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2026年はやませで梅雨寒?低温をもたらす原因とオホーツク海高気圧の動向

  • 2026.6.24

「今年の梅雨はいつもより涼しい」と感じている方は多いのではないでしょうか。実際、東京都では2000年~2025年の6月平均気温は22.8℃ですが、2026年の6月18日時点の6月平均気温は21.0℃と例年に比べてかなり低く推移しています。

特に6月上旬は肌寒く感じる日も多くありましたが、この低温をもたらしたのがオホーツク海高気圧とやませです。そして、6月下旬に再びオホーツク海高気圧が発生し、やませの影響で東日本~北日本を中心に梅雨寒が続く可能性が高まっています。今回は、梅雨に低温をもたらすオホーツク海高気圧ややませのメカニズム、災害のリスクを紹介します。

1か月予報で東日本から北日本は平年よりも気温が低い予想

気象庁が2026年6月18日に発表した最新の1か月予報(対象期間:6月20日〜7月19日)によると、北日本から東日本の太平洋側を中心に、平年よりも気温が低くなる見込みです。また、西日本や九州も最新の1か月予報では、高温予想から一転して平年並みとなっています。

なぜ今年の梅雨は涼しい?梅雨寒の原因

今年の梅雨が涼しい理由として、以下の2つの理由が挙げられます。

・梅雨前線が日本の南に停滞している

・オホーツク海高気圧が発生している

まず、梅雨前線を境に南側では真夏の暖かく湿った空気に覆われているのに対し、北側では春の名残をまとった涼しい空気に覆われています。例年であれば梅雨前線は徐々に北上し、日本列島は真夏の空気に包まれますが、今年は前線が日本の南側に停滞し続けているため、涼しい空気の領域に入った状態が続いています。

このため、東日本や北日本だけでなく西日本でも涼しい梅雨となっています。そして、東日本や北日本では、この梅雨前線の配置に加え、オホーツク海高気圧の影響でさらなる気温低下をもたらしています。

梅雨寒をもたらすオホーツク海高気圧

オホーツク海高気圧は、春の後半から夏に千島列島やオホーツク海付近で発生する停滞性の高気圧です。この高気圧が位置する海域は、海氷や融け出した水の影響で水温が低いため、上空の空気も冷たく湿った性質を持ちます。

ここから吹き出す冷気が北東風となって東日本や北日本へダイレクトに流れ込むため、日中も気温が上がりにくくなります。また、オホーツク海高気圧の勢力が強いと梅雨前線も北上しにくくなり、暖かく湿った空気が日本に入りにくくなります。

さらにオホーツク海高気圧はひとたび現れると、数日から長い時には2週間ほど居座るため、オホーツク海高気圧が多く出現する年は低温になりやすいという特徴もあります。

オホーツク海高気圧から吹き出すやませとは

オホーツク海高気圧から吹き出す冷たく湿った北東の風は、「やませ(山背)」と呼ばれています。この風は単に空気が冷たいだけでなく、大量の水蒸気を含んでいるのが特徴です。そのため、日本列島に吹きつけると低い雲や霧を発生させ、東日本や北日本の太平洋側を中心に曇りや雨の日が多くなり、日差しが遮られることでさらに気温が低下します。

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やませがもたらす災害

やませは厳しい暑さを和らげ、過ごしやすくしてくれるというメリットがありますが、その一方で、長引くと農業への深刻な冷害を引き起こすリスクもあります。やませが長期間吹き続けると、太平洋側を中心に厚い雲や霧が居座ることで、深刻な日照不足と記録的な低温が続きます。

特に6月から7月にかけて低温が続くと、稲の初期生育が遅れ、苗が十分に育たない生育量の不足が起こります。その結果、最終的な収量の低下や品質不良の要因となります。

やませによる冷害は、過去に何度も日本の農業に大きな影響を与えてきました。その代表例が1993年(平成5年)の「平成の米騒動」と呼ばれる記録的な大冷害です。この年は6月からオホーツク海高気圧の勢力が強く、7月、8月前半にかけても冷たい風が吹き続けたため、全国的に低温と日照不足が持続しました。

特に6月から7月の初夏の低温は稲の初期生育を遅らせただけでなく、長雨による「いもち病」などの病害も広範囲で多発しました。その結果、店頭からお米が消える「平成の米騒動」へと発展しました。

また、やませによる冷害はお米だけでなく、野菜や果樹、豆類などあらゆる農作物に生育不良や病害をもたらします。このように、人間にとっては過ごしやすい夏の涼しさも、農作物の豊かな実りにとっては、かえってリスクとなってしまうのです。

オホーツク海高気圧の今後の動向について

6月20日~7月17日の1か月平均の海面気圧は、オホーツク海付近の気圧が高めであり、オホーツク海高気圧が発生しやすい状況となっています。

週単位の1か月予報は以下の通りです。

・6月20日~6月26日:沖縄・奄美・東日本・北日本で平年より低い

・6月27日~7月3日:全国的に平年並みの気温

・7月4日~7月17日:沖縄・奄美・西日本・東日本で平年より高い

オホーツク海高気圧の寿命を鑑みると、今回の低温傾向は期間の前半が中心と言えます。ただし、オホーツク海高気圧は長期予報での予測が難しい現象の一つであり、1か月予報や3か月予報にその動向が完全には反映されていないケースも少なくありません。

実際、当初の高温予想から一転して低温予想へ変わった背景には、6月上旬に続いて下旬にも再びオホーツク海高気圧が発生する見込みとなったことがあります。そのため、予報期間の後半であっても、オホーツク海高気圧が新たに発生すれば一転して低温にシフトする可能性は否定できません。

今年の夏は、念のためオホーツク海高気圧の動向にも注意を払い、最新の気象情報に留意しながら、今後の気温変化や農作物への影響を見守る必要があります。

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<執筆者プロフィル>
田頭孝志
気象防災アドバイザー(国土交通大臣委嘱)

田頭気象予報士事務所代表。愛媛の気象予報士・防災士。防災や気象関連の記事執筆をはじめ、テレビ番組の監修、防災教材開発などを行う。BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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