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「前回は誰がいくら出したっけ」法事のお斎で始まった親戚の押し付け合い→誰も折れず空気が凍った夜

  • 2026.6.25

お斎の途中で出た一言

祖母の法事のあと、親戚が座敷に集まってお斎をいただいていました。お膳が運ばれ、和やかにお酒が回り始めた頃のことです。

料理代やお寺へのお布施を、誰がどれだけ負担するか。その話を切り出したのは、上座にいた伯父でした。

「前回は誰がいくら出したっけ」

はじめは事務的な確認のはずでした。ところが、記憶があやふやな人ばかりで、誰も正確な額を覚えていません。

「うちは去年も多めに出したと思うけど」

誰かがそう言うと、別の親戚がすかさず口を挟みました。

「いやいや、それを言うなら法要のときはこっちが立て替えてるよ」

箸を持つ手が止まり、座敷の温度がすっと下がっていくのがわかりました。

誰も折れないまま

言い分は、どれも筋が通っているように聞こえました。だからこそ、誰も引こうとしません。

「多く出した」「いや前回はこっちだ」と、過去の負担をめぐる応酬が続きます。金額そのものより、損をしたくないという気持ちがぶつかっているようでした。

身内だからこそ、はっきり言える分だけ言葉が遠慮なく飛び交います。私は嫁いだ立場で、口を挟める空気でもありません。

「もう、今日のところはみんなで割ればいいじゃない」

私がそう取りなそうとしても、誰の耳にも届いていないようでした。お膳の料理は半分以上残ったまま、冷めていきます。

結局、その場では何も決まりませんでした。お開きになる頃には、行きと帰りで親戚の顔つきがまるで違っていたのを覚えています。

玄関先で交わす挨拶も、どこかよそよそしいものでした。

後日の取り決め

数日経って、伯父から親族あての連絡が回ってきました。次からは法事の費用を頭割りにして、明細も残そう、という取り決めです。

「これで次はもめないだろう」

その文面を見て、ようやく胸のつかえが少し下りました。ルールが決まったこと自体は、ありがたいことです。

それでも、あの日のお斎の気まずさだけは消えませんでした。和やかだったはずの食卓が、お金の話ひとつで一瞬にして凍りついたあの感覚。

身内のお金のことは、もめてからでは遅いのだと思い知りました。早めに確認しておけば、と今でも考えてしまいます。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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