵庫やソファなど大型家具・家電の搬入時には、配送スタッフから「階段がありますので、通常よりお時間をいただきます」と説明を受け、搬入作業も想像以上に時間がかかったそうです。

高低差があるだけで、毎日の暮らしでは大きな負担へと変わっていったのでした。

年齢を重ねてから後悔はさらに大きくなった

それから数年が経ち、Aさんは膝を痛めてしまいました。以前は何気なく上っていた数段の階段も、手すりにつかまりながら一段ずつ上るようになったそうです。

ケース買いした飲料を運ぶ日は「今日は何往復しようか」と考えるだけで気が重くなり、ゴミ出しや宅配便の受け取りなど、これまで当たり前にこなしていた動作にも時間がかかるようになりました。

奥様から「私が運ぶから大丈夫」と声をかけられることも増えましたが、そのたびにAさんは住宅購入当時のことを思い出したそうです。

「車が停めやすいかばかり気にしていて、毎日ここを何度も歩くことまでは考えていなかったな…」

家そのものには満足しているものの、駐車場から玄関までの動線については、「生活をもっと具体的にイメージしておけばよかった」と後悔が残っているそうです。

駐車場から玄関までは「生活動線」を確認することが大切

道路より宅地が高い土地は、道路から室内が見えにくくプライバシーを確保しやすいことに加え、大雨による浸水リスクを軽減しやすいなどのメリットがあります。

一方で、道路と同じ高さに駐車場があり、宅地が一段高くなっている住宅では、駐車のしやすさだけでなく、毎日の生活動線まで具体的にイメージしておくことが重要です。

現地を見学する際は、車が停められるかだけで判断せず、次のような毎日の生活動線をシミュレーションしてみることが大切です。

  • 荷物を持って玄関まで歩いてみる
  • 子どもを抱っこした状態やベビーカーを使う場面を想像する
  • 宅配便や大型家具・家電の搬入経路を確認する

また、年齢を重ねたときや膝・腰に負担がかかった場合も含めて、高低差や階段の有無を確認しておくことも重要です。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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