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「おめでとう」が言えなくて。同期のスピード出世に焦る私が犯した『最大の失敗』と寂しい末路

  • 2026.6.8

ミドル世代になると、かつて共に笑い、励まし合った仲間がそれぞれの道を歩み、時には自分より先へ進んでいく場面に出くわすこともあります。そんな状況で湧き上がる感情とどう向き合うかは、難しい課題ですよね。今回は筆者の友人の体験談をお届けします。

画像: 「おめでとう」が言えなくて。同期のスピード出世に焦る私が犯した『最大の失敗』と寂しい末路

一番の戦友だった同期

入社以来、ずっと一緒に頑張ってきた同期のS子。

厳しい新人研修も、終電間際までの残業も、「いつか一緒に大きな仕事をしたいね」と励まし合いながら乗り越えてきた相手です。
毎週末、居酒屋で愚痴を言い合える、唯一無二の戦友でした。

だからこそ、30代前半で彼女の主任昇進が決まった時、私は自分でも驚くほど動揺しました。
拍手が起きるオフィスで、「おめでとう」がどうしても素直に言えず、自分でも嫌になるくらい、嫉妬してしまったのです。

優しさすら苦しかった

S子は昇進後も態度を変えず、「また金曜、いつもの店行こうよ」と、以前と同じように接してくれていました。

でも当時の私は、その優しささえ“余裕のある勝者”のように感じてしまい、自分だけが置いていかれた気がして、惨めでした。

S子からのランチや飲みの誘いを「ごめん、今抱えてる案件が忙しくて」と嘘をついて断り続け、社内ですれ違いそうになると、わざわざ遠回りをして別の階段を使うことも……。

気づけば、S子は私に声をかけなくなっていました。
こうして私は、一番の理解者だった大切な人を、くだらないプライドのせいで失ったのです。

失ってから気づいたこと

思い返せば、あの頃の私は、自分のことでいっぱいいっぱいだったのだと思います。
思い通りにいかないキャリアへの焦りを、S子に八つ当たりしていただけだったのです。

過去に戻れるなら、オフィスで不機嫌にそっぽを向いている自分の頭を叩き、「彼女がどれだけ努力していたか、一番近くで見ていたのはあなたでしょ」と叱ってやりたい。

あんなことで距離を置くなんて、本当にもったいなかったと思います。

遠回りして気づいたこと

誰かを羨んで立ち止まる暇があるなら、自分の足元を見つめ、今できる努力を重ねる方がずっといい。
あれから10年以上の時を経て、今は、周囲の頑張りを見ると「私ももう少し頑張ろう」と自然に思えるようになりました。

人を羨む気持ちがゼロになったわけではありません。
でも、その感情を誰かにぶつけるより、自分を前に進める力に変えられる大人でいたいと思っています。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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