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13歳年下の妻と結婚した「二刀流」人気スター。芝居と歌で描いてきた夫婦愛と大人の恋

  • 2026.8.2
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福山雅治-2006年12月撮影(C)SANKEI

2026年8月7日公開の映画『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』に、福山雅治が新曲『邂逅』を書き下ろした。前作の主題歌『想望』を受け継ぐ楽曲で、福山は登場人物たちの偶然と必然、運命と宿命を描いたという。出会いと別れを経験し、その痛みを抱えたまま前へ進む人々へ寄り添う一曲だ。

現在ではシンガーソングライターと俳優、どちらの肩書にも違和感がない福山。しかし、芸能界で先にデビューしたのは俳優としてだった。1988年公開の映画『ほんの5g』へ出演し、その2年後に歌手デビュー。俳優が次々と歌を発表し、歌手と俳優の二刀流「アクターズシンガー」という言葉が飛び交った時代をくぐり抜け、芝居と音楽の両方を本業にしていった。

歌手より先に、俳優としてスクリーンへ

福山は1988年、アミューズのオーディションを経て『ほんの5g』に出演。富田靖子演じる主人公の幼なじみ・三蔵を演じ、俳優としてスクリーンに登場した。音楽デビューは1990年。シングル『追憶の雨の中』を発売し、シンガーソングライターとして歩み始めた。当時は俳優が歌手活動をすることも珍しくなく、福山も「俳優が歌っている」という見方をされやすい立場にいた。

転機の一つとなったのが、1993年放送のフジテレビ系ドラマ『ひとつ屋根の下』だった。福山は医師を目指す次男・柏木雅也、通称“チイ兄ちゃん”を演じ、俳優として広く知られるようになる。一方で、自ら作詞・作曲した楽曲も支持を広げ、人気俳優の余技ではないことを結果で示していった。

妻を支えとしながら走り続けた『龍馬伝』

2010年放送のNHK大河ドラマ『龍馬伝』で、福山は坂本龍馬を演じた。真木よう子演じるお龍は、寺田屋で襲撃を受けた龍馬の危機を知らせ、傷ついた彼を看病する。やがて龍馬はお龍へ夫婦になることを申し出て、二人で薩摩へ向かう。しかし、結婚しても龍馬が家庭へ収まるわけではない。新しい時代を目指して走り続ける龍馬の隣で、お龍は自分の知らない交友関係や世界に触れ、不安を抱えることになる。

福山が演じたのは、妻を穏やかに守る夫というより、妻に支えられながら危険な道を進む男だった。大きな目的を持つ一方で、共に生きる相手を自分の人生へ巻き込んでしまう。その華やかさと危うさを同時に背負った夫だった。

結婚前に演じた、家族を理解できない夫

2013年公開の映画『そして父になる』では、福山が父親役に挑んだ。演じた野々宮良多は、仕事も家庭も自分の力で手に入れたと信じるエリート会社員。尾野真千子演じる妻・みどり、6歳の息子と暮らしていたが、その子が出生時に取り違えられた他人の子どもだったと知らされる。

良多には、妻は家庭を支え、子どもには優れた教育を受けさせるべきだという固定的な家族観がある。夫として家計を支えていても、妻や子どもの気持ちを理解しているとは限らない。取り違えをきっかけに、良多は自分が本当に父親だったのかを問われていく。

『龍馬伝』では妻を支えとする夫を演じ、『そして父になる』では家族を支えているつもりで、その心を見失っていた夫を演じた。福山の隙のない印象が、良多の未熟さや孤独を際立たせていた。

13歳差婚で選んだ「支え合う存在」

『そして父になる』の公開から2年後となる2015年9月、福山は俳優・吹石一恵との結婚を発表した。当時、福山は46歳、吹石は33歳。13歳という年齢差も大きな注目を集めた。福山は発表文で、吹石をいつしか「人生を支え合う存在」として意識するようになったと明かした。

年上の自分が年下の妻を導くのではなく、互いに支え合う。福山が結婚を報告する際に選んだのは、上下ではなく並んで生きる関係を表す言葉だった。

結婚後に演じた、結ばれるとは限らない恋

結婚から4年後、福山は2019年公開の映画『マチネの終わりに』で、クラシックギタリストの蒔野聡史を演じた。石田ゆり子演じるジャーナリスト・小峰洋子と強く引かれ合うものの、洋子には婚約者がいる。仕事や世界情勢、思わぬすれ違いによって二人の関係は途絶え、それぞれが別の時間を生きていく。

ここで福山が演じたのは夫ではない。愛していても相手の人生を自分の望む方向へ動かせず、結婚という形にも簡単にはたどり着けない、40代の恋だった。音楽家である蒔野は、言葉だけでなく演奏でも思いを伝える。俳優として人物を演じ、音楽家として感情を届けてきた福山だからこそ、二つの表現が一人の役の中で自然に重なった。

二つの顔が『邂逅』で重なる

俳優としてデビューし、「アクターズシンガー」という言葉が使われた時代に歌手としてヒット曲を数々生み出した福山。その後も、どちらかをもう一方の副業にすることなく、芝居と音楽を並行してきた。

『龍馬伝』では妻に支えられる夫を演じ、『そして父になる』では家族を理解できない夫に向き合った。13歳年下の吹石との結婚を「支え合う存在」という言葉で報告し、『マチネの終わりに』では結ばれることだけをゴールとしない大人の恋を演じた。そして2026年、新曲『邂逅』では、出会いと別れによって紡がれる日常や幸福を歌う。

もちろん、結婚生活がそのまま芝居や楽曲になったと決めつけることはできない。それでも、俳優として夫や父、恋人を演じ、音楽家として愛の続きを歌ってきた時間は、一つの表現者の中で確かにつながっている。

俳優が歌っているのか、歌手が演じているのか。福山雅治は、その問いを過去のものにした。芝居と歌の両方で人が誰かと生きる意味を描くことこそ、現在の福山を形づくる二つの顔なのである。


※記事は執筆時点の情報です

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