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客の横取りも当たり前!? 売上至上主義の悪女販売員を主人公に、華やかなデパコス売り場の知られざる裏側を描いたお仕事コメディー【書評】

  • 2026.5.26

【漫画】本編を読む

デパートのコスメ売り場といえば、メイクも服装もばっちりなビューティーアドバイザー(BA)たちが笑顔で出迎えてくれる華やかな空間だ。だが『デパコスカウンターは今日も修羅場です ~BA下剋上物語~』(ユキミ/KADOKAWA)は、その笑顔の裏に隠れたアレコレをコメディタッチで描き出した作品だ。

主人公・桜城まち子は、デパートのコスメカウンター「クレシアン」で売上ナンバーワンを誇る中堅BA。客の横取りといったマナー違反をしながらも売上を伸ばしてきたために、お咎めなしの毎日を送っていた。

「カウンターのお嬢」という異名を持つまち子は、一言でいえば「憎めない悪女」だ。本人は敏腕BAとして崇められているつもりでいるが、周囲からは「押し売りのお嬢」と呼ばれている。普通なら単なる「嫌な人」で終わりそうなところだが、自分の欲望に正直で仕事へのプロ意識も高く、その振り切った姿勢がどこか痛快で、不思議と目が離せなくなる。

そんなまち子のカウンターに、ある日メイク知識ゼロの新人・花巻梨帆が配属される。教育係となったまち子は、いつも通り自分本位に振る舞うが、物語が進むにつれてカウンター内の空気が少しずつ変化していく。「自分が主役」のはずのまち子の立場が揺らぎ始めるのだ。また、物語の後半で梨帆がまち子に放つ一言は、コメディとして楽しんでいた読み手をドキッとさせるだろう。

登場人物も多彩で、それぞれにクセがありながら、愛すべき人物がそろっているのも本作の魅力だ。いわゆる「お仕事漫画」は数多くあるが、本作は主人公が悪女という点が個性的だろう。それでも、読み進めていくとなぜかまち子から目が離せなくなっているはずだ。デパコスに縁がなくても、職場のドタバタコメディが好きな人におすすめしたい作品だ。

文=つぼ子

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