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夕方の改札口で若い男性客が崩れ落ち…現役駅員が1時間近く業務を離れることもある“乗客への対応”

  • 2026.7.31
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役鉄道会社社員の福本明文です。

暑さが増し、冷たいお酒が美味しく感じられる季節がやってきました。ビアガーデンや暑気払いなど、お酒を楽しむ機会が増える一方で、鉄道の現場で働く駅員にとって非常に頭の痛い問題となるのが酔客への対応です。今回は、駅員が直面する酔客対応の実態と、駅を利用する際の注意点についてご紹介します。

人身事故の多くはお酒が絡んでいる

駅での酔客対応は、単なる迷惑行為の処理にとどまりません。実は、命に関わる問題にもつながっています。

内閣府が発表した「令和6年版 交通安全白書」などのデータによると、現在でもホームからの転落や列車との接触事故のうち、約半数(45〜50%程度)が酔客によるものだと報告されています。

お酒を飲んで足元がふらつく状態での駅の利用は、非常に危険な行為であることが統計データからも明らかです。

明るい時間帯からの泥酔トラブル

筆者が駅員として勤務していた頃の経験です。まだ空が明るい夕方の時間帯、改札口付近の床に若い男性が崩れ落ちるように倒れ込んでしまいました。他のお客様から「人が倒れている」と知らされて慌てて駆けつけると、お酒の強い匂いがし、声をかけてもまともに話せないほどの泥酔状態でした。

幸いなことに、その時は一緒に飲んでいたと思われる同行者の男性がそばにいました。その同行者がタクシーを手配し、倒れ込んだ男性を抱き起こすようにして車に乗せて帰っていきました。

嘔吐物の処理

別のケースでは、ホームのベンチに座っていた若い女性のお客様が、立ち上がった瞬間に嘔吐してしまったことがありました。

駅構内で嘔吐物が発生した場合、そのままにしておくことはできません。こうした事態に対し、駅員は専用の凝固剤やおがくずなどを撒き、水分を固めたり吸収させたりしてから処理を行う手順がマニュアル化されています。

日中など、清掃会社のスタッフが常駐している時間帯であれば作業をお願いできますが、深夜など不在の時間帯は、駅員自身が清掃にあたらなければなりません。この処理にはある程度の時間を要します。その間、対応にあたる駅員は本来の業務から離れることになり、他の業務にも影響が出てしまいます。

最終的には警察へ

筆者が経験した事例のように同行者がいればまだ対応の余地がありますが、お客様がお一人で泥酔し、ベンチや床で完全に眠り込んでしまい、声をかけても全く反応がないケースはさらに深刻です。

お客様が急なアルコール中毒等で倒れている可能性もあるため、最終的には警察へ通報して保護や対応をお願いすることになります。

警察が到着して状況を引き継ぐまでの間、数十分から長い時には1時間近く、その場でお客様を見守るために人員を割かれます。これが終電間際の深夜帯に発生した場合、終電後の駅の片づけなど他の業務へも影響が及びます。場合によっては、翌日の業務に支障が出るようなケースもあります。

適度な飲酒で楽しい時間を

夏はお酒が美味しく、楽しい気分になる素晴らしい季節です。鉄道を利用して飲みに行くこと自体は決して悪いことではありません。

しかし、お酒が美味しい季節だからこそ、どうかご自身の適正な酒量を守り、安全に家まで帰り着ける範囲で楽しむことを心がけてください。冒頭でご紹介した統計データが示す通り、酔客が関わる重大な鉄道事故は後を絶ちません。楽しい夏の思い出を悲しい事故や警察沙汰で終わらせないためにも、一人ひとりの節度ある行動とご協力を心よりお願い申し上げます。

※お酒は20歳になってから


参考:
ホーム上の酔客対策研究(JR西日本安全研究所)
令和6年交通安全白書(内閣府)


ライター:福本明文
大学卒業後、鉄道会社に総合職として入社し、同業界に15年以上従事。鉄道部門だけでなく、タクシーやバス、小売りといった関連事業にも幅広く携わる。現在はWebライターとしても、広報を担当した経験を活かし、コラム記事の執筆からSNSへのコンテンツ提供まで多岐にわたって活動中。


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