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15年前、妊娠中に日本武道館公演をやり遂げた【歌姫】演歌から洋楽まで歌い上げるシンガーソングライターとは

  • 2026.9.21
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アンジェラ・アキ-2010年9月撮影(C)SANKEI

今から15年前の2011年9月、アンジェラ・アキは34歳の誕生日に、第一子を妊娠していることを発表した。年末の日本武道館公演も、医師に相談しながら予定通り行うという。新しい家族を迎える喜びと、歌う予定を一緒に届けた報告だった。

同じ月には、アルバム『WHITE』が控えていた。自作曲だけでなく、演歌や洋楽のカバーも並ぶ一枚。人生が大きく動いていたこの秋、アンジェラは歌の中でも、一つの顔に収まろうとしていなかった。

『津軽海峡・冬景色』も自分の歌の隣に

『WHITE』は2011年9月に発売された。ドラマ『名前をなくした女神』の主題歌『始まりのバラード』に始まり、『津軽海峡・冬景色』や『Honesty』を収録。デビュー曲『HOME』を歌い直した曲も入っている。

シンガー・ソングライターの新作と聞くと、作った人自身の言葉を集めたアルバムを思い浮かべる。ところが、この一枚では、自分の歌と、誰かが作ったなじみのある歌が隣り合う。歌い手として、どんな曲を選び取る人なのかにも興味が向く。

演歌と洋楽を一枚に収めると、ジャンルの幅広さを誇るようにも見える。だが、アンジェラが自分の始まりに関わる曲を集めたという位置付けを知ると、少し違って聞こえる選曲だ。外から見ると遠い曲同士でも、一人の音楽好きの中では、無理なく同じ棚に入っているのかもしれない。

『HOME』を歌い直すことも、新人の頃へ単純に戻ることとは違う。2005年のメジャーデビューから6年を経た2011年の作品に、もう一度置き直す。その間に作った歌や好きな歌と並ぶことで、デビュー曲にも、新しい聴き方の入口ができる。

武道館を大きなリクエスト番組に

2011年12月26日、アンジェラは6年連続となる日本武道館公演を開いた。この日の趣向は、生歌で届けるラジオのリクエスト番組。ファンから寄せられたリクエストをもとに、オリジナル曲とカバー曲を選んだ。

レディー・ガガの『Born This Way』があれば、AKB48の『ヘビーローテーション』もある。『マル・マル・モリ・モリ!』では振り付けも披露した。ピアノの前に座る歌手の公演から、こんな曲目が飛び出す。次に何を歌うのかという楽しみまで、客席に用意されていた。

大きなおなかで登場したアンジェラは、Tシャツの数字を妊婦に掛けた語呂合わせとして紹介し、会場を笑わせた。9月の報告を受け取っていた人たちに、元気な姿と歌を見せる日でもあった。

自分の代表曲を聴かせるだけなら、観客は知っている曲を待てばいい。リクエストを受けて別の歌手の曲にも挑む公演では、聴く人の好みがステージへ入ってくる。アンジェラ自身の選曲を楽しむ『WHITE』から、客席の選曲も楽しむ武道館へ。歌を知っていることが、そのまま一緒に参加する楽しさになる。

子どもの将来は寿司屋もいい

武道館公演の3日後、アンジェラは『NHK紅白歌合戦』のリハーサルに臨んだ。子どもと一緒に紅白の舞台に立ったのだと、いつか話せる日を楽しみにしているという。一方で、子どもの将来について聞かれると、いつでも寿司が食べられるから寿司屋もいいと冗談を交えた。

大きな節目を語るときにも、話が深刻な決意表明だけで終わらない。歌の合間に笑いを入れ、人生の喜びにも、少しおどけた言葉を添える。その近さは、選曲の自由さともよく似合っている。

2011年の秋から年末にかけて、アンジェラは自分の新作を出し、親しんだ歌を歌い、観客の好きな曲にも応えた。第一子の妊娠という知らせの周りに、こんなにも歌と笑いの予定が詰まっていた。そのにぎやかさごと振り返りたくなる、15年前の季節である。


※記事は執筆時点の情報です

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